「日本の文化が米国を征服」と書く韓国メディア

これまでにも書いてきたように、韓国メディアはやたら「征服」という表現を使いたがります。彼らの抱える劣等感(歴史上、一度たりとも大国だったことのないコンプレックス)の現れなのでしょう
「韓流が日本列島を征服した」とか、「K-POPが日本征伐を完了した」などと韓国の新聞は記事にします。その方が読者ウケするからであり、大言壮語するのが心地良いと感じるからだと思われます。が、今の日本メディアでこんな表現を使うところは皆無です
メディアの表現から彼の国の国民性までうかがい知ることができるのですが、それが如実に現れた記事が目につきましたので取り上げます
韓国では防弾少年団(BTS)がアメリカでも人気だ、という触れ込みになっています。が、実際は人気もなく関心の対象でもないのが事実なのでしょう。本当に高く評価されているならグラミー賞を穫れたはずです。以下の記事ではビルボードのヒットチャートを賑わせながらも、韓国の大衆文化の評価の低さを嘆くとともに、日本映画が快進撃を続けている様を妬む内容になっています


2023年は「韓国の大衆文化が米国を征服した年」だったのか? ビルボードだけを見ればその通りだ。2023年だけでも、BTSメンバーのJIMIN(ジミン)とJUNG KOOK(ジョングク)がシングルチャートの首位に上った。アイドルグループのNewJeans、TOMORROW X TOGETHER、Stray Kids、ATEEZはアルバムチャートで1位になった。ビルボードのチャート征服は、強力な固定ファン層が初週に集中的にアルバムを購入したことで成し遂げられたもの、という声も多い。
(中略)
残念ながら、2023年を振り返って、いささかとんでもないことを言わねばならない。実は2023年は、日本の大衆文化が米国を征服した年として記録されるだろう。2023年12月の米国ボックスオフィス(映画の興行収入)は日本が征服した。東宝の製作した『ゴジラ-1.0』が、12月初めに米国ボックスオフィスで2位になった。米国が東宝から版権を買って製作したハリウッド版の「GODZILLA」映画ではない。日本の観客のために製作された「ゴジラ」映画だ。一瞬のヒットで終わりそうでもない。これまでの収益だけでも3500万ドル(現在のレートで約49億8000万円。以下同じ)、韓国ウォンにして約455億ウォンに上る。スティーブン・スピルバーグ監督が「映画作りの王道」と称賛するくらい、反応もいい。韓国でも公開された宮崎駿のアニメ作品『君たちはどう生きるか』も、12月第2週に米国ボックスオフィスで首位に立った。これまでの収益は2300万ドル(約32億7000万円)、韓国ウォンで約298億ウォンを超える。
多数の韓国映画が北米市場を狙ったが、明確に成功を収めた作品は1本だけ。それはオスカー受賞作の『パラサイト 半地下の家族』で、総収益は5300万ドル(約75億4000万円)、韓国ウォンで約685億ウォンだった。『ゴジラ-1.0』と『君たちはどう生きるか』はすぐにこの数字を上回るだろう。しかも、この2作品の成功は、日本大衆文化の独創的ジャンルである怪獣物とアニメーションの産物、元は日本の内需市場向けというところに興味深い部分がある。『ゴジラ-1.0』は、敗戦後の苦痛の中にあった日本人が怪獣の侵攻に打ち勝つという、実に日本的なストーリーの作品だ。『君たちはどう生きるか』もまた、第2次大戦中の日本を舞台として、宮崎監督の極めて個人的な叙事をつづっている。つまり、米国に売り込もうとして作ったものではない、ということだ。
(以下、略。朝鮮日報日本語版の記事から引用)


日本の映画関係者なら『ゴジラ-1.0』の興行が好調だとしても、「ゴジラがアメリカを征服した」などと口に出したりはしないでしょう。また、宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」がゴールデン・グローブ賞のアニメ映画賞を受賞したのですが、これで宮崎監督が「ジブリがアメリカを打ち倒した」などと言ったりもしません
なぜ、「征服した」などの発言を日本人がしないのか、韓国の国民やメディア関係者には理解できないのでは?
それこそが文化の違いであり、歴史の違いであり、国民性の違いです。野球の試合で勝つとマウンドに国旗を突き刺したり、サッカーの試合で勝つとトロフィーを足で踏みつける真似をしたり、およそ日本人なら思いつかないような行動を韓国人はやります。「勝者は勝利を誇り、何をしても許されるものであり、敗者はそれを黙って受け入れるもの」だというのが韓国人の基本的な考えなのでしょう。ただし、日本に負けると黙って敗北を受け入れたりはせず、悲憤慷慨し、泣き喚いてこれでもかと悔しさを表現した上で、審判の判定は間違っているなどとクレームをかます…のが常です
話を戻して、少なくとも「征服した」と称するなら2年や3年は市場を独占するくらいの威力を示す必要があり、つまりはヒット作を生み出し続ける必要があります。単発では「征服した」とは言えません。ヒットチャートに爪痕を残したとは言えるにしても。ドラマであれ映画であれヒット作を連発するのは難しく、ヒット作を真似たコピーでは見向きもされません
韓国の映画関係者なら『ゴジラ-1.0』がヒットしたのだから、『ガメラ』や『モスラ』もヒットするはずだと考え、怪獣映画を乱発するのでしょう。しかし、アメリカの映画ファンは見向きもしないはずです
なので、『イカゲーム』や『パラサイト』に続くヒット作が生み出せず迷走しているのではないか、と勝手に考えたりします
コンテンツの生産は今後も続きますので、ヒットしたりしなかったりの繰り返しであり、少なくとも中国映画や中国ドラマが3年も4年も世界市場を独占するような事態は起こり得ません。ヒット作を1つか2つ世に出した程度で「征服した」などと言い張る方がおかしいのです

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