韓国ウェブトーン 人気低迷の衝撃

韓国発の縦読みフルカラーマンガ、ウェブトーンはスマートフォンの普及にともなって市場を拡大させてきました
日本の漫画のようなコマ割りのある作品は読み辛いので、これからはウェブトーンの時代になると予想する評論家、ジャーナリストもいます
が、そのような右肩上がりの成長予想は早くも頓挫し、ユーザーの利用時間が減少に転じていると韓国メディアが記事にしています
「人気作品が数多くある」と主張しているものの、そのほとんどが三流以下の作品ばかりであり、ユーザーから見限られるのは時間の問題なのかもしれません
「ウェブトーンは今後も成長し、市場規模で日本の漫画を超える」と断言していた評論家、ジャーナリストはどのような弁解をするのでしょうか?
以前にも当ブログで取り上げたように、小川悠介共同通信記者はウェブトーン市場が4兆円に達すると記事を書いていました


韓国を代表するコンテンツ産業であるウェブトゥーンの成長が鈍化していることが判明した。COVID-19のパンデミックで爆発的に増加した国内のウェブトゥーンに費やす時間は減少傾向に転じており、バリューチェーン全体が揺れているようです。国内のウェブトゥーン業界が縮小すれば、映画やドラマ業界に悪影響を及ぼすのではないかという懸念の声が上がっています。
データプラットフォーム企業IGAワークスのモバイル指数によると、ネイバーウェブトゥーン、カカオページ、ネイバーシリーズ、カカオウェブトゥーンなど、韓国の主要ウェブトゥーンプラットフォームの総利用時間(Androidベース)は2022年をピークに減少傾向にある。今年の月間労働時間(4月時点)は99,494,725時間で、前年同月(112,101,581時間)から11.2%減少した。これは、昨年(5.8%)から大幅に減少しています。
国内のウェブトゥーン市場は、COVID-19の影響による非対面文化の広がりにより成長しています。4大ウェブトゥーンプラットフォームの月間利用時間(4月時点)は、2019年(91,993,557時間)から2022年までの3年間で29.3%増加しました。この成長傾向は、韓国コンテンツ振興院が今年2月に発表した「2023年ウェブトゥーンビジネス調査」レポートにも表れています。2022年の国内ウェブトゥーン産業規模は前年比16.8%増の1兆8290億ウォンだった。
ウェブトゥーン制作会社リアルドローのチェ・サンギュ代表取締役は「ネイバーウェブトゥーンやカカオページなど国内のウェブトゥーンプラットフォームは近年成長を維持しているが、これらのプラットフォームにウェブトゥーンを供給する制作会社の売上は、市場がピークを迎えた2022年以降、すでに減少に転じている」と説明した。韓国コンテンツ振興院は、2022年の韓国のウェブトゥーン制作会社の売上高を7,013億ウォンと推定しました。これは前年比5.5%減です。
ウェブトゥーン業界の低迷で様々な作品が公開できなければ、映画やドラマの分野にも火花が散るというのが業界内の見方だ。最近海外で人気が高まっている「引っ越し」「マスクガール」「スウィートホーム」「ぼくらの学校は今」などの韓国ドラマがウェブトゥーンをベースに制作されています。
(韓国NAVERの記事から引用)


前回も当ブログで取り上げたように、ウェブトーン配信を手掛ける「カカオピッコマ」は欧州法人を清算し、ヨーロッパ市場からの撤退を決めました。要は儲からないからです
「無料で読める」と読者を集め、有料会員へと勧誘するシステムなのでしょうが、お金を払って読もうと思えるような魅力的作品が乏しいのでしょう
韓国がウェブトーンを原作としてドラマや映画を制作しようとも、それはまた別の話です。ドラマや映画を視聴する者がお金を払ってまで原作ウェブトーンを読むとは限りません
日本の漫画である「DRAGON BALL」や「ガラスの仮面」などはコミック本を買い求め、何度も読み返す作品です。しかし、ウェブトーンにそのような数十巻分も買い揃え読み返したくなる作品がどれだけあるのか?
冒頭に書いたように、ウェブトーンの成長を称賛するジャーナリストたちは作品の質を問うことはしません。市場が拡大し、成長しているからすごい、と書くだけです
2024年も折り返しを迎えるわけですが、今年はさらにウェブトーン市場の縮小が顕在化するのでは?

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