鹿児島県警捜査資料漏洩 300人分も

鹿児島県警が所管する刑事事件の捜査資料が外部に流出し、300人分もの個人情報が暴露されていると報じられています
県議会の場で鹿児島県警本部長が謝罪するに至ってますが、本部長が頭を下げたからといって流出した個人情報が消えたりはしません。また、鹿児島県警本部の幹部警察官が情報の漏れた1人1人を訪問し、謝罪して回っているとも報じられているのですが、実に尊大な態度で誠意がまったく感じられないとの批判も出ています
この事態を鹿児島県警はどう収拾するつもりなのでしょうか?


A4サイズで数十枚
鹿児島県警は3月12日、捜査資料のうち4事件12人分の個人情報が流出したと明らかにした。だが、流出はそのレベルではない。100件を超す情報が流出している。
《告訴・告発事件処理簿一覧表》と題された書類がA4サイズで数十枚、現代ビジネスの手元にある。警察が捜査中の事件の経緯や捜査状況が、1枚につき2件、事細かに記されている。事件件数は全部で100件以上になる。
この一覧表を詳細に見て行くと「鹿児島」という文字が何度も書かれており、鹿児島県警中央署が捜査しているものが多いが「奄美」「曽於」「霧島」という別の署が着手している事件も含まれる。
「プライベートなことまで書かれた捜査資料が外部に流出するなんて信じられません」
こう語るのは、鹿児島在住の医師・Aさんである。
Aさんが鹿児島県警と関わるきっかけは2022年1月のことだ。経営している病院に勤務している女性看護師が、新型コロナウイルスの宿泊療養施設で従事していたところ、ある事件の被害者となった。
この女性看護師は、2021年9月に鹿児島県医師会元職員から複数回、性的暴行を受けていた。数ヵ月後、女性看護師が悩んだ末に被害を打ち明け、弁護士を通じて刑事告訴した。
捜査の結果、2023年12月に元職員は嫌疑不十分で不起訴となった。現在、女性看護師は、検察審査会に審査を申し立てている。
(中略)
捜査している刑事の名前も一致しています。どこから見ても鹿児島県警の捜査資料が流出しているとしか思えません。性犯罪の捜査が外部に漏れるなんて絶対にあってはいけないことです」
こう怒るAさんは、2枚の名刺を見せてくれた。
《鹿児島県警察本部 刑事部刑事企画課理事官 警視 M》
《鹿児島県警察本部 刑事部刑事企画課捜査支援室長 警部 N》
謝罪した警察官の音声
この二人の警察官は、今年1月19日になって「捜査資料が外部に流出している」と謝罪にきたという。昨年10月、九州のインターネットニュースサイト「ハンター」が「流出」を報じてから3か月以上が経過していた。鹿児島県警の2人がAさんのもとを訪れ、謝罪している録音を現代ビジネスでは入手した。
「(ニュースサイトで)こういう記事が出ており、これはうちの資料です。それを今、調査している」
「われわれは正直、事件捜査は関係なく、書類を管理する立場」
「間違いなくうちの組織から出ている書類です」
「個人情報が漏れたのは事実で、非があるのはうちです」
「上(幹部)まで図って、謝るべきとなった」
と流出した資料が鹿児島県警のものとはっきり認め、陳謝している様子が記録されている。
(以下、略。現代ビジネスの記事から引用)


注釈すると、上記の現代ビジネスの記事は情報漏洩と鹿児島県医師会職員による強制性交事件の2つが書かれています
記事に登場する医師Aさんのところで働いていた女性看護師が強制性交の被害に遭い、警察に相談したものの被害届が受理されなかったのが発端です。この鹿児島県医師会元職員の父親が鹿児島県警の幹部警察官で、県警が事件のもみ消しを図った疑いが浮上します。その後、Aさんが弁護士を介して告訴状を提出(おそらく鹿児島県警ではなく、鹿児島地方検察庁に)したため、事件として捜査されるには至ったものの嫌疑不十分と不起訴となり、現在は検察審査会に持ち込んで不起訴処分が妥当だったのかどうか、審査を受けている段階です
そして情報漏洩(捜査資料の外部流出)が起きたわけです
Aさんのところへ謝罪に来た鹿児島県警本部の警視と警部は、一般市民に頭を下げる機会などないので渋々訪問してきたのでしょう。上司の命令で個人情報が漏れ出た人のところを1軒づつ回り、事情説明と謝罪をしているのですが、「何でオレたちがこんなことをしなければならんのか」と不満ありありの態度だったと想像します
ともあれ、鹿児島県警内部の人間が故意に捜査資料を外部に流出させたのであり、その責任は鹿児島県警にあります
警察内での処遇に不満を持ったのか、身内をかばって事件をもみ消そうとする田舎の警察にありがちな風潮に反抗するためなのか、単なる愉快犯なのかは判りません
しかし、1度流出した個人情報は回収不能です。鹿児島県警本部長が辞職しても何の解決にもなりません。鹿児島県警の対応に注目しましょう

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