坂出市毒ミルク事件 三好被告に懲役4年求刑

生後2~3カ月の女児の粉ミルクに劇物指定の酢酸鉛を混ぜて飲ませ、全治不明の鉛中毒にしたとして、傷害罪に問われた無職、三好貴子被告(38)の求刑公判が高松地裁であり、検察は懲役4年の求刑をしています
この事件は2022年7月頃、同じアパートで暮らす女性とママ友付き合いをしていた三好被告が、女性から嫌がらせを受けていると思い込み、報復のため粉ミルクに劇物指定を受けている「酢酸鉛」を混入させ、これを飲んだ乳児が鉛中毒になったものです
三好被告は事件当時、解離性同一性障害のため混乱し、行動を制御できない状態にあったと主張しています


坂出市に住んでいた38歳の女が、粉ミルクに劇物の「酢酸鉛」を混ぜてミルクを飲んだ生後数か月の親族の赤ちゃんが鉛中毒になったとして、傷害の罪に問われている裁判で、検察は「犯行は極めて危険で悪質だ」などとして懲役4年を求刑しました。
三好貴子被告(38)は、おととし7月中旬から8月下旬ごろにかけて、当時住んでいた坂出市の自宅で粉ミルクの缶に「酢酸鉛」を混ぜ、ミルクを飲んだ生後2か月から3か月の親族の赤ちゃんを、貧血を伴う鉛中毒にさせたとして傷害の罪に問われています。
4日、高松地方裁判所で開かれた裁判で検察は、「犯行はほかの傷害罪と比較できないほど極めて危険で悪質だ。被告は『酢酸鉛』の危険性や特性を調べた上、必要な材料を購入して生成したことから計画的な犯行であると認められる」などとして懲役4年を求刑しました。
一方、弁護側は、「事件当時、被告は『解離性同一性障害』で判断能力が著しく減退していた」などと主張し、執行猶予付きの判決を求めました。
判決は、7月12日に言い渡される予定です。
(NHKの記事から引用)


乳児に与えていた粉ミルクの缶の中に異物があるのを発見し、製造メーカーに送って調べてもらったところ、酢酸鉛が混入していたと発覚し、警察に被害届を出したのが発端です。酢酸鉛は無色の結晶で甘みがあるため、口に含んでも苦みや臭みがあって吐き出すことはなく、そのまま飲み込んでしまうのだそうです
三好被告は解離性同一性障害を主張していたため、約3ヶ月の精神鑑定が実施された後、刑事責任能力を問えると判断され起訴に至りました
刑事ドラマの影響なのか、解離性同一性障害(多重人格)を主張する容疑者がしばしばいるものの、ほとんどが虚偽であり、刑罰を逃れるため申し立てているのでしょう。おそらく三好被告もドラマなどの印象から、「別人格による犯行だと主張すれば無罪に、あるいは減刑されるはず」と思いついたのでは?
三好被告が事件の前から解離性同一性障害診断を受け、通院治療していた事実があるならともかく、逮捕後唐突に解離性同一性障害だと言い出すなら「本当か?」と疑念を持たれます。人格解離の状態が粉ミルクに酢酸鉛を混入させた時だけ出現する、というのは変な話であり、日常生活の中で解離状態が出現する(別の人格に支配されているかのような言動が出現する)エピソードが複数回あってしかるべきです。当然、三好被告の家族は解離状態があると承知していないと不自然です
精神鑑定の結果、精神状態に問題はないとの鑑定結果が出たはずなので、病気や障害を理由に減刑を求めても通用しないと推測されます
本件では三好被告がインターネットで検索してまで酢酸鉛の製法を調べ、これを用意して犯行に及んでいますので、錯乱状態にあったとか、犯罪との自覚を欠いていたなどの弁明は通用しません。明確な犯意の元に犯行を進めたと解釈されます

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