東京の保育士が児童ポルノ作成　４度目の逮捕

事件を考える
東京都墨田区の保育所に勤務する男性保育士が園児にわいせつ行為を繰り返し、その様子を撮影して児童ポルノを作成していた事件の続報です
長田凪巧容疑者が余罪の取り調べて４度目の逮捕となっています
被害を受けた園児の親がわいせつ行為を申し立てた後、長田容疑者は警察の捜査を恐れて撮り溜めていた児童ポルノを削除したのですが、捜査陣がこれらのデータを復元し、被害者を特定して立件しているところです
長田容疑者が勤めていた保育所は社会福祉法人希望福祉会の運営する保育所３か所のうち、杉の子学園保育所だろうと推測されています（５歳児まで受け入れているのはここだけ）


東京都墨田区の保育所で保育士が園児にわいせつな行為を繰り返していた事件で、警視庁捜査１課は１８日、強制性交と児童ポルノ禁止法違反の疑いで、足立区保木間の元保育士、長田凪巧（なぐみ）被告（２７）＝不同意性交罪などで起訴＝を再逮捕した。４回目の逮捕となる。
逮捕容疑は昨年７月上旬ごろ、保育所内で女児に対し、スマートフォンで撮影しながらわいせつな行為をしたとしている。調べに対し「私がやったことに間違いない」と容疑を認めている。
捜査１課によると、昨年１２月に別の女児が被害を訴えて行われた保護者会の直後、今回の被害女児の保護者からも申告があり発覚した。長田容疑者は事件の発覚後にこれまで撮影していた画像を消去していたが、捜査１課が復元したところ今回の事件の際に撮影された画像も発見された。
長田容疑者はこれまでの調べに「自らも幼少期に性的虐待を受けていた」と話しているという。他にも数人の園児が被害を訴えており、余罪を追及する。
（産経新聞の記事から引用）


撮り溜めた児童ポルノを削除して証拠隠滅を図った長田容疑者ですが、取り調べに対しては容疑を認めています。おそらく弁護士に相談し、「事実関係を否認して争うより、犯行を認めた方が刑罰が軽くなる」と諭されたのかもしれません
ただ、逮捕されるのが初めてで前科がないとしても、被害者が多く、継続的に犯行を繰り返していたとなれば犯情は悪いと判断され、執行猶予のつかない実刑が科されるのは確実です。過去の判例からすれば懲役５年から６年の実刑でしょう
長田容疑者は「自らも幼少期に性的虐待を受けていた」と供述し、「自分も被害者だ」とアピールしているようですが、自分が性的虐待を受けて不快な思いをしたのであればそれを園児たちに繰り返すのは論外です。情状を訴えたいのかもしれませんが
保育士の資格を有しているのですから、幼児教育について専門的な勉強をしたはずです。その中に幼児に性的虐待を加えても問題ない、とは教えていないわけで、結局は自らの欲望のため園児を弄んでいたと判断するしかありません
性的虐待を受けたこどもの心理的・精神的影響
一般論として、こどもへの性的虐待を加える性犯罪者の多くが、こどもの頃に性的虐待を受けた経験を有しているというのは広く知られたところです。性的虐待とその影響についてインターネットで検索すると多くの論文、報告が見つかります
性被害を受けたこどもは性的な刺激への目覚めが早く、性器いじりや自慰行為、同性や異性に対する性的な接触を求める行動が、そうでないこどもたちよりも早い年齢から見られると指摘されています
これは情緒的な恋愛感情より先に、性的刺激による快楽を希求する行動が出現するのであり、しばしば暴力を伴うと観察されています。つまりは暴力によって性的な快楽を得ようとするのを厭わなくなり、自己中心的な振る舞いが顕著になる＝他者を傷つけることを躊躇しなくなるということです
司法の判断では「精神障害が犯罪に影響を及ぼした場合は罪一等を減じる」といった決まり（法理）が確立されているのですが、性的虐待経験の影響で他者を害する犯罪をなした場合にはそのような法理は適用されません。あくまで個々のケースにおいて裁判官が情状として考慮するにとどまります
なので、長田容疑者は公判で自身の「こどもの頃に性的虐待を受けた」体験をアピールし、情状を訴えるのでしょうが、裁判官がそれを汲み取るかどうかは定かではありません
むしろ保育士というこどもを守る立場の職にありながら、虐待を繰り返したり児童ポルノ作成をしていた点が厳しく糾弾されるのでは？

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