韓国の高校野球はわずか93校

春の選抜高校野球が終わり、これからは夏の甲子園を目指し全国の高校生が練習に取り組んでいるところです。言うまでもなく、全国3800校余の高校に野球部があり、野球部員がいるからこそ、日本の野球熱が維持され国際大会でも結果を残しているわけです
しかし、隣の韓国では野球部のある高校はわずか93校であり、全国大会に駒を進める常連校ともなると30校を切ります。将来プロ入りを目指す限られたスポーツエリートだけが高校生になっても野球を続け(サッカーでも同様)、それだけこどもたちの将来に親が期待し依存している…という状況があります


日本人が野球を始める主な理由は、「プロ野球選手になりたい」という当事者の前向きな意思によって始める場合が多いです。一方で韓国では子供たちの意思ではなく、学歴社会が重要視されている観点から親の意向が強いという違いがあります。
韓国で野球を始める場合は学生野球の内に引退するという選択肢は全く考えておらず、ほぼ全員がKBOに所属するチームに入団するために野球を続けている傾向。日本は学生で野球を終える人が多い反面、韓国は親が息子を必ずプロ野球選手にさせたい意向が強く、以前は学校で授業を受けさせないことも多かった時代もありました。
日本の学生野球とは異なり韓国の学生野球で指導している監督やコーチは外部から雇われているため、報酬は野球部に所属する親たちが支払う仕組みです。子供の頃から監督やコーチに報酬を支払う背景からも、是が非でも自分の息子をプロ野球選手にしたいと意気込んでいるのがわかります。
高校野球からプロ野球選手になれる確率は、10%程度で非常に狭き門です。
チーム数や競技人口
日本の高校野球のチーム数は3,800校前後で推移しているのに対して、韓国の高校野球のチーム数は2023年8月24日時点で全国に約90チームある韓国の高校野球と大きな差が生まれています。2024年時点の日本の総人口が1億2409万人である一方で、韓国の総人口が約5,100万人前後で推移しており総人口自体が異なることも差が開いている大きな要因です。
部員数で比較しても日本が約12万8,000人前後であるのに対して、韓国が約3,000人前後を推移しており12万人以上の差が開いています。高校野球をしている人口が少ないように見えますが、決して野球が不人気というわけではありません。例えば、サッカーにおいても高校のチーム数が110チーム前後、選手数は約6,200人と日本の16万人〜17万人に比べても少ない数字になっています。
今後の発展
韓国の高校野球部は93チームの約3,000人前後の競技人口と少ないように見えますが、2008年の北京オリンピック金メダルや第2回WBC準優勝など、数多くの好成績を残しています。今後も多くの学生がKBOに所属するチームへの入団を目指す背景からも、野球人気が高まる可能性があります。U-18の韓国代表にはトップクラスの選手が数多く集まり、国際大会で経験を積んでからKBOに入団するというのが一般的です。
韓国野球代表が国際大会で勝てない時期が続いているものの、サンディエゴ・パドレスに所属するキム・ハソン選手やサンフランシスコ・ジャイアンツで2024年からプレーするイ・ジョンフ選手などMLBで活躍する選手も輩出。
日本の野球ファンやMLBのファンを魅了するような選手も誕生する可能性を秘めており、今後の韓国におけるアマチュア野球の発展に期待です。
(TRILLスポーツの記事から引用)


必ずしも競技人口が多いから優れた選手が輩出するとは断言できないものの、やはり多くの競技者がいて切磋琢磨しないと質の向上は望めません
もちろん、日本の高校の野球部のレベルも大差があり、また指導者のレベルもバラバラです。野球経験のない教師が顧問をしている高校もあったりします。また、部員数が100人を超えるような野球部では、3年間1度も公式戦に出場することなく卒業する生徒も大勢いたりと、決して好ましい状況とはいえない実態もあります
また、サッカーの場合、J1及びJ2リーグに所属するクラブは下部組織を有してこどもたちの育成をする義務を負っているわけですが、韓国のプロリーグたるKリーグのクラブは下部組織を持たず、こどもたちの育成を行っていないのが実態です。なので、韓国の場合は中学のサッカー部に所属するか、地域のクラブチームに所属してサッカーをします。ここはやはりユース時代から質の高い教育、練習をできるかどうかで、育成の結果が変わってきます
敢えて挙げるのなら、サッカーでも野球でも国際大会で優勝もしくは準優勝となれば、兵役免除の特典を手にできるというのが韓国の高校生のモチベーションになっているところが、日本との大きな違いです。兵役期間は短縮されたとはいえ約1年ですから、プロを目指す選手たちにとっては重荷です。ただ、韓国社会にはスポーツ選手にだけ特典として兵役免除を与えるのはおかしい、との声もあります(芸能、学術、文化で功績があったも兵役免除の対象ではありません)
最後にサンフランシスコ・ジャイアンツに入団したイ・ジョンフン(李政厚)は6年契約(総額150億円)という大型契約を達成し、期待の星です。が、今現在は打率.205とレギュラーの座を確保するには苦しい数字です。ルーキーシーズンでどれだけの成績を残せるか、注目しましょう

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