羽曳野会社員殺害 事件から6年を経て初公判へ

2018年2月、大阪府羽曳野市で起きた路上殺人で、山本孝被告が逮捕・起訴されており、6月10日に初公判が開かれます
逮捕まで4年を要したのは目撃者がなく、犯人を特定できる遺留品もなかったためです。現場近くの防犯カメラに映像から山本被告を割り出し、任意で事情聴取を行ったものの、事件への関与を否認され、さらなる証拠固めが必要とされたのでしょう
山本被告は一貫して殺害を否認していますので、初公判でも無罪を主張するものと思われます
あらためて山本被告逮捕時の記事と、初公判を前に取材した記事の2本を貼ります


大阪府羽曳野市の路上で平成30年2月、崔喬可(さいきょうか)さん=当時(64)=が刺殺された事件で、大阪府警羽曳野署捜査本部は4日、殺人容疑で現場近くに当時家族と暮らしていた山本孝容疑者(46)を逮捕した。「子煩悩な父親だったのに」「なぜ殺害する必要があったのか」。事件から4年を経ての逮捕に、近隣住民からは戸惑いの声が漏れた。
4日早朝、羽曳野市内のマンションの一室。捜査員から殺人容疑の逮捕状を示された山本容疑者は落ち着いた様子で「はい」と応じたという。府警は自宅マンションを家宅捜索し、スマートフォンや着衣などを押収した。府警によると、山本容疑者は事件後、妻と離婚し、令和元年10月ごろにマンションに移り、1人暮らしだったという。
現場周辺の複数の住人によると、事件当時、山本容疑者は妻と長女、次女の4人暮らし。2人の娘がまだ小さいときは一緒に遊んだり、幼稚園の送迎バス乗り場まで迎えに行ったりしていたという。住民の一人は「子煩悩で優しいお父さんという印象。こんな事件を起こす人には見えなかったのに…」と驚いた。
別の住人男性は「容疑者が捕まって安心したが、ご近所トラブルが動機だったとしても、どうして殺害する必要があったのか。理解できないし、理由が知りたい」と憤った。
逮捕容疑は平成30年2月17日午後9時45分ごろ、羽曳野市軽里の路上で、崔さんの背中を刃物で突き刺し、殺害したとしている。山本容疑者は「納得できません。やっていません」と容疑を否認しているという。
(産経新聞の記事から引用)

6年前に大阪府内で起きた殺人事件。無実を訴えている被告が拘置所で記者に語ったこととは?
2018年、大阪府羽曳野市の路上で、会社員の平山喬司さん(当時64)が近くの駐車場から知人女性の家に向かって歩いていた際、何者かに背中を刃物で刺され、殺害されました。
捜査は難航しましたが、2022年に急展開します。知人女性の家の隣に住んでいた山本孝被告(48)が逮捕・起訴されたのです。防犯カメラの映像に、山本被告と特徴が似た人物が映っていたことや、事件があった時間帯に山本被告が家の外にいたとみられること、そして、被告が平山さんらと近隣トラブルになっていた点から警察は逮捕に踏み切りました。事件直後、山本被告はMBSの取材に対し、次のように話していました。
(山本孝被告)「(平山さんらはタバコの)吸い殻とかを平気で隣の家、うちとかに放り込んでくるような人。マナーはよくない、2人とも」
逮捕後も一貫して否認を続けた山本被告。弁護団は凶器などの直接証拠を欠く中で逮捕・起訴された点を痛烈に批判します。
(主任弁護人 伊賀興一弁護士)「これで(被告が犯人で)決まりなんだという決め手が(検察側には)ない。(捜査当局が)推論を裏付けるために状況証拠を作っている」
事件発生から6年。今年6月10日に初公判に臨む山本被告が、7日、拘置所で記者の取材に応じました。
(山本孝被告)「やっと始まるという気持ち。私はやっていない。それしかないです」
事件当日のことを尋ねると、自宅の外に出ていたことは認めましたが、すぐに家の中に戻ったと話しました。
(山本孝被告)「タバコのポイ捨てをわざと嫌がらせでやっているんじゃないかと思って、見張っていた。けん制も含めて。平山さんがまだ車の中にいるときに私は家の中に入りました。家庭も仕事も人生すべてめちゃくちゃになりました。無罪を勝ち取るために頑張ります」
被告側か検察側か真実はどちらにあるのか。初公判は6月10日です。
(MBSニュースの記事から引用)


検察は起訴したからには有罪に持ち込める自信があるのでしょう
この事件については報道が少なく、どこまで捜査が進められたのか判りません。10日の公判で検察が起訴状を朗読しますので、何か新たな事実が出るのか、注目しましょう
殺害に使われた凶器は未発見のままです。逮捕まで時間がかかったので、既に処分されたものと推測されます。ただ、過去の殺人事件においても、凶器が見つからなくても特定できなくても有罪判決が下されたケースは多く、無罪判決の決め手になったりはしません
山本被告は当初、事件当日は家にいて、事件のあった時刻に外出はしていないと主張していました。ところが途中で事件のあった時刻に家の外に出ていたのを認め、上記のMBSニュースの記事にもあるように「平山さんが車から降りる前に家に入った」と供述が変遷しています
ただ、「事件のあった時間、父は家にいた」と家族が証言しても、それは証拠になりません。弁護人は検察が状況証拠をつくっていると批判していますが、ならば山本被告が無罪であるという決定的な証拠があるのでしょうか?

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