富士山山開き 半袖短パンで登る人も

富士山が山開きを迎え、本格的な登山シーズンに入ります。既に山開き前に富士山に登り、頂上で遺体となって発見された方が3名います
麓から山頂まで見渡せる富士山ですから、訪日外国人旅行者の目には簡単に登れる山、と映るようです。なので、いくら警告は発しても軽装で登ろうとする者が絶えません。こうした人達に「山を甘く見てはいけない」と言ったところで耳を貸さないのです
登山家の野口健がこうした風潮に苦言を呈しています


アルピニスト野口健氏(50)が3日までに自身のX(旧ツイッター)を更新。1日に山開きを迎えた富士山での一部観光客の登山服などに対し、強く警鐘を鳴らした。
野口氏は、富士山がオーバーツーリズム対策などのため今夏から「吉田ルート」で予約制などの入山規制を行っている中で、外国人観光客が多く訪れた山開きを伝えるニュースを引用。報道に出てくる半袖でキャリーケースを手に登山する中国人観光客を念頭に「半袖シャツにキャリーケース姿の人がいるとは。富士登山に挑む前に既に高山病に侵され冷静な判断能力を失ってているのか、単なるおつむの弱い人なのかは分かりませんが、来年以降、服装や装備をチェックしなければならないのかも」と私見を述べた。
自身の経験もまじえ「学生の頃、マッキンリーに挑戦しましたが、登山前にパークレンジャーから装備のチェックを受けた記憶あり。いずれにせよ富士山のような山に関しては明らかに軽装な登山者に関し『登山禁止』にした方がいいのでしょう。その為に法改正が必要ならやればいい」とつづった。
続く投稿でも「人様にバカとは言ってはいけないのだろうけれど、しかし、馬鹿者だね」とバッサリ。「この手の登山者を排除する為にはパークレンジャーに『登山禁止』をジャッジできる権限を与えるべき」とすた上で、「と言っても富士山で環境省のレンジャーをたったの一度も見たことがないけれど」と指摘した。
(日刊スポーツの記事から引用)


政府にしろ、静岡県や山梨県にしろ、富士山は観光地という認識なのでしょう。「誰でも行ける観光地」ですから、規制には極めて消極的だと思われます。また、インバウンド消費との美名に目がくらんでいるのか
ようやくにして入山者に上限を設け、規制する仕組みができたのは歓迎すべきでしょう。入山者が増えれば事故も増えます
観光地だから安全というものではなく、天候が悪化して風雨に晒されれば低体温症で死亡するケースも起こり得ます。転落や転倒で負傷する登山客も出ます。日本人の登山客でさえ、「簡単に登れる山」だと思い込んでいる人がいて、小学校低学年のこどもを連れて登ろうとする者がいたりするのが現実です。こどもに登山を体験させるのは意義があるのでしょうが、まずは近隣の山に登らせ経験を積ませる必要があります。レジャー感覚でいきなり富士山に登らせるとか、無謀すぎでしょう
日本各地に、観光バスで千メートルを超える地点まで登れるルートがあります。便利なのは歓迎されるのでしょうが、そこから先は誰でも登れる…というものではありません
かつて山は畏敬の対象であり、信仰の対象でもあったのですが、現在では手軽なレジャーの場となってしまいました。手軽なレジャーの場だからといって誰にでも安全というわけではなく、山が危険であるのは昔から変わりはない、と知っておく必要があります
外国人観光客だからといって山が特別扱いしてくれたりはしません

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