「死刑の当日告知は違法」の訴え退ける
受刑者、被告が国を相手取って訴訟を起こすのは珍しくありません。刑務所や拘置所内での待遇を不満としたり、刑務官の言動を「差別だ」として訴えるなど、さまざまです
今回は大阪拘置所に収監されている死刑囚が、「死刑執行を当日に言い渡すのは違法だ。人間の尊厳を踏みにじるものだ」と提起した訴訟を取り上げます
結論から書くと、大阪地裁はこの訴えを退けており、当日に執行を言い渡すのは合法との判断を下しています
死刑の執行を直前に言い渡されるのは「法に基づいていない」「尊厳をもって最期を迎えることができない」などとして死刑囚2人が国を訴えた裁判で、大阪地裁は15日、死刑囚らの訴えを全面的に退けました。
訴状などによりますと、国内で収容されている死刑囚の2人は、死刑執行の告知が執行の1~2時間ほど前である慣習について、「即日告知・即日執行の行政運用で、法により認められた『不服申立等の権利』の行使ができないという不利益を受けている」「心の準備ができず尊厳をもって最期を迎えることができない」といったことから違憲であるなどとして、国に対し、告知後すぐに刑を執行しないことや、損害賠償を求め、訴えを起こしていました。
これまでの裁判で国側は「前日までの告知で死刑囚が自殺したこともある。また、円滑に刑を執行するため、直前に告知をすることが合理的である」として棄却を求めていました。
一方の原告側は「前日までに告知することで死や犯した罪と向き合うことができていた」などと反論していました。
15日の判決で大阪地裁は「本件の訴えは死刑執行を許さないとする効果を生じさせるもので、確定した刑事判決を無意味にするもので許されない」などとして、直前の告知に対する訴えを却下し、原告らが求めていた損害賠償についても「死刑を甘受すべき義務を負う立場で、法的地位ないし利益を有するとはいえない」として訴えを棄却しました。
(ABCニュースの記事から引用)
自分は死刑執行の告知に立ち会った経験がないので、何とも言えないところです
一般論として死刑囚は1審で死刑判決がくだされ、その後判決が確定するまで期間があり、さらに執行されるまで相当の期間があります。この執行までの相当の期間(ながければ10年、15年)に罪と向き合い、心の準備ができるわけであり、当日の執行言い渡しに何の問題があるのか、と思います。死刑囚のほとんどは殺人犯や強盗殺人犯であり、被害者に心の準備をする時間を与える間もなく殺害しているわけで、自身の死刑執行に「心の準備をする時間をくれ」と要求するのは理解不能です
死刑確定から執行までの長い期間を、心の準備にも充てずのんべんだらりんと過ごしているのでしょうか?それは本人の怠慢であり、本人の責任なのでは?
死刑制度の問題を指摘するなら、法務大臣や副大臣の政治スキャンダルの影響で死刑執行が見送られ、未執行の死刑囚が滞留していることこそ問題でしょう
ここ最近の傾向としては夏場と年末の年2回執行、でした。しかし、政治スキャンダルによって執行が見送られており、これは政治家の怠慢です
(関連記事)
「死刑は残虐、違憲」と死刑囚3人が執行停止求め訴訟
少年死刑囚の話 小松川事件(昭和33年)
死刑執行 犯行時19歳だった関光彦
藤沢ストーカー殺人(昭和57年) 藤間静波死刑囚
5人殺害も恩赦で死刑を免れた少年 小田原事件(昭和24年)
恩赦を巡る誤解 刑罰が軽減される?
3人の死刑を執行 加古川7人殺害の藤城死刑囚ら
法務大臣交代と死刑執行(雑談)
葉梨法相「死刑のはんこ押すだけの仕事」発言
「闇サイト殺人事件」神田司の死刑執行
女児誘拐殺人犯小林薫 死刑執行
死刑執行 坂出市3人殺しの川崎死刑囚
4人を射殺した永山則夫を聖人視するメディア
死刑囚に感情移入する愚かさ
死刑囚の妻になりたがる女性
「死刑囚の素顔」と題する本の功罪 ドキュメンタリーの嘘