ススキノ首なし遺体 遺族「一家3人に極刑を」

ススキノ首なし遺体事件は田村瑠奈被告の母親、浩子被告の公判が続いています
少し時間が経過してしまったのですが、6月の初公判では被害者の長男が遺族して心情を述べた調書が朗読されていますので、その一部を報道から引用します


―被害男性の遺族は。
(「読売テレビ」西村拓真ディレクター)
「被害者の長男の供述調書が読み上げられた際には、『父は数年前に還暦を迎え、小樽への旅行を計画していたがコロナ禍ということもあり実現できなかった。その旅行をプレゼントする前に事件に巻き込まれてしまい、非常に後悔している』、また『自分は、“父は3度殺された”と思っている。1度目は殺害が実行されたとき、2度目は遺体が損壊されたとき、そして3度目は週刊誌などの報道によって“自分の父は死んで当然”かのような世論が形成されてしまったこと。この3点において、父は3度殺された。ただ、そんなひどい父ではなく、人を楽しませるのがすごく好きな父だった。被告3人に対しては、一家全員の極刑を望んでいます』と語っていたことが明らかになりました」
(読売テレビの記事から引用)


遺族を批判するのは本来、控えるべきなのでしょう。しかし、この事件の場合、女装した被害者男性が「男ではあるけど心は女性」だと瑠奈被告に偽ってホテルに誘い性交に及んだところに原因があり、しかも性交の際には避妊の配慮もなく瑠奈被告を激怒させています
長男は「良き父親」の姿しか見ていないので、瑠奈被告に対する加害の事実を受け入れていないのではないか、と思ってしまいます
もちろん、不同意性交があったとしても報復のため殺害が容認されるわけではありません
ただ、「良き父親」を殺されのも、原因を作ったのは「良き父親」であり、そこはきちんと認識し受け入れる必要があるのでは?
さらに田村瑠奈被告を含め一家3人に極刑を求めるというのは、冷静さを欠いているように映ります


弁護側の冒頭陳述などによると、瑠奈被告と被害男性とは“性的なトラブル”がありました。2023年5月に瑠奈被告と被害男性が初めて会い、カラオケに誘われましたが、連れて行かれたのはホテルでした。約3時間の滞在の中で、“性的なトラブル”に発展したといいます。
検察側の冒頭陳述によると、瑠奈被告は「絶対に見つけて仕返しする。殺してやる」と父・修被告に言っていて、クラブに通って男性を見つけ、2023年7月1日に会う約束をしたということです。父・修被告は被害男性に対し「瑠奈被告に会わないように」と電話しましたが、説得できず、二人は会うことになりました。そのため、検察側は「事件前に瑠奈被告が殺意を募らせていたことを、両親は認識していた」と主張しています。
Q.上記のやり取りがあった上で「のこぎり」や刃物を購入したことを考えると、父・修被告は「瑠奈被告が被害男性を殺害する」と認識していたとも取れますよね?
(亀井弁護士)
「検察側としては、父・修被告が『瑠奈被告が殺害に及ぶこと』を認識していないといけないので、それを主観的に立証する必要があるため、上記のことを出しています。ただ、母・浩子被告の場合には『殺人ほう助』ではなく『死体損壊』『死体遺棄』の罪名ですので、殺害することまで知らなくてもいいです」
(読売テレビの記事から引用)


真実がどうであったかは別にして、裁判では父・修被告が妻である浩子被告の無罪を立証するため証人に立っていますので、浩子被告は被害者殺害について「知らなかった」と強調する証言をしています。証人は「真実を述べます」と宣誓した上で証言をするのですが、法廷戦術丸出しでしょう
そもそも瑠奈被告は被害者男性からレイプされたと怒り心頭で、自宅でも父母の前で「見つけて殺してやる」と息巻いていたと想像されます
であるからこそ、浩子被告も修被告も被害者男性にあれこれ説得したり脅したりして、瑠奈被告と再会しないよう試みたと考えられます。その時点で再会すれば男性を殺すかもしれない、と予期できていたわけで
瑠奈被告が「のこぎり」などの刃物を購入する際、修被告は車を運転して同行しており、殺害のための凶器に用いられると理解していたのでしょう。理解していなかったと言うなら、それは嘘です
そこで気になるのが、被害者男性はなぜ瑠奈被告との再会を望んだのか、です
2人はクラブで落ち合い、事件現場となったホテルへ移動しています。「良き父親」である被害者が瑠奈被告を傷つけたことを詫び、示談しようと思ってホテルへ誘ったとは思えません。瑠奈被告を単なるセックスフレンドと見なし、性交する気満々でホテルへ行ったと考えるのが妥当です。あるいは瑠奈被告が殺害のため、ホテルに誘ったのか?
遺族には気の毒ですが、「良き父親」との認識にしがみつくのは無理があります。女装してクラブやそっち系のバーに出入りし、セックス相手を漁っていたというのが実際に姿であり、それを受け入れる必要があると思います

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