講談社編集次長 有罪判決に不満爆発
先日もブログで言及したように、講談社の編集次長だった朴鐘顕被告に対し、妻を殺害したとして懲役11年の判決が下されています
事件の詳細についてはこれまでにも取り上げてきましたので省略し、判決言い渡し公判での朴被告の様子を取り上げた週刊新潮の記事に注目しましょう
朴被告は有罪判決が意外だったのか、裁判官による判決文の朗読を黙って聞いていられず度々、不満を口に出して注意を受けたと書かれています
講談社元次長「妻殺し」に懲役11年 「やっていない!」「めちゃくちゃだ!」不規則発言連発で法廷は大荒れ「彼は釈放され漫画編集者に戻るつもりだった」
(前略)
法廷に現れた朴被告は坊主頭に黒のスーツ姿だった。知人によれば、
「本人は無罪判決が出て、即日釈放されると信じていて私物の片付けまで始めていた。また会社に戻って漫画の仕事を再開するつもりだった」
だが、言い渡された主文はまたもや懲役11年の有罪だった。
朴被告はすぐさま声を発した。
「えー! この国は裁判がないことになってしまいます」
2度こう叫んだ。家令和典裁判長は「静粛にしてください。これ以上発言すると退廷させます」と警告してから判決理由の朗読を始めた。
朴被告はしばらくメモを取るなど大人しくしていたが、やがて顔を手で覆ったり、椅子の背もたれにもたれかかって天を仰いだり、落ち着かない様子を見せ始めた。
10分ほどすると、我慢できなくなったのか裁判長が読み上げたくだりに反論し始めた。
朴被告「いや、(法廷で証言した法医学者の)先生は!」
裁判長「静粛にしてください」
朴被告「僕はしていないんです」
裁判長「静粛にしてください! あなたがいる状況で判決を言い渡したいのです」
朴被告「僕はやっていないんです、本当にやっていないんです」
裁判長「……」
ここで裁判長は言い渡しを中断。朴被告をじっと見つめた。緊迫した静寂は20秒近く続いた。
「では再開します」(裁判長)。だが、朴被告は5分も我慢できずに声を上げ始めた。
「めちゃくちゃだー!」
「娘も(事件現場で音を)聞いています!」
「(妻を)助けようとしました! 助けようとしました!」
「間違っています! していません!」
約30分の言い渡しの間、不規則発言は10回近くに及んだ。
(中略)
「奇異というほかない」。全面的に退けられた自殺ストーリー
そして、今回の判決で改めて、弁護側の自殺ストーリーは全面的に退けられたのだった。下記は判決からの抜粋である。
〈被告人の右腕の表皮剥奪や妻の手指の爪の隙間の付着物からのDNA型検出結果からすると、妻は苦しさから必死に抵抗したものの意識を失って失禁したとみるのが自然である〉
〈階段の手すりにジャケットをくくりつけて首をつるという方法で自殺を図ったというのも、それまでの行動からすると余りにも唐突である上、自殺が可能な方法であるとしても、状況がよく分かっているはずの自宅における自殺の仕方として、奇異というほかない〉
朴被告は“自殺した”妻と向き合った時、すぐに救急車を呼ばなかった。
子供たちのために「階段から落ちて死んだことにしよう」と考え、暴れ回っていた時に妻が持っていた包丁を、軍手をしてから2階の包丁入れに洗ってから片付け、タオルで階段や手すりについていた血を拭い、血溜まりや妻の顔も拭ってから、息を吹き返したような声がしたので、救急に電話をしたーーと供述していた。
この行動についても、判決はこう厳しく指摘した。
〈そのような場面に直面した者の行動として不自然かつ不合理というほかなく、被告人の供述は全面的に見ても信用性が認められない〉
(以下、略)
これまでの裁判の中で弁護側は法医学者を証人として立て、「ベッドに失禁の痕跡があった=ベッドの上で絞殺した」との検察側の主張は根拠が不十分であると主張してきました。出産を経験した女性は尿もれがしやすくなり、ちょっとしたいきみで失禁する場合が珍しくないと主張し、朴被告の言い分通り、暴れる妻をベッドの上で押さえつけなだめようとしている間に失禁があったと考えても不自然ではないと弁論を展開していました。これで検察側の主張の根幹が崩れた…と弁護側は考えており、無罪判決が出るものと決めてかかっていたのでしょう
しかし、判決では朴被告の証拠隠滅の数々が問題にされ、「あまりに不自然であやしずぎる」と裁判官が受け止めたのは確かです。妻が自殺し、息をしていないと気付いた時点で、証拠隠滅に時間をかけたりはせず直ちに救急車を呼ぶはず、と世間一般の人たちは思うでしょう
ベッドの上の失禁がただちに絞殺の証拠にならないとする弁護側の主張も吹っ飛んでしまい、顧みられませんでした
今回の判決について、メディアの中には朴被告に同情する向きがあり、真実を葬る内容だと批判を繰り広げていたりします
ただ、これまでにも当ブログで書いてきたように、妻は自殺だった=朴被告は無罪で済ませされる話ではありません。妻が自殺だったとなれば、朴被告は妻に4人のこどもの育児と家事を押し付け、ノイローゼ状態にし、自殺に追い込んだ張本人だという話になります。妻を自殺に追い込んだ人物として道義的な責任が問われます
しかし、朴被告を支援するメディアの人たちは、その点にまったく触れようとしないのが異常に感じられるのです
追記:最高裁は朴被告の上告を棄却し、懲役11年とした有罪判決が確定しました。今後は朴被告が無罪を証明するため再審を請求するのかもしれません
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