またも硫化水素実験で生徒を病院搬送 長野県
全国の中学校では硫化水素を発生させる実験が行われています。これは教科書に掲載されているためですが、発生した硫化水素を吸い込んで救急車で搬送される事態が毎年のように繰り返されています
硫化水素を大量に吸い込んだ場合、死に至る危険もあります。硫化水素を発生させて自殺を図る事案が相次いだように、命を失いかねないわけであり、なぜこのような危険な実験を全国の中学校で実施させているのか、文部科学省の頭がおかしいのではないかと思うばかりです
本日も長野県岡谷市の中学校で硫化水素実験が行われ、生徒4人が病院に搬送されています
諏訪広域消防本部によると、30日午前9時40分ごろ、岡谷市岡谷南部中学校の学校関係者から「理科の実験中に硫化水素が発生し、具合が悪い生徒が出た」と通報があった。生徒4人が諏訪市内の病院に搬送された。4人とも意識はある。
市教育委員会によると、1時間目の理科の授業で実験中に生徒が体調不良を訴え、学校側が救急搬送を要請した。搬送された4人は入院が必要な状態ではないという。
(信濃毎日新聞の記事から引用)
学校での実験では最初に鉄と硫黄を混ぜ合わせて加熱し、硫化鉄を作ります。次に硫化鉄を一部取り出し、試験管に入れ、薄めた塩酸をかけて硫化水素を発生させる手順です
ただ、生徒にあらかじめ硫化水素の危険性を十分の教えた上で実験を行っているのか、そこは学校任せなのでしょう。また、発生させた硫化水素をわざわざ生徒に嗅がせた教師もおり、生徒は気分が悪くなって病院に搬送された例もあります。
昨年の読売新聞の記事では、次のように報じています
硫化水素を発生させる実験は1学期に行う学校が多い。今年は5月以降、少なくとも福岡県を含む6都県の8校で計79人が搬送されており、文部科学省が都道府県教委に細心の注意を呼びかける事態となっている。
明確な原因がわからない中、現場では実験を見送るケースも出ている。16人が搬送された三輪中では別のクラスが、緊急措置として実験動画を見て学んだ。5月に中学生13人が搬送された秋田県にかほ市教委は、教員による実験代行や動画視聴も選択肢に、対応を検討するよう通達。1校で教員が実験を代行した。担当者は「意義とリスクが両方ある実験のため、各校の判断に委ねることにした」と話す。
理科実験に詳しい秀明大学校教師学部の清原洋一教授は「実験のリスクは無視できないが、生徒が化学反応を実体験して得られる学びも大きい」と指摘する。その上で「多くの温泉や火山を抱える日本に住む以上、硫化水素の臭いや危険性は身をもって学んでおくべきだ。教員が予備実験をして安全性を確認するなど、丁寧な準備が必要だ」としている。
(読売新聞の記事から引用)
実験の意義は認めるにしても、中学校の理科室では換気扇が1個か2個付いているだけで十分な換気が行えるか疑問です。大学の研究室のようにドラフトチェンバー(局所的換気装置)が用意されている中学校など皆無でしょう
学校の実験で生徒が死亡しない限り、文部科学省は責任逃れに終止し、教科書からこの実験を削除する気はないのかもしれません
つまりは生徒の安全は現場の教師の責任、というわけです。それでよいのか、と思い取り上げました
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