「クソ野郎」裁判 山口敬之氏敗訴

伊藤詩織さん強姦事件を巡る民事訴訟で元TBS記者の山口敬之氏は敗訴し、賠償を命じる判決が最高裁で確定しています
これとは別に、れいわ新選組共同代表の大石晃子衆院議員が山口氏をツイッター(現在のX)で「クソ野郎」と投稿した件が名誉毀損になるとして、民事訴訟で争っていました
1審の東京地裁は大石議員に22万円の賠償を命じる判決を出したのですが、2審の東京高裁は「クソ野郎は名誉毀損に当たらない」との判断を示し、一転して山口氏の敗訴となっています

れいわ新選組共同代表の大石晃子衆院議員にツイッター(現在のX)で「クソ野郎」と投稿され名誉を傷つけられたとして、元TBS記者山口敬之さんが880万円の損害賠償などを求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は13日、22万円の支払いなどを命じた1審判決を取り消し、山口さんの請求を棄却した。相沢真木裁判長はクソ野郎との表現が「直ちに人身攻撃となり、意見や論評の域を逸脱したとは断じられない」と判断した。
1審東京地裁判決は「攻撃的かつ激しい侮辱」だとして名誉毀損(きそん)の成立を認めたが、相沢裁判長は、表現がいささか品性を欠くとした上で「クソ」という言葉自体が「クソ忙しい」のように強調の意味などで使われる場合もあるとした。
判決によると、山口さんに性被害を受けたとするジャーナリスト伊藤詩織さん、名誉を傷つけられたとする山口さんが双方に損害賠償を求めた訴訟を巡り、大石議員は1審判決が出た翌日の2019年12月19日に投稿。山口さん側の提訴を伊藤さんへの嫌がらせに当たる「1億円超のスラップ訴訟」と批判し「クソ野郎」との表現もあった。
大石議員は判決後、東京都内で記者会見し「私の言論活動が論評の範囲内だと認められて良かった」と述べた。
(共同通信の記事から引用)

「クソ野郎」は侮辱・名誉毀損とは認められない、との判例が出来上がったわけです。ただし、これは東京高裁の相沢判事の判断であって、別の裁判官なら名誉毀損を認める判決を下すかもしれません
山口氏が敗訴を受け入れるか、最高裁に上告するのかは不明です。最高裁の判事が額を寄せ合い、「クソ野郎」についてあれこれ議論する姿を想像すると、かなりシュールな感じもします
さて、名誉毀損かどうかはともかく、山口氏がこうしてツイッターの発言に噛みつき、訴訟を提起してもそれがジャーナリストとしてのイメージ回復には結びつかないと思うのですが、どうなのでしょう
過去には漫画家の小林よしのり、参議院議員でもあった有田芳生などとも訴訟をやっています
「黙っておれない」とか、公の場でもう一度ジャーナリストとして返り咲きたいとか、いろいろな背景があるのでしょう
ただ、伊藤詩織さんを泥酔させた状態でホテルに連れ込み、同意のないまま性交した事実は消えませんし、今後も山口氏の名前とともに話題にされるはずです
かつては安倍首相に食い込み、ツーカーの仲とも言われた時代が忘れられないのでしょうか?
ジャーナリスト以外の職業を選択し、静かに暮らす途もあると思うのですが

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