横浜市教育委員会が裁判の傍聴を妨害?
にわかに信じがたい話ですが、横浜地方裁判所で開かれた横浜市の教員による性犯罪事件の公判に、横浜市教育委員会が職員を多数送り込み、一般傍聴者が入れないよう妨害していた、と報じられています
教育委員会の職務は教育行政であって、学校や教員の監督・指導です。「教員の裁判を一般人が膨張されると困るから」などと理由を付け、職員を多数送り込んで傍聴席を埋めてしまう…というのは明らかに職務外の行為です
こんなバカな真似を誰が指示し、やらせていたのか、責任の所在を明らかにするとともに厳しく処分するべきでしょう
かつて、居酒屋チェーン「和民」での社員の過労自殺を巡って民事裁判となった際、ワタミグループの社員が大勢派遣され、傍聴席を埋めて一般の傍聴希望者を締め出す行為があり、批判を招きました。そうした先例があるにも関わらず、横浜市教育委員会が同じくバカな真似をしているのですから唖然とさせられます
横浜地裁で審理された教員による複数の性犯罪事件の公判を巡り、横浜市教育委員会が多数の職員を動員し、第三者が傍聴できない事態が相次いでいたことが21日、市教委への取材で分かった。市教委は、いずれも被害者が子供であることを理由に「不特定多数が傍聴すると被害児童が特定される恐れがある」と説明したが、公益性を考慮して対応を改める方針で21日午後に発表する。
横浜地裁では、注目事件を除いて裁判傍聴の多くが抽選方式ではなく先着順のため、大人数で早くから並べば、傍聴席を占めることができる。立ち見は認められておらず、席が埋まれば傍聴できない。4月下旬には、開廷1時間前に傍聴席数を超える行列ができたケースもあった。
横浜地裁では今春以降、小学校校長による強制わいせつ事件や、中学校教員の不同意性交事件など3件の一部期日で大勢が並んでいるのが確認された。2023年度中も同様の対応を取ったという。
(産経新聞の記事から引用)
横浜市教育委員会の事務職員は公務員ですから、横浜地裁へ出向く際には出張命令を出し、公務として行かせたのでしょうか?
ならば、交通費や出張手当に該当する日額旅費など支給されたものと考えます。しかし、およそ公務とは認められない出張ですから、受領した職員はこれを返納すべきでしょう
また、「不特定多数が傍聴すると被害児童が特定される」などという横浜市教育委員会の言い分は、とても正当な理由であると認めるわけにはいきません。いらぬお節介です
裁判の傍聴を妨げるのに職員を動員するくらいなら、平素から学校への指導に注力し、教育現場で性犯罪が生じないよう取り組むべきでは?
横浜市教育委員会はこれほどまでバカの集まりなのか、と思うばかりです
横浜市議会では是非とも教育委員会の責任を追及してもらい、責任者を特定した上で処分するよう働きかけてもらいたいものです
裁判は公の場で開かれたものでなければならず、そうでなければ隠蔽したままこっそり刑事処分を科すような、歪な刑事手続がまかり通ってしまう結果をもたらします
横浜市教育委員会のやったことは刑事司法の否定になるわけで、公正な裁判の実施を謳う憲法にも反する行為です
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