遠足で水分補給認めず熱中症 大阪八尾市
大阪府八尾市の小学校で児童を連れた徒歩での遠足の際、女子児童が所持していた水筒のお茶を飲み尽くしたためお茶の購入を申し出たところ、教員がこれを認めなかったため熱中症となり、救急搬送される事態がありました。学校側は「適切な対応で問題はなかった」と主張したため、保護者が慰謝料220万円の支払いを求める訴訟を起こしたと報じられています
小学校の遠足中に1年生だった女児(8)が茶の購入を要望したのに教諭が認めなかったため熱中症で救急搬送されたなどとして、女児と両親が大阪府八尾市を相手取り、慰謝料など220万円の損害賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こしたことが分かった。27日に第1回口頭弁論があり、市側は請求棄却を求めた。
訴状などによると、遠足は令和4年5月末にあり、往復で計約2時間歩く行程があった。母親が前日に体力面の不安から欠席したいと伝えたが、担任教諭から促されて参加を決めた。ただ、水筒の茶が足りない場合は購入を認め、女児が異常を訴えた場合は母親に連絡するよう要望した。
しかし当日、女児が教諭に「お茶を買わせてください」と伝えても校長の判断で認めず、めまいを覚えて「ママ呼んでください」と伝えても聞き入れなかった。下校の際に迎えに行った母親が高熱に気づき、女児は救急搬送されて熱中症と診断。女児側は学校側に「安全配慮義務違反があった」と訴えている。
一方、学校側は答弁書で「様子を確認し、体調に問題ないと判断した。児童に熱中症の症状が出た際は、飲料水を購入することを想定していた」と主張している。
(産経新聞の記事から引用)
学校側の対応、主張の細かいところは不明なので憶測するしかありません。教師や校長は遠足を「忍耐力を養い、体力をつけるための教育行事」と位置づけ、持参した水筒のお茶を飲み尽くした行為を「計画性に欠ける」とか「辛抱が足りない。わがまま」と判断したのでしょう
炎天下の部活動、体育祭など熱中症で倒れる児童、生徒が出るたびに学校側の対応が問題になります。まず、熱中症の怖さを教師が理解していないところに問題があります
熱中症は意識を喪失して死亡する場合もある、と教員の研修では周知徹底を図っていると思うのですが、いまだに「単なるわがまま」として片付けようとする教員が多くいるのでしょう
母親が教師にお茶の購入を許可するよう事前に求めていたのも、「母親のわがまま」だと切り捨てていた可能性が濃厚です。校長は「1人だけ特別扱いするわけにはいかない」とでも考えたのでは?
5月末でも真夏並みの暑さになる日もありますし、体内の熱を発散するためにも汗をかかねばならず、汗をかけば体内の水分が不足します。熱中症を単なる脱水症状と解釈し、我慢できるはずと教師が考えがちであり、我慢させるのが教育だと履き違えているのが問題です
現に児童が体調を崩して救急搬送されているのですから、学校側の対応が誤りであったのは明らかで、安全配慮義務を欠いたと言われるのは当然でしょう。にも関わらず、頑として事実を認めようとしないところがさらに問題です。八尾市教育委員会も学校側の言い分をそのまま認めているわけで、これでは児童の命を守れるとは思えません。八尾市教育委員会が学校側の対応に不足があったと認め、謝罪すれば訴訟には至らなかったのでは?
学校、教育委員会とも、母親を些細なことで学校にねじ込んでくるモンスターペアレント扱いしている風にも感じられます
文部省の教育指導要領を忠実に実践しようとするのも結構ですが、眼の前の児童1人1人の安全を守る行動や判断ができないようでは教育者失格です
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