神奈川県警 警官が逮捕される件相次ぐ
警察官と教員で、どちらが多く逮捕者を出しているか、などというのは不毛な話です
が、わいせつ事案で毎年200人以上もの教員が懲戒免職処分を受けているのが実態で、これは看過できません。ゆえに当ブログでも教員のわいせつ事案を取り上げるケースが多くなります
他方で、鹿児島県警の捜査情報漏洩事件のように、堅牢な組織に見える警察にもほころびがあり、警察官の不祥事、怠慢、その隠蔽といった組織的な不正が繰り返されているのも問題です。令和5年に懲戒処分を受けた警察官は全国で266人です。1位は愛知県警で21人。2位は千葉県警で19人です。なので、神奈川県警はまだましな方ですが、それでも神奈川県民からすれば「どうなってるんだ」と言いたくなるはずです
警察が信頼できる組織であってほしい、というのは多くの国民が願うところでしょう
さて、神奈川県警では不祥事が相次ぎ、2024年で早くも5人目の逮捕者が出ていると報じられています
神奈川県警で現職の警察官が逮捕される不祥事が相次いでいる。19日には海老名署員が洗濯物を盗もうとしたとして窃盗未遂容疑で現行犯逮捕された。今年5人目の逮捕者となり、今年に入って半年で昨年1年間の逮捕者数に達した。止まらない不祥事に県警幹部は危機感を募らせている。
「短期間に複数の逮捕者が出たのは甚だ遺憾だ。調べて対処していくしかない」。19日夜、県警本部10階の監察官室。海老名署地域課巡査長の宮村修平容疑者(38)=秦野市=が窃盗未遂容疑で現行犯逮捕されたことを受けた緊急記者会見で、加藤秋人監察官室長はそう語った。
宮村容疑者の逮捕容疑は19日午後4時半ごろ、秦野市内のアパート敷地内で、1階屋外に干されていた洗濯物を盗もうとしたとしている。室内にいた住人の男性(29)が外で洗濯物を触っている宮村容疑者を発見。逃げる宮村容疑者を男性が約100メートル追いかけて取り押さえ、秦野署員に引き渡した。宮村容疑者は容疑を否認している。
県警警察官の逮捕者は今月に入って宮村容疑者で3人目。5日には、平塚署の男性巡査長(35)が詐欺未遂容疑で逮捕され、県警本部組織犯罪分析課の男性巡査部長(38)が住居侵入容疑で現行犯逮捕された。一日で2人の逮捕者が出る事態に再発防止を誓ったはずだったが、わずか約2週間後に再び逮捕者が出た格好だ。
監察官室によると、県警警察官の逮捕者は2019年3人▽20年3人▽21年3人▽22年1人▽23年5人――だった。今年は半年ですでに昨年の逮捕者数と並んだことになる。
逮捕者が相次ぐ異常事態に、ある県警幹部は「恥ずかしい。歯止めをかけて県民からの信頼を回復するしかない」と肩を落とす。別の幹部は「そもそも逮捕者がゼロであることが普通。あってはならない事態が続いている」と嘆いた。
◇2024年の県警警察官の逮捕者
(逮捕日・容疑・所属)
2月・地方公務員法(守秘義務)違反・県警本部薬物銃器対策課 男性巡査部長
4月・地方公務員法(守秘義務)違反・川崎署 男性警部補
6月・詐欺未遂・平塚署 男性巡査長
6月・住居侵入・県警本部組織犯罪分析課 男性巡査部長
6月・窃盗未遂・海老名署 男性巡査長
※5月には厚木署交通課の男性巡査部長を公然わいせつの疑いで書類送検
(毎日新聞の記事から引用)
下着泥棒であれ盗撮であれ、犯罪です。警察官自身、犯罪で逮捕されればどうなるか、よくよく理解しているはずですが、それだけでは歯止めにならない者が少数ながら存在しているのは残念です
神奈川県警は総員で1万7400人(警察官約1万5700人。警察事務職員等約1700人)の大所帯です。そこから5人の逮捕者が出るのが多いと見るべきなのか、少ないと見るべきか、人それぞれだとは思います
ちなみに東京都を管轄する警視庁の場合は、職員が総数で4万人を超えており、警察官約4万3500人、事務職員等3000人になります
人員が多ければそれだけ多額の予算を遣っている組織であり、納税者側から厳しい目を向けられるのは当然です
とある県警本部に勤務している人物によれば、警察官の不祥事が出るたびに「綱紀粛正」とか、「襟を正せ」とか警察職員向けの訓示が出るのはもちろん、妻や家族に宛てた「お願い」の文書も配布されるのだそうです。家庭での不和やいざこざが警察官の不祥事につながるからと、家族への協力依頼を求める内容になっていると聞きました
家族の協力も得て、なんとか警察官による犯罪・不祥事を減らしてもらいたいものです
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