甲府放火殺人 遠藤被告に死刑判決

甲府市の放火殺人で死刑を求刑されていた遠藤裕喜被告に対し、甲府地裁は死刑判決を言い渡しています。犯行時19歳とはいえ、2人を殺害し1人に重傷を負わせ、なおかつ家に火を放って全焼させているのですから死刑もやむを得ない凶悪な犯行です
初公判から20回を超える審議を重ねた上での結論であり、文字通り審議を尽くした結果といえます


3年前、甲府市で夫婦が殺害され住宅が放火された事件の裁判員裁判で、甲府地方裁判所は当時19歳の男に死刑判決を言い渡しました。
甲府市の遠藤裕喜被告は19歳だった2021年10月、甲府市の住宅に侵入して夫婦を刃物で刺して殺害したうえ、住宅を全焼させたとして殺人や放火などの罪に問われていました。
きょうの判決で甲府地裁の三上潤裁判長は犯行当時、被告に完全責任能力はあったとしました。
そのうえで夫婦の殺害は執拗かつ残虐というほかなく年齢を考慮しても死刑を回避する決定的理由とは言えないなどとして死刑を言い渡しました。
これまでの裁判で被告は当初、終始無言でしたが、何も話さない理由を問われ「社会に戻るつもりがないからです」と発言していました。
また、事件の動機については「色々なことに疲れたことに合わさって(被害者夫婦の長女から)交際を断られたラインがきて逃げたくて決心がついて事件を起こしました」と話していました。
裁判の最大の争点は被告の責任能力の程度でした。
検察側は動機として一方的に好意を抱いた長女に交際を断られて怒りを募らせ全く関係のない家族を皆殺しにしようとしたと指摘しました。
そして計画性や目的に沿った行動などから完全責任能力があったと主張、「残虐な犯行で反省はなく改善更生の余地はない」などとして死刑を求刑していました。
一方、弁護側は犯行当時被告は心神耗弱だったと訴え、そうでなかったとしても被告はあくまで19歳の「少年」とし、謝罪と懺悔の気持ちを一生背負わせるべきなどとして死刑にすべきではないと訴えていました。
この事件の被告は改正少年法で特定少年と位置付けられ起訴した際に検察は全国で初めて20歳未満の被告の実名を公表していました。
(テレビ山梨の記事から引用)


犯行直後、遠藤被告は被害者である女性に宛てた手紙を書いており、その中では犯行について「今回のことは全て僕の逆恨みです。一生消えない心の傷を負わせてしまって申し訳ない。死んで償いたい」などと謝罪の言葉を並べています。ですから決して精神異常の状態で犯行に及んだのではなく、熟慮を重ねた上で犯行に及んだのであり、なおかつ罪悪感もあり、犯行後には後悔の念もあったのだろうと推察されます
しかし、公判が始まるや黙秘を貫き、謝罪もなく、罪を償おうという贖罪の念も表明しませんでした。逮捕、勾留の後、いかなる心境の変化があったのか、遠藤被告が黙して語らないのですから知る由もありません。これは自ら「更生の可能性」を否定するのも同然です
おそらく極悪人の汚名を着たまま死刑になる、と決意したのでしょう
まだ若く、人格も未熟ではありますが、その未熟な人格によって凶行がなされ、2人の生命を奪ったわけです。この先、どう変化するか予期でないものの、現時点で死刑判決を下し社会的な制裁を突きつけるのは当然と考えます
少しでも悔悟の念を表明するならともかく、その欠片も見られない以上(見せない、と表現した方が適切でしょう)は厳しく処断しなければ被害者は救われません
遠藤被告本人は控訴しないと表明していますが、弁護人が控訴するよう説得する可能性もあります
ただし、本件は冤罪はないのですから、「死刑廃止運動の象徴」のように祀り上げ「遠藤くんを救う会」を結成してデモするとかはやめるべきです。被害者をさらに傷つけることになります
遠藤被告には死刑判決が出ましたので、この後は東京拘置所に身柄が移されます

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