鹿児島県警捜査資料漏洩　３つのルートで流出

先日、当ブログで取り上げた鹿児島県警の捜査資料漏洩事件の続きです
この件は鹿児島県警の不正を暴露するキャンペーンを展開してきた、地元のインターネットメディア「ハンター」が取り上げたものです。その後、複数のメディアによって報じられました。結果、鹿児島県警本部長が県議会で謝罪するに至りました
前回も取り上げたように、警察幹部の息子？である鹿児島県医師会職員が、コロナで一時隔離を受けていた女性への不同意性交をし、被害相談を警察にしたものの事件として受理しなかった件が根底にあります。「ハンター」によれば、不同意性交事件での捜査資料が鹿児島県警の手により不正に改ざんされていると指摘しています
こうなると鹿児島県警ぐるみの不正な事件処理があったという話で、県警本部長のクビをすげ替えるだけで済む話ではなくなります。複数名の県警幹部が責任を問われる事態になるのかもしれません


鹿児島県警の情報漏洩、「流出ルート」複数の可能性 ｜流出した個人・法人等の情報は延べ350超
鹿児島県警が、幹部による不当な捜査指揮や情報漏洩に揺れる中、捜査資料＝「告訴・告発事件処理簿一覧表」の流出ルートが複数であることが明らかとなった。直近で『現代ビジネス』が報じた一覧表の記載（⇒）の一部は、ハンターが２度にわたって入手したそれぞれの処理簿に含まれておらず、少なくとも３つの流出ルートが存在するものとみられる。
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ハンターが初めに入手した一覧表は、鹿児島県医師会の男性職員（2022年10月に退職）が強制性交の疑いで送検された2023年６月以降に作成されたもの。次が送検以前に作成されたもので、全県下の所轄署に持ち込まれた告訴・告発事案についての処理簿だった。しかし、現代ビジネスが配信した記事にある県内首長の公職選挙法違反被疑事件や県テニス協会の事案は含まれておらず、別ルートで違う処理簿が流出した可能性が高い。
一覧表は、１枚に２件の事件の処理経過が詳しく記載されており、ハンターが入手したものを精査した結果、流出した情報は、延べ350を超える個人及び法人名であることが分かった。記載された民間関係者の生年月日、告訴もしくは告発事案の概要、捜査状況なども記載されており、絶対に漏れてはならない情報ばかりであることは言うまでもない。
鹿児島県警は、大量の捜査資料が流出するという前代未聞の事態でありながら、調査に協力するため入手した全ての一覧表を持って本部まで出向いたハンターの記者の申し出を拒否。会見を開いて県民に謝罪することを回避するため、「犯人探し」に血道を上げていた。
では、何故こうした情報漏洩が起きたのか？
理由は、はっきりしている。元鹿児島中央署の署長である井上昌一県警刑事部長による不当な捜査指揮で、鹿児島県医師会の元職員による強制性交事件の実相がねじ曲げられ、不起訴という間違った結論を招いた。それを是としない関係者がいたということだ。強制性交事件の処理状況が記載された告訴・告発事件処理簿一覧表が『送検前』と『送検後』の２種類あることは（下の画像参照）、捜査資料の「改ざん」を示唆している。
鹿児島県警は18日、これまで認めていた４件の事案の他に、新たに流出した告訴・告発事件処理簿一覧表があることを、ようやく発表した。50人態勢で調査するというが、まず明らかにしなければならないのは、強制性交事件の捜査が適正だったか否かという「問題の原点」だ。


はっきりと現鹿児島県警本部刑事部長井上昌一氏を名指しし、不当な捜査指揮と捜査資料の改ざんを挙げています。おそらく上記の不同意性交事件に関与した警察関係者が、「不起訴になるよう工作しろ」という井上昌一鹿児島中央署長（当時）の圧力を不快に感じ、捜査資料の改ざんがあったことを知らしめるため、他の捜査資料も併せて外部に流出させたのかもしれません
指摘するまでもなく、警察が親類・縁者・知人のため犯罪を隠蔽するのは、警察への信頼を傷つける重大な背信行為であり、決して許されるものではありません
しかし、鹿児島県警は不同意性交事件の捜査が適正だったかどうかなど今更調べる気はなく、誰が捜査資料を漏洩させたのか、犯人探しに躍起になっている状況だと伝わってきます
なお、不同意性交事件の犯人と目される県医師会の職員は既に退職しています。どこまでも事件をなかったことにしようとの意図が感じられます
そして不同意性交事件について鹿児島県警は何ら言及することもなく、捜査資料漏洩の責任を取らせる形で井上刑事部長をこっそり更迭して幕引きを図るのかもしれません

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