宮城遺体遺棄事件 海部被告に懲役20年判決

女性を監禁して繰り返し暴行を加え、売春を強要して上前をはねるという鬼畜の行為を繰り返し、なおかつ死亡した女性の遺体を山林に遺棄して逮捕された海部学被告に対し、宇都宮地裁は求刑通り懲役20年の判決を言い渡しています
海部被告は逮捕後も黙秘を続け、己の犯行を頑として認めようとはしませんでした。裁判の最終陳述では遺族に対し「申し訳ない」と形ばかりの謝罪はしていますが、被害者女性に繰り返し暴行を加えた事実など認めようとはしないままで、死亡に至った経緯も供述しないままだったようです。遺族に「申し訳ない」と謝罪するのであれば、自身の犯行について認め、なぜ死亡させるに至ったか説明するべきです。こうした態度ですから、検察の求刑通り懲役20年を言い渡した裁判官の判断は妥当でしょう


5年前さくら市内のアパートで知人の女性を監禁し暴行して死亡させたうえ遺体を遺棄したとして妻やその妹とともに傷害致死などの罪に問われている被告の裁判員裁判で、宇都宮地方裁判所は「常軌を逸した暴行で人間としての尊厳を大きく傷つけた」などとして懲役20年の判決を言い渡しました。
住所不定の無職、海部学被告(37)は5年前、妻(27)やその妹(25)とともに当時24歳だった知人の田中早苗さんをおよそ4か月にわたってさくら市内のアパートに監禁し、暴行して死亡させたうえ遺体を山林に遺棄したとして、傷害致死などの罪に問われています。
これまでの裁判で検察側が「被告は長期間にわたる暴行を主導した」などとして懲役20年を求刑した一方、弁護側は暴行を主に加えたのは妻やその妹だったなどと主張して刑を軽くするよう求めていました。
11日の判決で宇都宮地方裁判所の瀧岡俊文裁判長は「被告の主張は妻の妹の供述と異なる部分があり信用性がない」などと指摘しました。
そのうえで「常軌を逸した暴行で人間としての尊厳を大きく傷つけており、亡くなった被害者の無念は察するに余りある。一連の暴行を主導して楽しんでおり主体的に関与していてくむべき余地はない」などとして、求刑どおり懲役20年の判決を言い渡しました。
(NHKの記事から引用)


この事件の報道はどうにも判りにくいものばかりで(被害者とその遺族への配慮があったとはいえ)、注意深く報道を追っていたつもりの自分でも理解できない点が多々ありました
事件発覚の経緯は海部被告の妻の妹高木沙耶花受刑者が警察に、「遺体を山林に埋めた」と自首したところから始まります。共犯に問われた高木受刑者は自首も考慮されたのか、懲役5年の判決を受けていますが、高木受刑者自身も被害者女性への暴行に加担しており、その死亡について重大な責任があります。懲役5年は軽すぎるのでは?
海部被告の妻、春香受刑者も共犯とされ懲役8年を言い渡されています。被害者女性の死亡時は出産のため夫らと同居はしておらず、その死亡には関与していないと主張していましたが、妹の沙耶花受刑者より重い刑罰を受けました
そして主犯格である海部学被告は懲役20年です。これは殺人罪と同等の量刑判断です。しかし、上記の記事にもあるように「被害者女性に暴行を加えたのは妻やその妹だから自分の刑は軽くあるべき」と、主張しており反省も後悔もまったく感じられない態度です
裁判長が判決の中で「人間の尊厳を踏みにじる行為」と言及しているのですから、被害者女性によほど酷い暴行を繰り返し加えていたものと推測されます(報道ではその暴行について触れられないままです)
本来なら逮捕監禁、暴行、殺人、売春の強要、遺体遺棄など併せて20年以上求刑されてもおかしくない事件でした

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