韓国大統領の英国訪問
いつも殺人事件や性犯罪の話題ばかりを取り上げています。本来はもっと多様な話題（自分の関心事に限るのですが）を取り上げるつもりなのですが、気になる事件が相次ぎますのでどうしても偏った内容になってしまいます
今回は時期を失した感があるものの、１１月の韓国大統領尹錫悦夫妻のイギリスとフランス訪問を取り上げます。特にイギリスからは国賓待遇で招かれています。国賓だと歓迎式典から宮殿での晩餐会まで、フルセットの儀礼尽くしになります。イギリスは海外から国賓を招くのは年２回に限られており、なかなか貴重な機会です
韓国の尹錫悦大統領は20日、英国とフランス訪問のため、ソウル空港（軍用空港）を出発した。
尹大統領は20～23日（現地時間）、英国を国賓として訪問する。今年5月のチャールズ国王の戴冠式後、英国を訪れる初めての国賓となる。21日に英王室の公式歓迎式や夕食会に出席し、英議会で両国関係などについて演説する。22日にはスナク首相と首脳会談を行う。
23日にはフランス・パリを訪れ、25日まで2030年の国際博覧会（万博）の釜山誘致に向け、各国代表と面会し支持を訴える予定だ。30年万博の開催地は28日にパリで開催される博覧会国際事務局（BIE）総会で加盟国代表の投票により決定する。
（聯合ニュースの記事から引用）
この記事の後、イギリス訪問を伝える報道が数多く出たのですが、自分が気になったのは以下の写真です。韓国メディアの人たちはこの写真を見て「おかしい」と思わなかったのでしょうか？
自分は儀礼や儀典の専門家ではなく、素人なので誤りがあればご容赦ください
尹大統領がチャールズ国王に韓国の最高位である無窮花大勲章を贈り、チャールズ国王は尹大統領にバース勲章を贈った際の写真です。尹大統領はバース勲章の赤い大綬（リボンというか、襷）を、チャールズ国王は無窮花大勲章の大綬をそれぞれ身につけているのが写真から判ります。そしてチャールズ国王の隣りにいるカミラ王妃は、イギリスの最高位勲章であるガーター勲章の青い大綬を身に着けティアラを頭に載せたた礼装です。国賓を迎えた公の席での記念撮影ですから、その人に与えられた勲章を身につけるのが礼儀です。しかし、尹大統領夫人は勲章の大綬と認められるものは何も身に着けておらず、礼装ではなくただのドレス姿です
韓国では大統領の妻にも無窮花大勲章が贈られますので、当然大統領夫人も公の場では無窮花大勲章の大綬を身につけるが国際的な儀礼です。国賓で招かれたのですから、勲章持参でイギリスに出かけるべきところを、忘れてしまったのでしょうか？
これは大統領夫人のミスではなく、大統領府の儀典を担当する職員のミスでしょう
次の産経新聞の記事にはエリザベス女王夫妻と上皇夫妻の写真があります。上皇陛下とエリザベス女王が身につけているのがガーター勲章の青い大綬です。上皇后陛下は女性皇族に贈られる最高位の勲章、宝冠大綬章の大綬（赤と黄色）を身につけています。この２つの写真を見比べれば、韓国の大統領夫人が大綬を身に着けず、公式の場に出席したというのはかなり恥ずかしい事態だと理解できるでしょう
https://www.sankei.com/article/20160616-3XKBY5KUWNKZVGI5GDFA42RV3M/photo/YA3JREUZD5L2NNVQTO33LGWPGY/
なお、上記の産経新聞の記事はエリザベス皇太后と表記しているのですがこれは間違いで、あくまでイギリス女王（国王）と表記するのが正解です。なお、エジンバラ公が身につけている赤の大綬はバース勲章のものです
バース勲章
ちなみに韓国大統領の国賓訪問は故盧武鉉大統領以来です。盧武鉉大統領は最高位のガーター勲章の授与を望んだそうですが、贈られたのはバース勲章でした（韓国メディアは英国最高位の勲章が贈られた、と嘘を記事にしていました）。最高位はガーター勲章であり、２番目はシッスル勲章で、３番目にバース勲章という序列になっています（シッスル勲章は元々スコットランド王国の勲章であり、スコットランド系国民に贈られる決まりですから、バース勲章は事実上２番目の序列とも言えます）
尹大統領夫妻の写真はイギリス王室の広報が撮影し、発表したものと思われます。カメラマンは大統領夫人の服装を見てその儀礼を無視した服装に、「あー、やっちまったな」と思ったでしょう。が、表情には出さす撮影し、公式写真として発表された…と考えられます。イギリスの王室関係者のみならず、一般国民も写真を見て「あー、やっちまったなあ」と思ったに違いありません。「礼儀をわきまえない国の大統領夫人はこれだから」と冷笑したでしょう
もしこれが韓国人カメラマンが撮影した写真なら、大統領夫人の服装の誤りを指摘された後、フォトショップを使って夫人の姿だけ修正し、それなりのドレスに勲章に大綬を肩にした姿に入れ替えたのかもしれません。が、イギリス王室の公式写真なのでさすがにそれはできなかったのでしょう。あるいは服装の誤りに韓国政府関係者、韓国国民は誰も気がついていないままなのか？
BLACKPINKの勲章授与
最後に余談です。大統領夫妻のイギリス訪問にはK-POPグループのBLACKPINKも随行していました。バッキンガム宮殿でチャールズ国王から名誉大英帝国勲章のを授与されています。４人のメンバーのうちロゼは韓国とニュージーランドの二重国籍なので、イギリス連邦の国民に与えられる大英帝国勲章のを授けられています
「英国王が直接、勲章を授与した」と大きく報じた韓国メディアもあったのですが、イギリスでは国王が勲章を直接手渡す慣例があり、故エリザベス女王も毎年、１００人以上の人々に勲章を手渡すのが公務となっており、チャールズ国王の振る舞いが特別というわけではありません
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