漫画村経営者 17億円支払いに奇策
違法コピーの海賊版を流通させたとして、漫画村経営者に東京地裁は17億円を出版社に支払うよう判決を下しました。これが民事訴訟の方です
被告の星野ロミはこの判決を不服として控訴した、と報じられています
この他にも著作権侵害と組織犯罪処罰法違反(犯罪によって得た収益を隠匿したもの)で起訴され、福岡地裁から懲役3年、罰金1000万円、追徴金約6257万円の有罪判決を受け、大分刑務所に服役していました。おそらく所得税法違反でも罪に問われ、追徴課税されたものと思われます
海賊版サイト「漫画村」(閉鎖)で漫画を不正に公開されたとして、KADOKAWAと集英社、小学館の出版大手3社がサイトの元運営者に損害賠償を求めた訴訟で、元運営者は2日、計約17億円の支払いを命じた東京地裁判決を不服として控訴した。
4月18日の判決で杉浦正樹裁判長は、漫画村が出版社側の出版権や独占的利用権を侵害したと認定。「ケロロ軍曹」「キングダム」など3社が刊行している人気の高い17作品に関し、1巻当たりの平均閲覧数や作品の販売価格を基に損害額を算定した。出版社側によると、海賊版サイト被害を巡る訴訟で、過去最大の賠償額。
元運営者の星野路実氏は判決後に「納得できない。漫画村について一切後悔はありません」と話していた。
(産経新聞の記事から引用)
さて、この出版社への約17億円支払い命令に対し、星野ロミは「自分をSNS上で誹謗中傷した輩を訴え、損害賠償を取れば17億円くらい簡単に払える」との奇策を口にしています
昨今、芸能人やスポーツ選手がSNS上での誹謗中傷を問題視し、「名誉毀損」として刑事告発したり、損害賠償請求の民事訴訟を起こすケースが増えています。裁判に訴え出るのは国民としての権利ですから、これは当然の措置です。一部には「芸能人、スポーツ選手は批判されてなんぼ。裁判に訴えるなど大間違い」と考える人もいますが、過度な誹謗中傷を放置するのはよろしくありません
ただ、民事訴訟の場合、SNSのサービスを提供する会社に発信者の情報を開示するよう請求する裁判を起こし、ようやく相手方が特定できるなど手続きが煩雑で費用もかかります。刑事事件として告発すれば、警察が相手を特定しますので費用はかからないものの、賠償金を取って相手を懲らしめるにはまた民事訴訟を起こす必要があり二度手間になります
星野ロミは弁護士を使って自分を誹謗中傷した者を片っ端から訴え、賠償金を取るつもりのようです
メディアを通じて「一切支払うつもりはない」などと発言していた星野氏だったが、Xでは一転し「17億円、全額一括で返済します」と支払う姿勢をみせる。「実は最近17億円を作る方法見つけました」といい、自身に誹謗(ひぼう)中傷が殺到していることから「それを全部訴えることにしました!」と報告。
「和解金は平均1件あたり50万円なので、3400人ほど訴えれば17億円作れます。2万件ほどあるので、50億円以上の収入になります。まさか“損害賠償払え!”って誹謗中傷してるヤツが、自分の番になったからって、支払わないわけないよね?誹謗中傷をぶっ潰す!」と宣言していた。
(Sponichi Annexの記事から引用)
SNS上の書き込みを保存してあるなら、それを弁護士に提示して訴訟を起こすよう依頼すればよいのであり、当事者は汗もかかず(費用はかかります)損害賠償を受け取れる…という算段です
本当に3400人を訴えるのかは不明ですが、ツイッター(現X)などで誹謗中傷を書き込んだ者から搾り取って賠償に充てられるのかどうか、経過を見守りましょう
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