長野老人ホーム 高齢者殺害で元職員起訴

塩尻市にある老人ホームの元職員望月大輔被告(41)は、2022年5月、勤務先に入所していた前田裕子さん(77)に薬物を飲ませて殺害した疑いが持たれています
警察は認否を明らかにしていませんが、捜査関係者によりますと、元職員は逮捕当初の調べに対し「飲ませたかもしれないが覚えていない」という趣旨のあいまいな供述を繰り返していたとも報じられています。長野地検は望月大輔被告の鑑定留置を実施後、刑事責任を問えると判断して起訴しています(起訴は今年1月です)
前回も言及したように、望月被告は老人ホーム入居者の通帳から勝手に金を引き出すなど、複数の容疑があります。金の出し入れは1人の職員に任せたりするのではなく、複数人が関与して互いに牽制し合い、不正が行われないようするのが当然です。施設側の杜撰な対応が問題視されます


長野県塩尻市の老人ホームで入所者の女性が薬物を飲まされて死亡した事件で、長野地検松本支部は16日、職員だった望月大輔容疑者(41)=同県下諏訪町=を殺人罪で起訴し、発表した。地検は刑事責任能力の有無を調べるため、昨年10月から鑑定留置していた。地検は認否を明らかにしていない。
起訴状によると、望月容疑者は2022年5月28日ごろ、勤務先の塩尻市内の老人ホーム「ケアハウスえんれい」で、入所者だった前田裕子さん(当時77)に対し、何らかの手段で向精神薬を服用させ、翌日29日ごろ前田さんを薬物中毒で殺害したとされる。
捜査関係者などによると、前田さんの遺体から検出された向精神薬の成分は、望月容疑者が持病のため使用している薬の成分と同じだったという。
望月容疑者はこれまでに前田さんら複数の入所者の口座から現金を引き出したとされる窃盗などの罪や、施設の同僚の飲み物に向精神薬を混入させた傷害の罪などでも起訴されていた。
(朝日新聞の記事から引用)


望月被告が日頃から持病の治療のため、として向精神薬を服用しており、精神疾患の疑いを払拭できないことから鑑定留置をしたのでしょう
具体的に望月被告がどのような症状を抱えていたのかは不明ですが、自分が服用している向精神薬を他人に飲ませる悪質な犯行をしていたのですから、「刑事責任能力がなかった」という話では困ります
ましてや老人ホーム入居者から預かっている預金通帳から金を引き出し着服しているのですから、「記憶がない」とか「自分の別人格が勝手にやった」などと主張されたのでは被害者・遺族はとても納得などできません
高齢者介護施設が人手不足なのは判りますが、平素から向精神薬を服用しているような人物を雇用するのはどうなのか、と思うばかりです。少なくとも健康体で勤務できる人を職員にするべきでしょう
最近ではデイサービスの送迎用バスを運転する高齢職員が運転ミスで事故を起こし、高齢者が死亡する件もありました。誰でもいいから雇う方式では、また同じ事故が繰り返されるでしょう
望月被告の罪を問うのはもちろん、高齢者介護施設の雇用のあり方も社会に投げかけられた問いです

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