警視正の性的暴行事件 監視をさぼって自殺される
警察官の立場を利用し、複数人の女性に性的暴行を加えていたとして逮捕された中国四国管区警察学校の警視正岩本幸一容疑者は、広島県警の広島中央署の留置場に収容されていたのですが、監視の隙をついて縊首自殺しています
広島県警は当初、自殺要注意者に指定した上、監房前に署員を貼り付かせる対面監視を実施していたと報道されていました。しかし、実際は留置場勤務者が岩本容疑者に特段の注意も払わず、対面監視もしていなかったと明かされています
複数の女性に性的暴行を加えたとして逮捕、起訴された中国四国管区警察学校の元警視正が広島県警広島中央署の留置場で自殺した問題で、県警は15日、当時の管理状況を調査した結果を発表した。死亡直前の複数回にわたる巡回で、留置管理担当者が元警視正の姿を目視していなかったことが判明。「自殺に及ぶ危険性への認識が不十分だった」と総括し、中央署長ら6人を本部長注意などの内部処分とした。
死亡したのは岩本幸一元警視正(58)。2月17日午後8時19分、居室内にあるトイレでぐったりしているのが見つかり、搬送先の病院で同49分に死亡が確認された。そばには遺書とみられる便箋1枚が残されていたが、死亡するまで自殺をほのめかす言動はなかったという。
県警は元警視正について、最初に逮捕した2023年11月7日以降、監視の警戒度が高い「特別要注意者」に指定。社会的な反響がある事件だとして、単独での留置や巡回を強化することを決めていた。
死亡当日は午後6時45分~午後8時2分の間、同じ担当者が複数回にわたり留置場内を巡回していたが、元警視正の動向を直接確認していなかったことが判明。県警は巡回の頻度は明らかにしていないが、「規定通りだった」としたうえで「担当者は他の業務が停滞しており、早く巡回を終わらせたいとの気持ちがあった」と説明した。留置業務には3人が関わっていたが、連携できていなかったという。
一方で、元警視正は1月19日に大声を上げたことがあった。こうした言動について、中央署が県警本部の留置管理課と共有していなかったことも明らかになった。元警視正が直後に反省の態度を示したことから、特異だと判断しなかったという。
処分されたのは中央署長のほか、当日の担当者3人も含まれた。再発防止策では、自殺の兆候に応じた監視の強化や巡回方法の見直しなどを挙げており、県警の長野吉克警務部長は「職員の緊張感の維持に努め、厳正な留置管理業務を図ってまいります」とのコメントを出した。
元警視正は、マッチングアプリで知り合った10~20代の女性5人に性的暴行を加えたとして、不同意性交等などの疑いが持たれていた。死亡により、全ての事件で裁判を打ち切る公訴棄却や不起訴となっている。
(毎日新聞の記事から引用)
繰り返し書いているように留置場勤務というのは現場で使い物にならない者、病気などあって外勤ができない者などがあてがわれたりします。そのため留置場での不祥事、自殺などなど問題が続出しているのですが、改善にはほど遠い実情があるものと考えられます
監視の警戒度が高い「特別要注意者」に指定しても、現場の警察官が留置場内の巡回をおおむね15分に1回の頻度でしており、ましてや対面監視もしていないのですから自殺を許す結果になっています。留置場勤務者にすれば、重要事件の容疑者であろうと食い逃げ犯であろうと関係ないわけで、いつものようにだらけた勤務をしていたのでしょう。「どうせ夜中だし、容疑者たちは寝ているし、上司が見回りに来ることはないし」とさぼり癖がついていたのでは?
少なくとも署長や副署長が夜間に抜き打ちで留置場に足を運ぶくらいのことをしないと、だらけた勤務態度は改善されません。本部長注意くらいでは効果がないと思います
追記:岩本容疑者は勾留中に自殺したため、被疑者死亡のまま不起訴処分となっています。警察庁は(警視正の人事権は警察庁にあります)退職金の不支給を決めたと報じられています。容疑者段階では無罪の推定を受けるものの、犯罪の嫌疑が濃厚と判断したのでしょう
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