ウェブトーンが追いつけない日本の漫画

繰り返し取り上げているところの日本の漫画と韓国のウェブトーンの比較です。ただし、ウェブトーンとして配信されている作品の中には、日本人漫画家による作品も含まれています
市場調査会社のレポートでは、ウェブトーンの市場が2030年には600億ドル(約9兆円)の規模に達すると発表されていました。これが2022年時点での予想です。しかし、最近では予想が縮小され、2030年で200億ドルと3分の1にまで減少しています。いったい何を根拠に予想を立てていたのか、と言いたくなります。そして現実問題として、ウェブトーンを配信している韓国の主要コンテンツ企業は3社とも赤字に陥っており、市場拡大を目論んで低価格(一部は無料で読める)配信を続けた結果、まったく儲からない事業と化しているのが分ります
さて、「ドラゴン桜」や「アルキメデスの大戦」の作者三田紀房は、日本漫画の70年にも及ぶ蓄積を挙げ、ウェブトーンは追いつけないと指摘しています


ドラゴン桜作者が「日本のマンガは世界のどこにも追い抜けない」と語る根拠
(前略)
いま日本のマンガの市場規模は大体6000~7000億と言われていますが、それは大企業の中堅ぐらいの売り上げでしかない。色々と支援事業は行われていますが、基幹産業としてはなかなか国に認められません。
でも、ここから裾野を広げて、メディアとのいろんな組み合わせが出てきたら、爆発的に市場は大きくなると僕は思います。マンガ単体では小さいけれど、これからいろんなメディアと手を携えて、二次作品、三次作品がどんどん生まれてくると、日本は世界最強のコンテンツ国家になると僕は思います。
70年かけて培われた日本の財産
日本は、もう70年近くマンガを作ってる国なんです。この歴史は、他国は絶対にキャッチアップできません。
いくら後から追いつこうと思っても、日本は約70年前に週刊誌という画期的な商品を作り、マンガ市場を拡大させたわけですから。人材の質も量も、世界から見れば圧倒的です。今からキャッチアップしようと思っても、まずその距離は縮まらないと思います。
韓国の縦スクロールマンガが出てきたじゃないかと言われますが、縦スクロールでもなんでも、やっぱり基本はマンガなんですよね。
例えば、ボール競技があって、それをサッカーにするかバスケにするかの違いなんです。そこをしっかり考えずに、ただ新しいものが出てきたから日本は負ける、という分析は間違っていると思います。日本は今までの資産の埋蔵量といったら、ものすごい数があるんですから。
そして、これからの漫画家さんは、どんどん描いて発表するのが良いと思います。いまはネット上に発表する場がありますので。数年後にはネット上のマーケットのほうが紙より大きくなると思います。とにかく発表すれば、どこかからチャンスは必ず来るものです。


ウェブトーンで人気作品とされた「真の教育」は、校内暴力を扱った内容でしたが黒人を蔑視するストーリーが問題となり、連載中止に追い込まれました。これも韓国のウェブトーンにしばしば見られる、黒人や白人、日本人を卑下し、愚弄し、韓国人の優秀さを誇示してマウントを取りに行くパターンです。そんなチンケがストーリーしか思いつかないウェブトーンが、世界市場で受け入れられると思うのは韓国人だけでしょう。まあ、日本のジャーナリストの中にも一部、「ウェブトーンが新しい。日本の漫画は古いからダメ」などと陳腐な理由を挙げる人もいますが
以下、動画には少年漫画雑誌の編集者も登場します。業界人には業界人なりの考え方があると判ります

【日本のマンガvs韓国ウェブトゥーン】

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