浜名湖高校生殺人 遊び仲間5人を逮捕

行方不明となっていた男子高校生斉藤宇川さんの遺体が浜名湖で発見され、暴行を受けた痕跡があったことから殺人と死体遺棄容疑事件として捜査が続けられた結果、斉藤さんが立ち寄ったとされる遊び仲間のアパートにたむろしていたグループ5人が逮捕されています
堀内音緒容疑者は21歳ですが、他は18歳や17歳と報じられています
いつものように、殺人罪を適用するには殺意の有無を問題にするのが日本の刑事司法なので、殺意があったと立証できないのであれば傷害致死罪で裁判となります


静岡・湖西市の浜名湖で、男子高校生の遺体が見つかった殺人事件で、警察は21歳の男と少年らあわせて5人を傷害の疑いなどで逮捕した。
静岡県警・川島好勝湖西警察署長「暴行を加え、けがを負わせた傷害と被害者を車両に監禁したとして複数の被疑者を逮捕しました」
逮捕されたのは、堀内音緒容疑者(21)と、18歳のフィリピン国籍の男、17歳のブラジル国籍の少年などあわせて5人。
堀内容疑者と18歳の男は、2月9日に遺体で見つかった高校生・斉藤宇川さん(17)に対し、暴行を加えてけがをさせたうえ、車に監禁した疑いが持たれていて、ほか3人の少年は、監禁の疑いで逮捕された。
警察は、5人の認否を明らかにしていない。
5人の一部は斉藤さんと面識があり、監禁に使われた車は5人のうち1人が使用していた乗用車だという。
斉藤さんは5日、浜松市の友人宅でバイクを倒したことをめぐり、バイクの持ち主とトラブルになったあと行方がわからなくなっていた。
(テレビ静岡の記事から引用)


斉藤さんは中国国籍と報じられていますので、両親が中国出身なのかもしれません。全日制の高校を中退し、通信制高校に移ったとも伝えられています。明るく社交的だったという周囲の声とは別に、何か鬱屈を抱え不良グループに加わった…とも推測されます。その不良グループにフィリピン国籍やブラジル国籍の少年がいるところを見ると、日本社会になじめない少年が集まっていた感もあるのですが、単純に決めつけるのは止めておきましょう
記事には「バイクを倒したことをめぐるトラブル」とあります。バイクを倒した程度で殺害にまで至るのか、と思う方も多いはずです。本当の理由がどうであったか、逮捕された容疑者の自供を待つしかありません
ただ、同じ不良グループのメンバーとしても、個々の結びつきがさほと強固ではない(暴走族のようにがっちり組織化されたものではない)のであれば、バイクを倒した後の謝罪の仕方が気に入らないとか、単純な理由でリンチを加える展開となり、他のメンバーも面白がって加担する展開は十分に想像できます。斉藤さんを庇う義理も友情もメンバーにはないからです。つまり、同じ場所にたむろしているだけの、心情的な結びつきの希薄な不良たち、と推測できます
取り調べに対しても、仲間内で庇い合う義理がないだけに誰が最初に手を出したのか、ペラペラしゃべるのでしょう(自分の関与度合いを薄めるためにも)
事件の刑罰がどうなるのか、予想するには早すぎるのですが強いて憶測を述べておきます
過去の同様な事件を考えると、21歳の堀内容疑者が実質的なリーダー格とみなされ、実刑判決(懲役8年以上10年以下の不定期刑)で、残るメンバーは少年院送致といった処分が考えられます。しかし、最近は18~17歳でも人命に係る犯罪の場合は刑事罰が科されるケースが目につきます。なので、少年院送致ではなく懲役刑で刑務所行きとなるかもしれません

(関連記事)
多摩川中1殺害事件を考える13 情状鑑定の意見
多摩川中1殺害事件を考える12 共犯者にそれぞれ判決
多摩川中1殺害事件を考える11 判決は懲役9年以上13年以下
多摩川中1殺害事件を考える10 求刑10年以上15年以下
多摩川中1殺害事件を考える1 殴られて大怪我
埼玉少年殺害事件を考える2 少年院送致決定
埼玉少年殺害事件を考える1 中学生逮捕の衝撃
木曽川長良川連続リンチ殺人を考える 暴走する少年
木曽川長良川連続リンチ殺人の少年被告3人に死刑判決
愛知集団暴行事件を考える2 3人を少年院送致に
愛知集団暴行事件を考える1 川へ入るよう強要
5人殺害も恩赦で死刑を免れた少年 小田原事件(昭和24年)
死刑執行 犯行時19歳だった関光彦