ドイツの電気料金は東京電力の2倍
脱原発を推進し、太陽光発電や風力発電を取り入れたドイツは環境先進国といえるのかもしれません。その一方で、電気料金は東京電力の2倍以上に値上がりし、家計を圧迫しています。産業向け電気料金は日本の3倍近くになるのだそうです
ドイツでは脱原発政策を掲げる緑の党や環境保護団体など、環境派の政治勢力が強く、その結果として風力発電や太陽光発電へのシフトが急速に進められました
ただ、一般家庭で使用する電気の料金がこれだけ高騰すれば、国民の間から不満が出るのは当然です
日本でもまた電気料金の引き上げが報道されています。その引き上げの中には自然再生エネルギー導入のためのコストを利用者に転嫁する分、も含まれています。つまり、日本でも太陽光発電や風力発電を推進し続ければ、ますます電気料金が高くなる仕組みがあり、国民に負担を押し付けるようになっていると、わたしたちは理解しなければなりません
ドイツ「エネルギー転換」の深すぎる闇…脱原発・再エネ拡大に伴う膨大なコストは全て国民の電気代に上乗せされ
(前略:連立政権を組む緑の党が環境政策を推し進め、経済的合理性を無視した自然再生エネルギーシフトに走っているとの説明)
しかし、緑の党は今もこの路線を死守。何が何でも再エネを拡大するつもりだ。再エネは適度に使うのは良いが、増えすぎた時の不都合を、彼らは完全に無視する。
今でさえ、370万枚の太陽光パネル(24年1月現在・連邦統計庁の資料)と3万本の風車が、太陽が照り、風が吹くと、一斉に発電を始める。電気は常に需要に供給を合わせなければならないため、需要分を超えて系統に流れ込んだ電気は、即刻、どこかに逃さなければならず、隣国にお金を払って引き取ってもらうケースも珍しくない。たとえば5月半ばはそれが8日も連続で起こった。
ただ、そういう日でも太陽が沈むと状況は一変。火力をフルに立ち上げ、さらに足りない分は隣国から、今度は通常の何倍もの値段で買うことになる。要するに、ドイツ自慢のエネルギー転換は、他国の原子力と火力にどっぷり依存している。しかも、この不幸な状態は、供給を制御できない再エネ電源を増やしていく限り、改善される目処はない。
また、送電線の交通整理もどんどん困難になっており、今も膨大な費用が費やされている。しかし、ハーベック氏の目標は、現在3万本の風車を10万本に増やすというものだ。
一方、これら再エネの拡大により利益を得ている人たちも、もちろんいる。
1)電気がタダであろうが、マイナス価格であろうが、さらにいうなら、送電線がパンクしそうなので発電停止を要請された場合でさえ、決まった収益を保証されている再エネ発電者、2)安価な、あるいはお金付きの電気をもらう外国の購買者、3)破格の値段でドイツに電気を売る外国の発電者、4)需要と供給の安定保持に従事するドイツの系統管理者だ。
そして、これら膨大なコストが、すべて国民の支払う電気代に「配・送電系統使用料」として乗せられているのだから、ドイツの電気代が高いのは、ハーベック氏がいうように、プーチンのせいでも、ウクライナ戦争のせいでもない。クライ氏曰く、「ウクライナ戦争、経済危機、エネルギー転換の組み合わせは無責任である」。
ただ、メディアはいまだに政府を庇い、国民はミスリードされたまま。だから、現在の状況さえ我慢して切り抜ければ、そのうち再エネ100%で電気代がタダになると信じている人も多い。
電気代がタダになるどころかすでに2倍以上に値上がりしており、今後はさらに値上がりするビジョンしかないわけですが、夢を見すぎでしょう
電気自動車へのシフトも同じことです。「二酸化炭素を排出しないから環境に優しい」などと表現されますが、充電のためには火力発電で起こした電気を使うのであり、電気自動車が増えればそれだけ電力需要が増える仕組みです。ほとんどの電気自動車は昼間に走行し、夜間に充電します。夜間は太陽光発電ができませんから、電気自動車の充電には火力発電の電気が使われます。なので、人々が思っているほど電気自動車は環境に優しいわけではありません
日本でも太陽光発電や風力発電へのシフトを主張し、自然再生エネルギーを賛美する環境保護団体がいくつもあるわけですが、本当に自然再生エネルギー主体で国民の生活が維持できるのか、よくよく考えるべきでしょう
経済産業省は2024年度で、太陽光や風力といった再生可能エネルギーの普及のため電気料金に上乗せしている賦課金を1キロワット時あたり3.49円にすると決定しており、これによって標準家庭では月額836円負担が増えると算出されています。年間1万円の負担増です
このままならドイツと同じように賦課金は増え続け、電気料金も上昇を続ける未来しか見えません。もちろん電気代が発電所建設の費用や送電網の維持のコストの上に成り立っている以上、それを利用者が負担するのは当然です。が、見境なく太陽光発電を増やせばよい、というものではありません
また、風力発電のための風車があちらこちらに乱立し、山の斜面を削って太陽光パネルを並べる環境破壊も起きているのですから、ここは一旦、自然再生エネルギー利用を見直すべきではないか、と思います
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