「頂き女子りりちゃん獄中日記」について
パパ活と称し、多額の金銭を男性から巻き上げたり、そのノウハウを他者に提供しパパ活を支援したとして逮捕・起訴された「頂き女子りりちゃん」こと、渡辺麻衣被告は名古屋地裁で懲役9年、罰金800万円の刑を言い渡されています。この他にも多額の収入を得ていたにもかかわらず確定申告していなかったとして、脱税で高額な追徴課税を受けています
その渡辺被告が「獄中日記」を公開していると話題になっています
この事件は自分として関心外だったので、当ブログでは取り上げていませんでした。ただ、この「獄中日記」について、「犯罪者にネットの使用を許してるのか。けしからん」とのコメントがあったため、言及します
◆頂き女子りりちゃん、獄中日記公開
渡辺被告は、巧妙に嘘をつき金銭を騙し取る方法を書いたマニュアルを“パパ活女子”に販売し、自身も入れ上げたホストをNo.1にするために金銭を騙し取ったとして、詐欺などの罪で昨年8月に逮捕。本人の希望に基づき更新しているというXアカウントでは、3月から度々渡辺被告の獄中の日記が公開されている。
25日付に公開された昨年4月20日の日記によると、渡辺被告は獄中で吐き気と頭痛に襲われ、食事を取ったものの回復の見込みはなかったが、担当の看守から心配の声をかけられ、やりとりをするうちに体調が治ってきたという当時の状況を説明。
謎の体調不良の原因について「私、判決こわいんだ。私は、判決もあの場所に行くこともイヤでこわくて、メンタルやられて体調崩してることに気づいた」と気づいたという渡辺被告。「私はそれがなんだかくやしく思った。私は判決のこと気にしないうようにしてた。私は自分を傷つけないために、歌舞伎町で、鈍感になる能力を身につけていたはずだった。(あんなよくわからない苦しみにあふれた世界、全部全部『よくわかりましぇーん』ってハッピーハッピー脳みそ(鈍感能力)を持たないと、『苦』『苦』『苦』で心を侵食されて生きていけないから)」と自分の“鈍感能力”を生かして生きていたつもりが、判決への恐怖を感じていることを実感したことを綴っている。
さらに「私、涙、出る。私、こわい。自分で自分の手を握りしめてあげる。大丈夫。助けてください。何も知らないくせい、私のこと何も知らないくせに。助けられてたまるか。もういや」と本音、そして判決と向き合う中で恐怖を感じている様子が伝わる文面を残している。
◆頂き女子りりちゃん、詐欺容疑で逮捕
名古屋地裁は22日、渡辺被告に懲役9年、罰金800万円の判決を言い渡した。また、同事件のようなホストクラブでの“売り掛け”は、多額の借金により女性が売春を強いられることが多発し社会問題化。厳しい目を向けられ、新宿のホストクラブの多くが4月から売り掛けを廃止している。一方で、今回の渡辺被告の判決に対し、SNSでは「性犯罪と比べて罪が重すぎるのではないか」という声から、見直し議論の声も上がっている。
(モデルプレスの記事から引用)
渡辺被告の事件については、スポーツ新聞や週刊誌が「今風の事件」として頻繁に取り上げていましたので、概要はそちらを御覧ください
さて、「獄中日記」の方ですが、これは名古屋拘置所に収監されている渡辺被告がスマートフォンを操作してアップしているのではなく、コメント主はそこを誤解しています
拘置所、刑務所では携帯電話などを外部との通信に使う許可は得られません。渡辺被告が手紙やはがきで日記の内容を記載して投函し(拘置所の検閲があり、罪証隠滅を図ろうとする内容だったり、暗号通信のような内容であれば発信を許可されません)、これを受け取った人物がSNSにアップしているものです
上記のように渡辺被告の発信する内容に問題がないがなければ、このような形で「獄中日記」をSNSに公開できます
過去には、交際相手を次々と練炭自殺に見せかけて殺害し、死刑が確定した木嶋早苗死刑囚も「獄中日記」を公開していました
渡辺被告が1審判決を受け入れ服役する(拘置所から刑務所へ収監される)場合、受刑者は手紙の発信回数が制限されますので、毎日のように手紙を発信することはできなくなります。手紙を受け取る分には制限はありません。1審判決を不服として控訴したなら被告の身分のまま拘置所で生活しますので、発信は可能です
先に挙げた木嶋早苗死刑囚は取材に来ていた週刊誌の記者と獄中結婚したはずですが、その後どうなったのか調べていないので不明です。後日、判明した部分をブログに書くつもりです
死刑囚の場合は拘置所にそのまま収監されます。死刑執行設備は拘置所にあって、刑務所にはないからです。しばしば小説などには「刑務所で死刑が執行された」などと書かれたりするのですが、間違いです
ただ、拘置所にいる死刑囚は刑が確定した身分なので手紙のやり取りや面会が親族、弁護士などに限定されてます。夫が週刊誌の記者であろうと、その職業云々で手紙のやりとりを制限はしません
なので、「りりちゃんの獄中日記」も拘置所にいる間は頻繁に更新されるのでしょうが、刑務所に移ると手紙の発信回数が制限されるため更新の頻度が減ることになります(ただ、刑務所でどこの舎房に入っているとか、同室の受刑者は誰と誰、などと書くと検閲に引っかかり発信は不許可になります)
追記:渡辺被告が1審判決を不服として控訴しています。が、控訴審で減刑を勝ち取れるだけの証拠や証人を用意できるのかは疑問です。過去の類似した事件の判例を引き合いに出し、1審の量刑判断が重すぎると主張する程度では?
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