静岡の幼稚園 バス閉じ込めの園長に禁錮1年4月の実刑

静岡県牧之原市の認定こども園「川崎幼稚園」で2022年9月、河本千奈ちゃん(当時3歳)が通園バス内に取り残され、熱中症で死亡する事件がありました。バスを運転していた元園長増田立義被告には禁錮2年6月が、送迎を担当していた西原亜子被告に禁錮1年がそれぞれ求刑されていました。判決公判で静岡地裁は増田被告の責任を重くとらえ、禁錮1年4月の実刑を下しています
同じような送迎バスでの死亡事件では執行猶予付き判決が出ており、実刑として裁判官の判断にあらためて驚き、敬服します
当ブログで前回、この事件の結審を取り上げた際には、「実刑はない」と書きました。日本の裁判が判例を重視し、右に倣えの判決を出すのが当たり前なのですが、今回は踏み込んだ判断をしたものと評価できます
なお、西原被告については禁錮1年執行猶予3年の判決でした


午前11時から始まった裁判の冒頭、静岡地裁の國井恒志裁判長は、増田被告に禁錮1年4か月の実刑判決を、元クラス担任の被告に禁錮1年執行猶予3年の判決を言い渡しました。判決が言い渡された後、法廷内には「ついたて」越しに、遺族の泣く声が響きました。その後、國井裁判長は40分ほどかけて判決理由を読み上げました。
國井裁判長は「わずか3歳11か月で生きる権利を奪われた苦しみは想像に絶する」などと結果の重大性を指摘。増田被告に対しては「責任者として園の安全管理をする立場でありながら、園の安全管理計画を策定せず、自らの責任を放棄した」「運転手として人数確認をすることや方法を知らず、補助員が人数確認をしたと思い込むなど、安全確保をしなかった過失は著しい」などとずさんな管理体制を指摘。「安全意識の欠如がはなはだしく、執行を猶予する余地は認められない」として実刑判決とした理由を説明しました。
一方、元クラス担任の被告に対しては、「保護者に連絡しなかった過失は軽視できるものではないが、ずさんな園の安全管理体制によって事件が発生した」などとして、執行猶予付きの判決としました。判決理由を述べた後、國井裁判長は2人の被告にこう語りかけました。
(國井 恒志 裁判長)
「2人のしていた保育の仕事は人の未来を育てる素晴らしい仕事です」「尊敬される仕事ですが人の命を預かる責任は重いです」
亡くなった千奈ちゃんについては涙をにじませ、声を詰まらせながら次のように述べました。
(國井 恒志 裁判長)
「千奈ちゃんは両親を幸せにするために生まれてきました。本件のために生まれてきたわけではありません」「子どもの命を守る大切さ、送迎バスの子どもの降車を確認することは当たり前のこと」「福岡の事件以前にも同じことが起きているが、今回も起こってしまいました」「それは子どもの命を守る大切さを私たちが忘れていたからです」
当初、千奈ちゃんの父親は、被告2人に執行猶予判決が下ると予想していたため、今回の有罪判決には驚いたと話します。
(以下、略。静岡第一テレビの記事から引用)


また猛暑の夏がやってきました。同じ過ちが繰り返されないよう、通園バスの運転を担当する職員、乗務して送迎を担当する職員は心して業務に当たってもらいたいものです
何の準備もなくただ漫然と車を走らせ、こどもたちを降ろしたらそれで終わりというものではありません。車内に取り残されているこどもがいないか、落とし物や忘れ物がないか毎回確認するまでが仕事です
繰り返し書いているのですが、自分が勤務していた法務省の矯正施設では人員掌握を徹底的に教え込まれます。刑務所であれ、少年院であれ、担当者は常に人員を把握し、上司が巡回してくれば「総員◯名、面会1名、医務課受診1名、現在員◯名」と報告します。工場へ出入りする際も、点呼として受刑者に番号を唱えさせるだけでなく、必ず自身で人員が揃っているかどうか確認します。およそ、人員を把握しないまま勤務するなどありえません
なので、幼稚園や保育園で人員を把握しないまま勤務している実態には驚き、呆れます。また、それが当たり前になっているとすれば、根本的に間違っていると言わざるをえません

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