中国アニメ「兵馬俑の城」は劣化版ディズニー
中国は数多くのテレビアニメーションを制作しており、その数では日本を上回ります。以前は中国国内で配信されているテレビアニメーションを、日本からでもアクセスして視聴できたのですが、その後は規制がかかって日本からは視聴できない状態になりました
そして中国では劇場版アニメーション制作の盛んで、次々と新作が公開されています。なぜか(日本ではウケないのに)、これが日本の映画館で上映されています。配給会社は決して儲からないと思うのですが、中国政府から補助金でも支給されているのでしょうか?事情はわかりません
昨年公開された中国の劇場版アニメーションから、「兵馬俑の城」を紹介します
記事の標題でも書いたように、「劣化版のディズニー・アニメーション」と言うほかない内容です
3DCG特有の、のっぺりとした顔の主人公が冒険を繰り広げるストーリーです。これでもかとコンピューターグラフィック山盛りですが、いまどきゴリゴリのCG動画を見て「すごい映像だ」と感動するはずもなく、力を入れるところを間違えていると思うばかりです
躍進が進む中国のアニメ会社・FANTAWILDが制作した3DCGアニメ映画『兵馬俑の城』が6月16日(金)に日本公開されることが決定した。
本作は、2021年7月に中国で公開し、約7000万元(約14億円)のヒットを記録。さらに、第24回上海国際映画祭(2021年)最優秀アニメーション作品賞にノミネートされた話題作。心を持った兵馬俑のモンユエンと家族を奪われた人間の少女シーユイとの出会い、旅路の中で生まれる恋、そして世界を揺るがす霊獣との闘いが中国全土を魅了した。 日本では、2022年中国映画の上映企画「電影祭」にて中国版が上映されると、最先端で ハイクオリティな3DCGアニメーションで描かれた壮大な地底の世界、圧巻のバトルシーンなどの中国アニメーションの現在地を示す高い技術力、そして兵馬俑と人間のラブファンタジーがたちまち話題になった。
2023年、新たなに日本語吹き替え版として『兵馬俑の城』が満を持して、再上陸。 命を授けられた兵馬俑・モンユエンと、家族を奪われた人間の少女・シーユイの地底バト ル・ラブファンタジーが開幕する。
楽天家で優しい心を持った主人公の兵馬俑・モンユエンを演じるのは、「吸血鬼すぐ死ぬ」のドラルク役をはじめ、「おそ松さん」の松野一松役など、数多くの人気作品のキャラクターを演じ絶大な人気を誇る福山潤。福山が演じたモンユエンは秦陽城兵俑軍(しんようじょうへいようぐん)に所属する雑用係で、ほかの兵俑と比べ体が弱いが精鋭部隊である「鋭士」になることを夢見るキャラクターだ。福山は、「中国から凄いクオリティの作品がやってきたモノだと、収録資料を拝見した時に感じました。素晴らしい映像と音楽と王道なストーリーに魅力的に息づくキャラクター達のお芝居に声を付けていけることは声優としての悦びを強く感じさせてくれました。僕が担当するモンユエンは真っ直ぐ自分の夢に向かって進みます。その過程で出逢う人と出来事に自分なりに真っ直ぐ演じました。」と本作の魅力を語る。
家族を奪われた人間の少女・シーユイを演じるのは、幼少期から子役として活動し、「けいおん!」の琴吹紬役をはじめ、「ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 - 永遠と自動手記人形 -」のイザベラ・ヨーク役などで活躍している寿美菜子。シーユイは剣術の達人であり、一見姉御肌で気が強いが少女らしい一面もある愛らしいキャラクターだ。そのシーユイを演じた寿は、「オーディションで初めて彼女を見た時から、一目惚れでした(笑)美しく可憐。更に強さとかっこよさも持ち合わせたシーユイを演じられて本当に嬉しいです。」と演じられたことへの喜びを語った。
さらに、青銅で出来た山羊のシャオバオを演じるのは、「ヒナまつり」の新田義史役をはじめとした人気作品の声優のみならず、音楽ユニット「UMake」やアパレルブランドをプロデュースするなど様々な分野で活躍中の中島ヨシキ。シャオバオはチャラい性格だが、肝心な場面では役に立つユニークなキャラクターで、「その場を和ませてくれる可愛らしい本作のマスコット的存在…でしょうか。なかなか担当させていただくことの少ないキャラクターなのですが、とても楽しく収録させていただきました!」と話す。
最後に元は普通の兵士だったが、戦功を立て続け大将軍の座に就いた兵俑軍の統帥であり、モンユエンのあこがれの存在でもある、シアホウ将軍を演じたのは「遊☆戯☆王」シリーズのジャック・アトラス役などを務め、洋画・海外ドラマでも吹き替えを務める星野貴紀。星野は、「主人公であるモンユエンの憧れになれるように、また乗り越えていく壁になれるように、キャラクター感をだいぶ強めに演じさせていただきました。」と役作りについて話している。
(シネマNAVIの記事から引用)
「兵馬俑の城」予告
引用した記事では「中国アニメションの現在地」を示すとあるように、なぜ中国のアニメーション作品がつまらないかを如実に示す例の1つでしょう。ゴリゴリのCGを盛り込んみ、「見どころ」だと言い張るのは勘違いもいいところです
主人公である兵士と謎の美少女の出会い(ボーイ・ミーツ・ガール)が盛り込まれているものの、人間関係はいかにもディズニー風であり、奥行きもなければ幅もない、単調すぎるアレです。ディズニーでは男女が惹かれ合い、キスするところでハッピーエンドとなり、幕が下りるのです
こども向けファンタジーだからこの程度で十分、と制作側が舐めてかかっているのが伝わってきて白けます
同じファンタジー作品でも、日本の漫画「葬送のフリーレン」と比べれば物足りなさは歴然としてしています(自分が「葬送のフリーレン」に魅了されているため、つい引き合いに出すのですが)
「葬送のフリーレン」の幅と奥行き
フリーレンはエルフの魔法使いであり、千年以上生きているとの設定です。これだけで物語の縦軸がとんでもなく深くなり、さらに千年前にフリーレンの師匠だった人類魔法の祖であるフランメがいて、そのフランメの師匠である神話の時代から生きているエルフの魔法使いゼーリエが登場します。他にも神話の時代の英雄としてエルフの戦士クラフトや賢者エーヴィ匕もいますので、これだけで3千年、4千年という物語世界になります。また、南の勇者は回想譚の中で描かれる人物ですが、「人類最強」の異名とともに読者にとって忘れがたい印象を植え付ける存在です。このように魅力的な人物を散りばめ、その人間関係を複雑に織り込みながら物語は展開する手腕は見事と言うしかありません
そして他者と深く関わろうとしなかったフリーレンが次第に感情豊かとなり、人との関わりに意義を見出し、人生の機微を味わうに至るまでを描いています
「こどもの読者相手だからこれくらでいいだろう」などと手を抜くことはなく、丁寧に物語ろうとする作者の姿勢にも好感が持てます
なので、「兵馬俑の城」は物語として平板すぎ、退屈であり、キャラクターも魅力に欠けます。賑やかし役、トリックスターとして登場する山羊とか、邪魔な存在でしょう。少しも面白くありません。おそらくこの企画のままなら、日本のアニメーションスタジオではボロカスに批判され、企画書を突き返されるレベルだと思います
中国アニメーションはまずしっかりとした物語を構成するところから取り組まないと、いつまでもディズニー・アニメの劣化版のままです
追記:いまならYoutubeで「兵馬俑の城」がまるっと全編視聴できます(中国語ですが)、自分は25分が限界でした
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