韓国ウェブトーン配信大手 業績悪化で株価下落

韓国のコンテンツ企業であるNAVERの子会社で、ウェブトーン配信を手掛けるウェブトーンエンターティメントが今年6月、アメリカのナスダック市場に上場を果たし話題になりました
ウェブトーン配信ビジネスは右肩上がりで、近い将来、日本のマンガ市場を追い越すくらいの成長を遂げるだろう、と煽っているジャーナリストもいたくらいです
ですが、昨年から実態として売上が伸び悩み、韓国のウェブトーン配信会社は軒並み経営状態が悪化していました。そして、先日の株価暴落の波を被り、ウェブトーンエンターティメントの株価も大きく下げています


12日(現地時間)、米国ナスダック証券市場でネイバーウェブトゥーンの子会社であるウェブトゥーンエンターテイメント(NAS:WBTN)は前日比0.72ドル(5.65%)下げた12.03ドルで取引を終えた。去る9日、1日だけで7.88ドル(38.20%)抜けて再び下ったのだ。 2取引日間時価総額は10億7847万ドル(約1兆4780億ウォン)ほど飛んだ。
ウェブトゥーンエンターテイメントは6月27日、米国ナスダック市場に入成した。当時公募家は希望範囲上位の21ドル、企業価値は26億7000万ドル(約3兆6600億ウォン)だった。株価が上場の翌日のうち25.66ドルまで上がり、企業価値も最高4兆4000億ウォン台に達した。以後株価は20ドル台で登落を繰り返してきた。
今週の急落には業績の影響が大きかった。ナスダック上場以来初めて公開したウェブトゥーンエンターテイメントの第2四半期の当期純損失は7660万ドル(約1050億ウォン)だった。使用者側は、IPOと株式ベースの補償など一回限りの費用で一般・管理費用が前年同期比2.6倍増えた1億3780万ドル(約518億ウォン)に達した影響だと説明した。
売上上昇幅も大きくなかった。ウェブトゥーンエンターテイメントの第2四半期の売上高は前年同期比0.1%増加した3億2100万ドル(約4404億ウォン)だった。これに対しても使用者側は日本で有料コンテンツと広告売上が史上最大値を更新したが、ウォンや円など外貨弱税で売上が大きく相殺されたと解明した。それでも投資家の「売り行列」を防ぐことはできなかった。
(以下、略。韓国NAVERの記事から引用)


韓国メディアやその記事を受け売りする日本のメディアは、「韓国のウェブトーンがすごい」と報じてきました。しかし、大人気と呼べるほどのコンテンツは少なく、「無料で読める」と宣伝して新規読者を集めるものの、有料会員登録しようとするユーザーが必ずしも多くはないのが実態です
売上全体に占める割合としては日本と韓国で9割を占め、ヨーロッパや北米での売上は微々たるものです(配信事業を手掛けるカカオは欧州からの撤退を決めました)。ちなみに日本で売上の中心となっているのは韓国の縦読みマンガであるウェブトーンではなく、日本のマンガ作品です
記事にもあるように、四半期ベースで100億円を超える赤字を出しているようでは、この先を「右肩上がりで成長」などと楽観視するわけにはいきません。これでは通期(年間)でも赤字になるのでは?
日本の芸能ニュースでは相変わらず「ウェブトーンで大人気作品のドラマ化」などと囃し立てる記事を出していますが、ドラマも決して大当たりというわけではありません
メディアが虚像として流布してきた「ウェブトーンは大人気」も化けの皮が剥がれ、低迷の実態が露見するのでしょう

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