四谷大塚盗撮事件 森被告に執行猶予付き判決

進学塾「四谷大塚」の元講師森崇翔被告は生徒である女子小学生の下着を盗撮した上、顔の写った写真と住所や氏名などの個人情報をロリコングループに提供していました。それでも検察の求刑は懲役2年です(懲役3年以下の求刑の場合、初犯であれば執行猶予付き判決になる場合があります)
被害者への謝罪や補償、流出した情報をどうするのか、何も明らかにはされていないわけですが、東京地裁の判決は懲役2年保護観察付き執行猶予5年という大甘の判決でした。検察も執行猶予付き判決になると承知の上で懲役2年を求刑していたのですから、控訴はしないはずです
「これでよいのか」と自分は思うのですが、裁判官も検事も一件落着の気分なのでしょう。報道はないものの森被告と個人情報を共有していたロリコングループも摘発され、それぞれ処罰を受けたはずです
ただ、これでは個人情報を故意に流出させても「執行猶予付き判決で実刑は科さないよ」と宣言しているも同然です


教え子の女子児童を繰り返し盗撮した罪などに問われた中学受験塾大手「四谷大塚」の元講師に、東京地方裁判所は「講師の立場を利用した発覚しづらい犯行だ」として、執行猶予がついた懲役2年の判決を言い渡しました。
中学受験塾大手「四谷大塚」の講師だった森崇翔被告(25)は、去年3月から8月にかけて、都内の校舎で教え子の女子児童あわせて12人の下着をスマートフォンで繰り返し盗撮した迷惑防止条例違反の罪や、児童6人の名前や住所などをSNSのグループチャットに投稿した個人情報保護法違反の罪などに問われました。
26日の判決で、東京地方裁判所の鎌倉正和裁判官は「塾の講師の立場を利用して被害者の警戒心がないことをいいことに、下着が撮影しやすい体勢をとらせるなどして撮影した。発覚しづらい犯行だ。また、画像などが拡散される危険性を生じさせた」と指摘しました。
一方で、「遅まきながら反省のことばを述べ、性依存症の治療に取り組んでいる」などとして保護観察のついた懲役2年、執行猶予5年を言い渡しました。
判決について「四谷大塚」は「改めて関係者の皆さまにおわびするとともに、再発防止を徹底し、信頼回復に向けていっそう身を引き締めて対処してまいります」とコメントしています。
(NHKの記事から引用)


この事件については何度も当ブログで取り上げましたし、森被告が受けているところの認知行動療法についても思うところを書きました
一般論として、男性は成熟するとともに相応の成熟した女性を恋愛の対象として選びます。しかし、小児性愛者は未成熟なこどもに執着し、性的欲望の対象とします。これは倒錯した状況であり、この倒錯こそが問題の核心です
そこへ踏み込むのが精神分析です。が、認知行動療法はそこへ踏み込むことはしません。ゆえに森被告がまた同様の犯行に走るのではないか、と危惧するわけです
前回のブログの記事で、山形刑務所で認知行動療法を受けて出所後、性犯罪を繰り返した人物の例を挙げました。これは認知行動療法がダメだという意味ではなく、社会に出た後にしかるべき治療を継続しなかったところに起因します。同時に「オレはもう大丈夫」とか「オレは自分をコントロールできている」、「今度はオレが性犯罪者を治療してやる」との過信・慢心も要因と考えられます
森被告がこの先、10年、20年と再犯に至ることなく社会で生活できたなら、自分の危惧は外れだったと言えますし、森被告がよく自身を統制し道を踏み外さぬよう頑張ったと評価できます
後は被害者家族と「四谷大塚」、森被告がどのように和解に漕ぎ着けるか、です

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