稲美町放火殺人 量刑が争点?

稲美町の放火殺人の公判が続いています。裁判員裁判で判決は2月15日に予定されており、松代留与被告は犯罪事実について争わない方針ですから、いまさら何か新しい事実が公判で暴露されたりはしません
読売新聞は記事で、「量刑が争点になる」と書いているのですが、これも当たり前すぎる指摘です。検察側は死刑求刑しかないのであり、後は裁判官・裁判員が死刑に賛同するかどうか、です


2021年11月、兵庫県稲美町で小学生の兄弟2人が殺害された放火殺人事件で、25日に地裁姫路支部で始まった兄弟の伯父・松尾留与被告(53)(殺人、現住建造物等放火罪で起訴)に対する裁判員裁判。松尾被告側は起訴事実について争わない姿勢を示しており、今後の裁判では、量刑が主な争点になるとみられる。
松尾被告は裁判が始まってしばらくは、廷内を見回すなど落ち着かない様子だった。その後、罪状認否で起訴事実を認めた後は弁護士の隣に座り、腕組みするなどして、検察側が提出した写真や図面などの書類をじっと見つめていた。
検察側は冒頭陳述で、量刑について言及。「弁護側が主張する被告の知的障害や不遇な養育環境が犯行に与えた影響は小さい」とし、「量刑上大きく考慮すべき事情ではない」と主張した。
一方、弁護側は、松尾被告が事件を起こすまで知的障害と診断されたことがなく、支援も受けていなかったと説明。「被告がどのように追い詰められたかは(量刑の)重要な判断材料だ」と述べた。
その後、検察側の証拠調べがあり、松尾 侑城(ゆうき)君(当時12歳)と 真輝(まさき)君(同7歳)の遺体の解剖を担当した医師の話などが明らかにされた。兄弟の遺体は炭化してしまっており、眠ったまま亡くなったのかどうかなど、死亡当時の詳しい様子がわからない状態だったことが説明されると、裁判員の一人は目を閉じるように痛ましげな表情を浮かべていた。
兄弟の両親は、被害者参加制度を利用し、パーティション( 遮蔽しゃへい 板)で仕切られた席で初公判を傍聴した。
(読売新聞の記事から引用)


松尾被告の知的障害がどの程度であったのか、報道では触れられていません。事件を起こすまで知的障害があることを周囲は知らなかったと弁論で指摘されていますので、小学校から普通学級に在籍しており、成績が悪いとか覚えが悪いとか、さんざん叱られて過ごしたものと想像できます。しかし、小学校入学時に知能検査は実施されなかったのでしょうか。あるいは小学校高学年時や中学生の時に知能検査は実施されていたと思うのですが。小学校入学時に知能検査があって、発達の遅れや知能障害があれば支援学校や支援学級を薦めるのが一般的なのでは?
保護者が強固に反対し、普通学級を希望したとも考えられます
その辺りの経緯は松尾被告本人でも聞かされておらず、知らない可能性もありますが
ただ、弁護側はあくまで知的障害が犯行に重大な影響を及ぼしたのだから、罪一等を減じるべしとの理屈で主張しているものと推測されます
検察側は知的障害があったとしても、それが犯行に直接関わる要因ではなく被告の刑事責任を軽減する理由にはならないとし、あくまで松尾被告本人に責任が帰するものだと主張し、求刑するのでしょう

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