男女中学生の強盗致死事件　主犯は当時１３歳中学生

事件を考える
大阪のビルから大学生が転落死した事件で男女中学生３人が逮捕されたわけですが、大学生をSNSで呼び出したのは３人の中でも１番年下の男子中学生（事件当時１３歳）です
この中学生が今後、どのような法手続きを経るのか、を今回書きます


大阪市中央区のビルで2月、脅された男子大学生が転落死して強盗致死容疑で中学生3人が逮捕などされた事件で、このうち2年の男子生徒（14）が事件前、女性を装った交流サイト（SNS）のアカウントで大学生とやりとりしていたことが12日、捜査関係者への取材で分かった。大阪府警は男子生徒が主導し、金銭を取る目的で大学生を誘い出したとみている。
府警によると、男子生徒は事件当時13歳だったため、刑事責任が問われない「触法少年」として児童相談所に通告された。他に2年の女子生徒（14）と3年の男子生徒（15）が逮捕された。
（共同通信の記事から引用）


犯行当時１３歳で現在は１４歳です。児童相談所に触法少年として連れて行かれたのですが、そのまま身柄を保護し続けるかどうかは児童相談所の判断となります
ただ、大学生が死亡しているのですから従来通り、児童相談所から児童自立支援施設（昔は教護院という名称）に送致するかどうか、判断が分かれるでしょう
少年法の改正により、１２歳以上が少年院送致の対象となっています。なので、児童相談所の判断次第では家庭裁判所に送致して、保護処分に付すのが相当であるとの手続きになるかもしれません
この場合、家庭裁判所は事件内容からして観護措置決定をし、少年の身柄を少年鑑別所に収容させた上で資質鑑別を実施するよう求めます。２週間の観護措置（延長してもう２週間）以内に家庭裁判所で少年審判が開かれ、少年院送致決定が言い渡されると、少年鑑別所でどこの少年院に送致するか決めます。家庭裁判所がどこの少年院に送致するか決定するわけではありません
おそらく家庭裁判所は「相当長期間の矯正教育が必要」だとする処遇勧告を付けますので、１８歳くらいまでを目処に少年院に収容することになります。ただ、最初から収容期間ありきの話ではなく、少年院での生活次第で収容期間は長くなる場合もあります
家庭裁判所の少年院送致決定に不服がある場合、少年は抗告の申し立てを高等裁判所にできます。これは付添人（弁護士）がついていない場合でも、少年単独で抗告申し立てが可能です。が、ほとんどの場合、少年院送致が不満だという理由での抗告ですから棄却されます。犯罪事実の認定に重大な誤認があるとか、審判決定の根幹に関わる部分で抗告するケースは滅多にありません

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