八戸5歳児虐待死 なぜ面会しないのか?
八戸で5歳の女児が冷水を浴びせられ死亡した事件について、3度目の言及となります
いつもながら児童相談所の対処能力の欠如が目につきます。女児は八戸市内在住であり、同じ八戸市内に児童相談所があります。それなのに児童相談所の職員が女児に面会できたのはたった1度だけです。なぜもっと足を運び、直接の面会を実施し、体の異常の有無を調べようとしなかったのか?
おそらく親が児童相談所の職員にあれこれ抗弁し、職員との接触を避けようとしていたと想像されますが、虐待を繰り返している家庭あるあるです。関川容疑者は仕事を口実に面会を拒んでいたそうですが、彼は無職で暇を持て余していたはずです。それを踏まえ、一時保護をするとか対応の仕方はあったはずです。ともかく児童相談所の「やる気のなさ」ばかりが目につきます
この事件を受け第三者委員会で検証するとか報じられていますが、どれだけ立派な検証報告ができあがったところで児童相談所にやる気がないのですから、事態の改善は望めません
八戸児童相談所への1回目の虐待通告は、2023年7月下旬。関川容疑者が望愛(のの)ちゃんを蹴るなどし、宮本容疑者もそれを放置しているというものでした。
この時、家庭訪問をしましたが面会できず、関川容疑者の母親からの「子どもは元気にしている」という話で直接会うことはありませんでした。
【八戸児童相談所 細越亜起子所長】
「第三者的な立場で元気だと証言していただいたと受け止めて、判断いたしました」
2回目の通告は、2023年9月下旬でした。夜泣きを放置したことを理由に、2人が子どもの前で口論したとして警察が通告しました。
この際は警察が安否を確認していたため、面会することはありませんでした。
1回目から2回目のおよそ2カ月間で、八戸児童相談所は、宮本容疑者と関川容疑者の2人に10回電話を掛けました。このうち通話できたのは4回で、生活状況の確認や面接をしたいと伝えたということです。
しかし、関川容疑者が仕事を理由に応じられないとしました。
通告から3カ月後の10月末に、初めて親子との面会が実現します。2人と望愛ちゃんに虐待の有無を確認しました。
関川容疑者は、「しつけとして、げんこつを1回することはあった」と答えました。
児童相談所は「虐待は良くない、繰り返さないで」と指導したところ、「分かりました」と答えたということです。
また、2人とは別の部屋で望愛ちゃんに「叩かれたことはないか」と聞くと「ない」と答え、長袖の服を着た状態では、あざは見られなかったということです。
【八戸児童相談所 細越亜起子所長】
「他にけがをしているお子さんの通告が相次いでおりまして、どうしてもそちらの方を優先してしまったと」
「10月31日の時点では、緊急度は高いという認識はありませんでした」
面会後、電話で確認や指導を2回行い、市や警察に母子の状況について情報を共有。11月末、必要な調査や指導は終わったとして指導を終結させました。
しかし、この2カ月後、望愛ちゃんは亡くなりました。複数のあざがありました。
県は今後、これまでの対応などについて協議する専門部会を開き、今回の事案の分析や検証を行うとしています。
この事件について、宮下知事も取材に応じました。
【宮下知事】
「非常にこういう結果になったということで残念に思いますし、私も娘を持つ父親として非常に悲しい思いであります」
「まず検証する必要があると思います。しかもそれは客観的に行われる必要があって、児童処遇部会のほうで、まずは今回のケースについて慎重に検証されるものと考えております」
(青森朝日放送の記事から引用)
2023年9月下旬に警察への通報があって警察官が出向いた…と児童相談所に連絡が入った際、本来ならば児童相談所の職員が出向いて家庭の状況を確認すべきです。しかし、「警察官が出向いて口頭で注意したので、自分たちは面会する必要はない」と片付けてしまっています。これでは仕事をしたとはいえません
万事がこんな調子なのでしょう。給料をもらって何をしているのか、と
県知事は「慎重に検証されるべき」などと岸田首相みたいな発言をしていますが、今求められるのは検証も検討もなく、実行です
八戸児童相談所に職員が何人配置されているのかは知りませんが、人手が足りていないのか、1人1人の職務遂行能力が足りないのか、やる気がないのか、児童相談所長が無能なのか、そこをはっきりさせて業務改善に取り組むべきなのでは?
「あの時はこうだった」とか「こうするべきだったかもしれない」など、そんな無駄話に時間を費やすのではなく
第三者委員会に調査・報告に手間と時間をかけても、現場の取り組むが改善されないのであれば無駄ですし、無駄になる予感しかしません
いっそ、青森県警本部の課長補佐とか警察署長クラスを児童相談所長に据え、警察方式で職務改善を図ってはどうか、と思ったりします
その上で、県知事名による強制立ち入りによる安否確認の権限を児童相談所長に与えるよう関係法令を改正し、家族が拒絶しても家の中に入って職員が面会できる体制を構築してもらいたいものです
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