羽曳野会社員殺害 異例の3か月裁判

およそ6年前、2018年に大阪府羽曳野市で起きた殺人事件で起訴されている山本孝被告の公判が続いています。この裁判は延べ14人もの証人が出廷し、中間論告と中間弁論が間に3回も挟まれるという異例の長期裁判です。殺人事件なので裁判員裁判となり、立ち会う裁判員も大変です。判決は9月27日に言い渡される予定です
初公判で山本被告は犯行を否認し、弁護人は第三者(通り魔)による犯行だと主張しています。ただ、駐車場の物陰に隠れ、いつ来るとも判らない人物を待ち伏せし、背後から刺殺して逃走するような通り魔がいるとは思えません。被害者の財布など奪われていないので強盗目的の犯行ではないわけですし
山本被告は現場近くに住んでおり、駐車場に防犯カメラが設置されていないのを承知していたと思われます。証拠が残らないよう計画し、実行したと考えた方が自然でしょう


大阪府羽曳野市で起きた殺人事件の裁判員裁判。直接証拠がない難解な裁判は3か月にも及び、16人の証人が出廷するなど異例の展開となっています。2回目の論告・弁論では、画像解析から被告人と犯人の特徴を比較。検察はバーチャル空間で作製した3次元の人形アバターなどを用いて、「身体的特徴は概ね合致する」と指摘し、弁護側は「一致との結論に至らず証拠能力が認められない」と主張しました。
(中略)
■異例の裁判 今回の論告・弁論はドライブレコーダーの「犯人」と被告が一致するか
6月から始まった異例づくしの裁判。一般的な裁判では検察側が求刑などを行う「論告」と、弁護側がどれくらいの刑が相当か意見を述べる「弁論」は1回で終了しますが、今回は犯人の行動や動機などに分けて検察・弁護側双方が証拠について意見を述べる中間的な論告・弁論が3回行われます(当初は4回設定)
7月8日に行われた2回目の論告・弁論では犯人と見られる人物が映ったドライブレコーダーの映像解析をもとにした、犯人と山本被告の身体的特徴が一致するかについて争われた。
(以下、略。関西テレビの記事から引用)


この公判で証人として出廷した画像解析の専門家は、映像の人物が身長180センチ前後(山本被告は身長181センチ)との推定を明かしています。ただし、顔は判別できないとも述べています
検察は衣服の色合いや靴の特徴が山本被告と一致すると主張したのに対し、弁護側は身長の推定は山本被告がやや猫背気味である事実を無視しており、山本被告の身長に合わせて推定値を算出したものだと反論しました
こうした法廷での丁々発止のやり取りはなかなか報道されないので、興味深いものがあります
テレビドラマ「科捜研の女」では、動画に映った容疑者の肩の動き、膝の動きなどから歩行の特徴を割り出し、一致するかどうか判別するシーンがありました。歩き方というのはその人なりの個性が出るもので、故意に歩き方を変えるのは難しいと言われます。本件はそこまで解析はしなかったのでしょう
山本被告は駐車場に防犯カメラがないと知った上で、駐車場での殺害を計画したものと思われます。しかし、道路を走行する車のドライブレコーダーに自分の姿が映るところまでは想定しなかったのでしょう
この事件では凶器も発見されていませんので、山本被告はともかくも否認を貫き、弁護人は証拠不十分を盾に無罪判決を勝ち取ろうとするのでしょう

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