埼玉公立高校 男女共学化問題はどうなる

埼玉県内の公立高校ではいまだに男子校、女子校があり、これを共学化せよというのが「埼玉県男女共同参画の問題に対応する苦情処理委員会」の勧告です
当ブログでもこれを過去に取り上げ、男子校や女子校、共学校があってそれを選択できるのが多様性であり、画一的にすべての公立高校を共学化するのは変な話だ、と書きました
苦情処理委員会にどのような苦情が寄せられたのかはともかく、すべての公立高校を共学化すれば男女共同参画社会の実現に近づくのでしょうか?
在校生にアンケートを取った結果、6割から9割の生徒が反対を表明していると読売新聞が記事にしています


埼玉県の県立高の共学化を「早期に実現すべきだ」とする県の第三者機関からの勧告を巡り、男女別学高全12校の保護者代表が30日、各校で集めた意見を大野知事と日吉亨・県教育長宛てに提出した。共学化の賛否を尋ねたアンケートでは、各校とも6割弱から9割が「反対」とした。
反対意見の割合が高かったのは浦和高(93・5%)、浦和一女高(90・6%)、川越女子高(88%)など。「男女間の役割分担がなく、リーダーシップが育成されやすい」などの声が寄せられたという。一方、「時代の流れに合わせるべきだ」と、共学化に賛成する声もあったという。
熊谷高では「反対が大多数を占めることが予想される」との保護者代表の意見に基づき、アンケートを行わなかった。
意見書を提出した浦和高生の父親(46)は、自身の息子も共学化に反対の立場といい「子どもの背中を押してあげたいという保護者の思いをくみ取ってほしい」と訴えた。
県教育委員会は勧告に対する措置の報告を、8月末までに行うよう求められている。
(読売新聞の記事から引用)


「男女共同参画~苦情処理委員会」の面々はこのアンケート結果をどう受け止めるのでしょう?
おそらく、「無知な高校生の反応だから、取り合う必要はない」と切り捨てるものと想像します。あるいは、「こどもたちが共学化に反対すること自体、誤ったジェンダー理解の現れであり、彼ら彼女らが共学化の必要性を理解するよう正しい教育をすべきだ」と言い出すのかもしれません
ただ、こうなってくると「男女共同参画社会実現のための共学化に反対する奴は敵だ」という、洗脳教育めいたものになりそうです
反対意見を一切許さず、共学化を押し切って何かの理想が実現されるものなのか?その理想とは何のためにあるのか?
別の報道では宮城県の元知事浅野史郎の体験談を伝えており、宮城県でも公立高校の一部が男女別学であったものを、反対意見はあれども共学化したと手柄話のように述べています。ただ、それが本当によかったのかどうか、は誰にも判りません
自分は男女共学化に反対しているのではなく、選択肢を残したらよいのではないか、と申し上げています。男子校、女子校、共学校のいずれかを生徒が選べる余地の残し、運営すればよいのであり、それが男女共同参画社会の実現の妨げになるとは思えません。生徒の選択肢を奪い、特定の思想を押し付けることを教育などと呼ぶのは間違いでしょう

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