上演中の舞台 パクリ疑惑で公演中止

東京で公演が行われていた舞台について、脚本にあるトリック、台詞などが既存の作品からパクったものとの指摘が相次いだため中止が決定した、と報道されています
演劇プロデュースユニット「すゞひ企画」による公演で脚本演出担当は鈴木秀明となっています。役者が芝居を行い、そこで起こる事件の犯人当てを観客に競ってもらう趣向だったようです。が、肝心のトリックなど筋立てはスキルマーケットサービスから提供してもらい、中身を精査せずに使ったため、既存の作品のネタをもろにパクった内容であるのに気が付かなかったと説明されています
スキルマーケットサービスはイラストの提供のように、特定のスキル(技能)を有している方が注文に応じてサービスを提供する仕組みです


演劇プロデュースユニット「すゞひ企画」は7日、X(旧ツイッター)で、2日から上演していた「演劇×体験型ミステリー『密室は致死量の未来を予言する』」の公演中止を発表した。
同公演は2日から東京・グレースバリ銀座で上演が始まっていた。
「お詫びとお知らせ」として、「演劇×体験型ミステリー『密室は致死量の未来を予言する』につきましては、5月7日~5月9日までの東京3公演を中止させていただきます」とし、「ご観劇を楽しみにされていたお客様をはじめ、全ての関係者の皆様に深くお詫び申し上げます」と謝罪した。
中止に至った経緯として、「この度、現在公演中の『密室は致死量の未来を予言する』に関しまして、参加いただいたお客様より、既存作品と類似しているというお問い合わせをいただきました。弊団体内で調査を行ったところ、ご指摘の通りの類似点が多数発見されました」と既存作品との類似点が多く判明した。
「『密室は致死量の未来を予言する』は、外部スキルマーケットサービスを介して、脚本の草案を提供してもらい、公演を制作するに至った公演になります。その過程で既存作品のアイデアや台詞が草案に組み込まれてしまい、本件の事案に至ってしまいました。この度のことに関しては、弊団体の制作体制の不行き届きが招いた結果でございます」と説明。
「また、これらの点において、脚本演出の鈴木秀明の責任は大きく、ご不快に思われた方々、該当の出版社ならびに作者様、ご関係者様に深く陳謝いたします。また、今回の件が発覚してから、声明を出すに至るまで、かなりの時間を要してしまい、混乱を招いてしまったことも改めて、深くお詫び申し上げます」と再度謝罪。
「弊団体といたしましては、中止となった3公演のチケットをご購入いただいていたお客様に対しましては、全額返金をいたします。また、『密室は致死量の未来を予言する』を観劇いただき、今回の事案についてご不快に思われたお客様に対しても、全額返金いたします」と案内した。返金方法については、追って公式ホームページに記載するとしている。
(Sponichi Annexの記事から引用)


パクリ元にされたのは「medium 霊媒探偵城塚翡翠」というミステリー小説でシリーズ化されており、その分野では知られた人気作だそうです
「このミステリーがすごい2020年版」で1位に挙げられていますので、舞台「密室は致死量の未来を予言する」を観劇に行くミステリーファンなら、すぐにパクリだと気づいたのでしょう
脚本担当者がトリックを自前で用意できないのであれば、外部から提供してもらっても問題はありません。ただ、パクリとなれば問題になります(商業演劇ですから)。きちんと対価を払うなどしてミステリー作家からアイディアを買うとか、やり方はあったはずです
「名探偵コナン」の漫画家青山剛昌は、トリックなどのネタを提供してくれるスタッフを20名以上抱えているのだとか
良い作品を生み出すのは相応の投資が必要でしょう。投資をけちって、割安なスキルマーケットサービスを利用したところ、ガゼ(パクリネタ)を掴まされてしまった…わけです。しかも、脚本家自身ミステリーに疎かったのか、2020年に話題となっていた小説のパクリと気が付かないまま舞台にしてしまったのも痛いミスです

【霊媒探偵・城塚翡翠】第1話ダイジェスト

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