妻子3人殺害の父親 懲役30年判決
家族を道連れにする親子心中というのは日本独自のものとされますが、安易に同情などせず厳しく罰するべきでしょう
こどもたちは親の所有物ではありませんし、それぞれが生きる権利を持ちます。親の勝手な思い込みで命を断たれるような心中は殺人と同じであり、こどもの人生を奪うなど許されません
愛知県扶桑町で妻とこども2人を殺害し、自身も死のうとしたものの死にきれず逮捕・起訴された田中大介被告に対し、名古屋地裁は懲役30年の判決を下しています(求刑も懲役30年)
2年前、愛知県扶桑町の自宅などで妻と子ども2人を殺害した罪に問われた男に対し、名古屋地裁は責任能力を認めた上で求刑通り懲役30年の判決を言い渡しました。
起訴状などによりますと、田中大介被告(44)は、2022年8月、当時住んでいた扶桑町の自宅で妻・智子さん(当時42歳)の首を絞めて殺害、犬山市内に停めた車の中で長女・千結さん(当時9歳)と長男・十楽さん(当時6歳)の首を絞めるなどして殺害した罪に問われています。
検察側はこれまでの裁判で田中被告が浮気を疑われていると思い込み口論の末に激高したと指摘。
「智子さんが命乞いをしたのに躊躇せず殺害し、短い生涯を終えることとなった2人の子どもの無念も計り知れない」として懲役30年を求刑していました。
一方、弁護側は「智子さんを殺害した当時、田中被告は妄想性障害の影響で、心神耗弱状態だった」などとして、懲役25年が相当と主張していました。
9日の判決で名古屋地裁は田中被告の責任能力を認めた上で、求刑通り懲役30年の判決を言い渡しました。
弁護人によると田中被告は判決を受け入れる意向で控訴はしない方針だということです。
(名古屋テレビの記事から引用)
記事にあるように、田中被告側は犯行時、妄想性障害で心神耗弱だったと主張していました。夫婦の間で浮気をしている、していないの言い争いがあったようにですが、それがどの程度のものかはよく判りません。田中被告の言い分のみを信じるわけにはいかないからです
また、こどもたちに対しては「一緒に死ぬか、祖母と暮らすか?」と選択を迫り、こどもたちが「一緒に死ぬ」と答えたので殺したと田中被告は供述しています
が、6歳と9歳のこどもに「一緒に死ぬか?」と選択を迫ること自体誤りでしょう。「こどもが同意したから殺した」のが事実であろうと、選択を迫るべきではないのは明らかです
結果として田中被告のエゴで命を奪ったのであり、名古屋地裁が求刑通り懲役30年の判決を下したのは妥当な判断です
田中被告がどうあろうとも、こどもたちには生きて幸せを掴む機会を与えなければなりません。親だからこどもの命を奪う権利があるかのような考え方は大間違いです
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