八戸5歳児虐待死 保護者を起訴

当時5歳の宮本望愛ちゃんに水をかけて風呂場に放置し、低体温症で死亡させた母親の宮本奈々美容疑者と内縁の夫である関川亮容疑者の2人が保護責任者遺棄致死罪で起訴されています
あまりに酷い事件なのですが、関川被告は反省などしていないのでしょう


青森県八戸市で1月、宮本望愛(のの)ちゃん(当時5)に自宅の浴槽内で水をかけて放置し、低体温症で死亡させたとして、いずれも無職で母親の宮本菜々美(22)と内縁の夫の関川亮(31)の両容疑者が傷害致死の疑いで逮捕された事件で、青森地検は7日、2人の罪名を保護責任者遺棄致死罪に切り替えて起訴し、発表した。
起訴状などによると、2人は共謀して1月7日午後5時すぎ、市内の自宅で望愛ちゃんを浴室に連れて行き、服の上から水をかけて4時間以上放置し、低体温症で死亡させたとされる。
捜査関係者によると、関川容疑者はトイレを失敗した望愛ちゃんに「しつけ」と称して水をかけ、浴槽から出られないように閉じ込めていたという。宮本容疑者は、関川容疑者による虐待を黙認していたとみられる。
望愛ちゃんは、水の入った浴槽にうつぶせに倒れているのを宮本容疑者に発見され、病院に搬送後、死亡が確認された。当時、浴室内の温度は10度以下で、司法解剖の結果、望愛ちゃんの体の中心部の体温である深部体温は、重症とされる20~28度まで下がっていたという。
(朝日新聞の記事から引用)


刑事事件の方は今後、公判で裁かれるのですが、問題は児童相談所の対応です。虐待が強く疑われた件なのに、ほとんど何もしていないのですから強く非難されるのは当然です。家庭訪問を1回したきりで、「衣服の上から確認したが痣はなかったので問題ないと判断した」と、間抜けな釈明をしています。衣服の上から眺めただけで体の痣が見える透視能力でも保有していたのでしょうか?
八戸児童相談所長は以下のように取材に答えています


事件を受け、青森県は2023年6月以降、児童相談所に2度にわたり虐待を知らせる「通告」を受けていたものの、親子と1回面接しただけで対応を終えていたことを明らかにした。
その理由について、八戸児童相談所の細越亜紀子所長は16日午前、「言い訳のように捉えられると非常にあれなんですが、他にケガをしているお子さんの通告が相次いでおりまして、どうしてもそちらの方を優先してしまったというところはあります」と話した。
(FNNの記事から引用)


命に差はないのですから、後回しにして構わない命などありません。何もしなかった児童相談所職員が、己の責任を免れるため弁解にもならない弁解を並べているだけです。
八戸児童相談所が住民からの通報を何度も受けながら、それを警察に伝えなかったのも怠慢でしょう。自分たちの手に負えないのであれば、警察に協力を依頼するべきなのでは?
自分たちで対処もできないのに、警察にも伝えない。二重三重のミスです。もう20年前、30年前から「児童相談所と警察の連携強化が必要だ」と言われてるのに、なぜできないのか謎です
そしてお約束の第三者委員会で検証すると報じられています


八戸市で1月、5歳の女の子に水を浴びせて死亡させ、母親と交際相手の男が逮捕・起訴された事件についてです。県は、5月29日をめどに第三者委員会の1回目の会議を開くと発表しました。
この事件をめぐっては、2月の県議会常任委員会で、県に対し緊急に対策を講じるよう要望がありました。
これを受けて宮下知事は、第三者委員会の1回目の会議を5月29日をめどに開催することを発表しました。
委員は、県内の社会福祉事業の従事者や学識経験者など9人で構成され、今回の事件の分析や検証を行うとしています。
(青森朝日放送の記事から引用)


学識経験者ら9人で検証するのだそうです。望愛ちゃんの命を救うのに児童相談所職員が1人でも対応していればよかったわけで、それをしなかったばかりに大人が9人も集まって検証作業をするという、本末転倒です
前回も書きましたが、児童相談所の職域、権限で対応できないのであれば、裏付けとなる法律を改正して職員に家庭内への立ち入り権限を付与するなど、執行能力を高めるようするべきでしょう。「法律上、そこまではできない」と言う前に、なぜその法律を改正しようとしないのか?
全国の児童相談所が声を挙げ、厚生労働省やこども家庭庁、国会議員に法改正を働きかけ、メディアにも法改正の必要性を訴えるのが当然の対応なのですが、なぜそうした動きを示さないのか自分にはさっぱり理解できません

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