つばさの党代表ら3人逮捕 選挙妨害の疑い

先に行われた衆議院東京15区の補欠選挙で、候補者の演説を妨害するなどの行為を繰り返したとしてつばさの党代表の黒川敦彦ら3人が逮捕されています
黒川代表については前にも取り上げたようにいわゆる陰謀論者であり、「コロナワクチンは影の世界政府の陰謀だ」などと平素から主張してきた人物です。大阪大学の大学院を出た理系の研究者であったものが、陰謀論にはまってNHK党やつばさの党など渡り歩き、選挙の候補者に絡む妨害を繰り返してきました。何がしたのか、さっぱりわからない人物です


元テレビ朝日社員の玉川徹氏が17日、同局系「羽鳥慎一モーニングショー」に出演。つばさの党の黒川敦彦代表ら3人が公選法違反(自由妨害)容疑で逮捕されたことに言及した。
番組では、東京15区の衆院補選で他の候補者の選挙活動を妨害したとして、つばさの党代表黒川容疑者と、同補選に出馬し落選した幹事長根本良輔容疑者ら3人を逮捕したことを速報した。
玉川氏は「候補者が他の候補者の演説を妨害するという想定が、そもそもなかった」と想定外の事件としたうえで、「実質的に他の候補の演説を妨害したというふうな疑いをもって逮捕に至ったと思います」と述べた。
続けて「よく主張の中に、2019年の参院議員選挙で北海道でですね。安倍元総理にヤジを飛ばした男女を警察が排除したんですね。これが表現の自由に抵触するっていうことで、今、控訴審まで終わってるんですけど。これと一緒じゃないかみたいなこと言う人がいるんですけど、本質的に全く違います」と断言。「北海道のケースというのはあくまで為政者が演説するときに、聴衆である一般の有権者がそれに対して違うんじゃないかというふうなことの意思表明を表現の自由を元に行ったということであって。そこで選挙を妨害したことにはならないっというの控訴審の判断ですね。控訴審でも、原告らのヤジは政治的表現の自由だと言うことは認めています」と指摘。「今回は一般聴衆が、政治的なことに対して発露としてヤジを飛ばすということではなくて、拡声器などを使って他の候補者の演説を実質的に妨害されたと訴えてますので、それは本質的に違うものだと私は思うんで。今回逮捕されたことで、警察側もそういう認識なんだろうなと思います」と同一視すべきではないと話した。
2019年の参院選では、札幌市で演説中の安倍晋三元首相へヤジを飛ばした男女2人が北海道警に排除され、表現の自由を侵害されたとして北海道に損害賠償を求めて訴訟を起こした。控訴審では、1人については表現の自由の侵害を認め、道に賠償を命じている(もう1人は請求を棄却)。
(デイリースポーツの記事から引用)


玉川徹は2019年の参議院選挙での安倍元総理の演説を妨害した件と、今回のつばさの党の選挙妨害は「まったく違う」と主張しているわけですが、自分には「まったく同じ」ものと思えます
「表現の自由」とは「何をやろうが自由だ。勝手だ。やったもん勝ちだ」といった類ではなく、あくまで社会秩序の枠組みの中で、他者の権利を損なわない形で認められるものです。選挙活動で候補者が演説をしているなら、周囲の人がそれを静かに聞きたいのですから尊重されなければなりません。政策に反対だからと大声を発し、演説を妨げる行動を「表現の自由」などと容認するわけにはいきません
その意味からすれば、札幌で安倍晋三元首相の演説を妨害した2人の男女については「表現の自由」などと呼べないのであり、北海道警が2人を排除したのは当然です
つばさの党の選挙妨害も「表現の自由」などではなく、選挙制度を否定するものであり、反社会的活動として刑事責任を問うのは当然でしょう
この両者に根本的な違いなどなく、玉川徹の主張はおかしいと言わざるを得ません
ちなみに札幌の件は、野次を飛ばしていた男女2人を私服・制服の警察官が演説会場から遠ざけただけであり、逮捕したのでもなく暴力を加えたのでもありません。なぜこれが「表現の自由」を侵害したと裁判所が認定したのか、実に不思議です
裁判所の法廷の中で大声を発し、裁判官を批判する傍聴人がいたなら、裁判官は法廷警察権を行使して法廷から排除するはずです。これが「表現の自由」の侵害になると裁判官は判断するのでしょうか?
たまに国会中継を見ていると、議員たちが野次を飛ばし合い、質疑応答が聞き取れない場面に遭遇します。国会で野次を飛ばすのは与野党の合意なのでしょうが、見苦しい限りです。それでも与野党とも野次を控えるとの申し合いには反対するのですから、どうしようもありません

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