「めちゃコミック」を米投資ファンドが買収へ

テレビでやたらCMが流れる「めちゃコミック」を、アメリカの投資ファンド「ブラックストーン」が買収すると報じられています。「めちゃコミック」を巡ってはソニーグループや、米投資会社KKRも買収の意向を示し、奪い合いになっていました
驚いたのは「めちゃコミック」を運営するインフォコムという企業が繊維・化学メーカーである帝人の子会社、ということです。経営多角化路線の帝人は電子書籍配信までやっていたのですね
かつてソニーやパナソニックは電子書籍向けのブックリーダーを開発し、独自に電子書籍の配信サービスを実施していたのですが、市場は拡大せず立ち消えになっていました。ソニーとしては「めちゃコミック」を買収し、いまいちど電子書籍業界に参入したかったのでしょう
ちなみに「めちゃコミック」は既存の日本のマンガ作品のコマ割りを、1コマずつ縦スクロールで読める形で配信しています


大手漫画配信サービス「めちゃコミック」の運営会社をアメリカの投資ファンドが買収することになりました。買収総額はおよそ2700億円にのぼる見通しで、市場の成長が続く電子コミックの海外展開に力を入れるとしています。
発表によりますと、大手漫画配信サービス「めちゃコミック」を運営する「インフォコム」をアメリカの投資ファンド「ブラックストーン」が買収するということです。
インフォコムは、大手繊維メーカー、帝人の子会社で、投資ファンドがTOB=株式の公開買い付けを行ったうえで、帝人が保有する57%余りの株式を買い取ることで合意したということです。
全体の買収額は2750億円にのぼる見通しです。
「めちゃコミック」は、2006年にサービスを開始し、国内だけでなく、去年からはアメリカでの展開も始めています。
全国出版協会の出版科学研究所によりますと、紙と電子書籍を合わせた国内の漫画市場は、去年は前の年から2.5%増加して過去最高を更新し、紙の漫画雑誌が全盛だった1995年をすでに上回っています。
漫画を含めた日本のコンテンツ産業は、政府が今月まとめた「新しい資本主義」の改定案でも重点分野に位置づけられ、投資ファンドとしては、アニメ化や関連事業の拡大に加え、海外展開に力を入れるとしています。
(NHKの記事から引用)


「めちゃコミック」が2750億円で買収されると聞けば、他のマンガ配信サービスを手掛ける企業の価値はどれくらいになるのか、気になります。マンガ配信サービスで首位をゆく「カカオ・ピッコマ」は2023年時点で企業価値は8000億円と報じられていますが、あくまでも投資ファンドの予想した数字であり、現実的なものではありません。実は2021年から株式を上場する予定だ、との報道が繰り返されているのですが未だに上場には至っていません。理由は不明です。株を高く売りたいがため、上場のタイミングを見計らっているのかもしれません
他方でLINEマンガですが、こちらは売上の9割を韓国・日本が占めていると公表しており、となればヨーロッパや北米での売上は1割しかないわけです
韓国メディアがここ数年来主張してきた、「ウェブトーンは世界中で人気」との言い分は嘘だと判ります。「韓国と日本でしかウェブトーンは読者を獲得できていない」のが実際です。しかしLINEマンガは「売上が現在少ない地域はこれから伸びる」と強気の発言をしており、ヨーロッパや北米でどれだけ有料会員を増やせるか様子を見ましょう

(関連記事)
韓国ウェブトーン 人気低迷
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/505079256.html
韓国ウェブトーン 人気低迷で中国市場から撤退
韓国ウェブトーン 人気凋落の理由
中国の漫画・アニメ業界の「ヒーロー待望論」
いま一度、映画「ルックバック」を語る
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/503949559.html
韓国ウェブトーン 人気低迷の衝撃
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/503666354.html
韓国ウェブトーンの「カカオ」 欧州から撤退
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/503312309.html
「日本漫画は衰退し、韓国ウェブトーンの時代」という記事
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/502553878.html
「薬屋のひとりごと」漫画家が巨額脱税
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/502860779.html
ウェブトーンが追いつけない日本の漫画
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/502829076.html
「韓国は世界4大コンテンツ強国」と韓国政府
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/502273759.html
日本アニメ売上2兆92百億円 韓国アニメは8百億円
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/501836243.html
韓国ドラマ市場 不人気で崩壊寸前
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/501245835.html
韓国産劇場向けアニメ ヒット作なく絶滅寸前
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/499414227.html
「クールジャパン戦略は大失敗」なのか?
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/499328075.html
「韓国コンテンツは日本を超えた」と報じる韓国
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/202209article_23.html
韓国 コンテンツ輸出好調と自画自賛
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/496023797.html
ホリエモン「日本の漫画は遅れてる」
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/501081654.html
漫画家浦沢直樹 「ウェブトーンは退化」と指摘
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/499101549.html
「マンガ」が「ウェブトゥーン」に敗れる日
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/496268676.html
「韓国ウェブトゥーン人気に日本漫画負ける」 韓国メディア
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/494783276.html
「ウェブ漫画の元祖は韓国」であり「文化強国」だと主張
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/201708article_28.html
「韓国デジタル・マンファが急成長」と報じるメディア
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/201412article_18.html
韓国メディア「これからは漫画ではなくK-Comicsの時代」
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/201203article_48.html