韓国版NASA(宇宙庁)を5月に設立

小型月着陸実証機「SLIM」が月面へのピンポイント着陸を成功させ、今朝には太陽光パネルからの発電を回復させ、月面での観測活動が始まったと報じられています
日本の宇宙開発成果が報じられると、韓国メディアは負けてはいないとばかりに韓国の宇宙開発計画を大々的に報道する、のが常です
今回はどうなのかと思っていましたが、やはり出ました。今年5月に韓国版NASA(宇宙庁)を発足させると中央日報が報道しています


尹錫悦大統領の大統領選挙公約だった宇宙航空庁設置と運営に関する特別法案が9日に国会本会議を通過したのに続き23日に閣議を通過した。これにより韓国版NASA(米航空宇宙局)と呼ばれる宇宙航空庁の設立が確定した。1958年に創設されたNASAは非軍事的な宇宙開発をすべて管轄し総合的な宇宙計画を推進する。ソウル大学航空宇宙工学科のキム・スンジョ名誉教授は「経済性がある宇宙産業と米民間宇宙企業スペースXのような先鋒の育成に向け宇宙航空庁は必須」と話した。
◇「政府機能を段階的に宇宙庁に移管」
科学技術情報通信部の発表によると、宇宙航空庁開庁時期は5月、場所は慶尚南道泗川(キョンサンナムド・サチョン)だ。関連予算は8000億ウォン(約886億円)、人材は研究200人、行政100人の300人規模だ。韓国政府は宇宙航空庁を中心に▽革新宇宙航空企業2000社以上育成▽50万件の雇用創出▽2045年に国内宇宙産業市場規模420兆ウォンの達成を通じた世界5大宇宙大国入りなどを成し遂げると明らかにした。科学技術情報通信部の李宗昊(イ・ジョンホ)長官は、「宇宙航空庁は(韓国が)2032年の月着陸、2045年の火星探査という目標達成を通じて世界的宇宙大国へと跳躍する偉大な足取りの始まり」と強調した。
宇宙航空庁設立はこれまで韓国の科学・産業界の宿願事業だった。宇宙産業のコントロールタワーができれば関連生態系構築と技術競争力向上に弾みをつけられるという期待のためだ。特に専門家らは米国など先進国のように民間主導の宇宙産業発展を体系化できるようになったことに大きな期待を示している。KAIST航空宇宙工学科のパン・ヒョチュン 教授は「過去に米国とソ連の覇権競争の手段に限定されていた世界の宇宙産業は21世紀に入り民間主導で成長、先進国型高付加価値創出産業へと進化を続けている。宇宙産業分野で共同研究開発の体系化が急がれたが、宇宙航空庁を通じて速度感ある政策推進が可能になる」と期待した。
(以下、略。中央日報の記事から引用)


新たな行政機関を作ったところで、すぐに何かが進捗するとは思えないのですが
記事にもあるように月に単独で探査機を送るのが2032年、火星探査が2045年というタイムテーブルです。月探査ですら目標がコロコロと変わり、2020年とか2024年とか報じられました。そして今度は2032年です
これで五大宇宙大国を目指そうというのは無理な話です。すでにアメリカ、ロシア、中国、インド、日本が月へ到達しているのですから
ほかにもEUは火星探査機を打ち上げています。2032年に韓国が独自の月探査機を打ち上げたとして、実現は8番目くらいになるのでは?
さらに日本がX線観測衛星や赤外線観測衛星を打ち上げ、「はやぶさ」のように小惑星からのサンプルリターンを実現しているのに比べ、韓国は宇宙天文学、天体物理学に寄与する成果はありません(地球観測衛星=偵察衛星、通信衛星、気象観測衛星と実用衛星の打ち上げのみ)
韓国がこれから毎年2~3基の観測衛星でも打ち上げない限り追いつけませんし、実現は不可能でしょう
上記の中央日報の記事では民間の宇宙会社との協力も謳われています。韓国の民間企業イノスペース社は2023年3月、ブラジルで小型ロケットの発射実験に成功しています


イノスペースによると、国内初の民間発射体ハンビット-TLVは、ブラジルのアルカンタラ宇宙センターから20日午前2時52分(現地時間19日午後2時52分)に打ち上げられて106秒間エンジンが燃焼した後、4分33秒間正常飛行し、ブラジル海上安全設定区域内に正常落下した。ハンビット-TLVは試験発射体だが、ブラジル空軍傘下の航空科学技術部(DCTA)の慣性航法システム「シスナブ(SISNAV)」を搭載体として装着し、目標高度での分離に成功した。搭載体分離高度はブラジル空軍の保安要請で公開されなかった。
(中央日報の記事から引用)


このロケットは重量50キロの衛星を高度500キロメートルの軌道に投入する能力があるのだそうです。ただ、それでは小型衛星しか打ち上げられません。気象衛星ひまわりは重さ5トンを越え、地球から3600キロ離れた静止軌道へ投入されており、日本のH2Aロケットにはそれだけの能力があります。韓国が五大宇宙大国を目指すのであれば大型ロケットが必要になります。月へ探査機を送るにも必要です

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