交通死亡事故の米兵 アメリカ側が早々と仮釈放
2021年5月、米海軍所属のリッジ・アルニコス大尉が静岡県富士宮市で交通事故を起こし、2人が死亡し1人が負傷しています。アルニコス大尉は起訴され、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の罪で禁錮3年の判決を受けましたが、家族はこれを不満とし、アメリカの議員に働きかけてアメリカ国内の刑務所で服役させるよう求めていました
アルニコス受刑者はアメリカ側に引き渡されて服役したものの、今年1月12日には早々と仮釈放されたと報じられています
3年前、静岡県富士宮市で2人が死亡する事故を起こし、日本で実刑判決を受けて収容され、その後、アメリカに移送されたアメリカ軍の大尉が、仮釈放されたとアメリカのメディアが伝えました。
2021年5月、静岡県富士宮市で飲食店の駐車場に車が突っ込み、2人が死亡した事故では、運転していたアメリカ海軍の大尉、リッジ・アルコニス受刑者が過失運転致死傷の罪で禁錮3年の実刑判決を受け、収容されました。
アルコニス大尉を巡っては、アメリカ連邦議会の一部の議員がアメリカへの移送を日本政府に求めるようバイデン政権に働きかけていたということで12月移送されていました。
移送に関してアメリカのCNNテレビは、ハリス副大統領やホワイトハウスのサリバン大統領補佐官が関わったと報じています。
CNNは12日、アルコニス大尉の家族の話として西部カリフォルニア州のロサンゼルスにある刑務所に収監されていた大尉が、仮釈放委員会の命令によって仮釈放されたと伝えました。
(NHKの記事から引用)
禁錮3年の判決で、いわゆる有罪が確定するまでの未決勾留期間(拘置所に収監されていた期間)も服役していたものと換算されますので、実際には丸3年刑務所に在監するわけではありません
刑が確定されたのが2022年10月で、アメリカに移送されたのが昨年12月です。ならば1年少々は形に服する形にはなっていたのでしょう。アルコニス被告とその家族は、裁判で「高山病の影響で居眠り運転をしてしまった」と主張したものの認められず、不満タラタラだったようです。「たとえ有罪であっても執行猶予付き判決となり、刑務所には入らずに済むはず」との言い分なのでしょう
で、アメリカの議員を使い「日本で不当な判決を受けて刑務所に入れられている」と議会で騒ぎ、問題化させ、アメリカへの移送と早期の仮釈放を実現させた…という流れです
交通死亡事故で2人の生命を奪っているのに、反省など微塵もないのかと言いたくなります。「アメリカの言いなりだ」とか、「アメリカの圧力に屈した」と批判する声はありますが、禁錮3年の判決で1年少々は日本で服役させたのですから、日本側も決して言いなりになったわけではないと自分は受け止めます。アメリカから圧力があったにせよ、すぐに日本国内で仮釈放にはしていないのですから
もちろん、日本国内の交通受刑者にも仮釈放の制度は適用されていますので、皆が刑期満了まで服役しているわけではありません
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