映画「ゆきてかへらぬ」 2025年2月公開

長谷川泰子の名を耳にしても、どこの誰であるか判らないというのが一般的でしょう。しかし、詩人中原中也や評論家小林秀雄の名を耳にしたことがある方は多いと思います。中原中也と小林秀雄に愛された女性が長谷川泰子であり、グレタ・ガルボ似の美女と言われました(当時は映画会社の大部屋女優で、端役専門)
女優の広瀬すずが長谷川泰子役で、中原中也は木戸大聖、小林秀雄を岡田将生が演じる映画「ゆきてかへらぬ」が来年、2月に公開されると報じられています
個人的にちょっと楽しみな作品です
広瀬すずは本人の希望なのか、事務所の方針なのか、テレビドラマではなく映画を中心に活動しています。オファーが次々と舞い込むところはさすがに売れている女優でしょうが、馬車馬のように働かされる割に観たいとは思えない映画ばかりで、もっと仕事を選んではどうかと言いたくなります。広瀬すずの無駄遣いでしょう
映画「ゆきてかえらぬ」は鈴木清順監督の怪作「ツィゴイネルワイゼン」の脚本を手掛けた田中陽造が、40年以上前に書き上げた脚本だそうです。これを根岸吉太郎監督が映画化しています
映画の予告編ではなく、この3人の関係を取り上げた動画がYoutubeにありましたので貼っておきます

2024VERSION「ゆきてかへらぬ~中原中也との愛~」長谷川泰子 述・村上護 編

長谷川泰子自身の著作となる自伝「中原中也との愛 ゆきてかへらぬ」 (角川ソフィア文庫) が出版されていたのですが、現在は絶版となり入手困難です。映画の公開に併せて再版してくれるとよいのですが
自分が小林秀雄と中原中也との三角関係にあった長谷川泰子を知ったのは、講談社現代新書にある高見沢潤子著「兄小林秀雄との対話:人生について」を読んだときです。高見沢潤子は小林秀雄の妹です。が、この本の中では三角関係についてあまり具体的な話は明かされていません
中原中也と小林秀雄の関係について書かれた評論は数多く出版されています。自分はその中から、文芸評論家秋山駿による「小林秀雄と中原中也」を選び、今から読もうとしています
結局、長谷川泰子の潔癖症(強迫神経症)が悪化し、小林は大学の講義にも出席せず原稿を書いて金を稼ぎつつ、泰子の世話をし続けるものの生活は破綻し、同棲を解消するに至ります
上に引用した動画の中では、老人ホームで暮らす泰子のところへ小林が見舞いに来ると聞くや、泰子がいそいそと身支度を始めた…とのエピソードが紹介されており、互いに何かしら響き合い惹かれ合うものがあったのだろうと思われます
映画の中でそこら辺りがどう表現されるのか、映画館で確かめたいものです

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