清水警察署交通課長　ストーカー容疑で逮捕: 夾竹桃日記

2023年12月08日

清水警察署交通課長　ストーカー容疑で逮捕

事件を考える

警察官による犯罪もさまざまですが、警察官として勤務したままストーカーと化す事態というのは何とも困ったものです

静岡県警は清水署交通課長がストーカー行為と強迫を繰り返したとして、ストーカー規制法に基づく禁止命令を９月末に出したものの、そのまま交通課長として１２月５日まで勤務させていたと報じられています

被害者が警察に相談し、交通課長がストーカー行為をしていると判明した時点でなぜ更迭しなかったのか、対応が謎すぎます

静岡県の清水警察署の53歳の交通課長が、元交際相手の女性に脅すような内容などのメッセージを繰り返し送ったとして、脅迫とストーカー規制法違反の疑いで逮捕されました。ことし静岡県警察本部の警察官が逮捕されるのはこれで5人目です。

逮捕されたのは、清水警察署の交通課長、増井健吾容疑者（53）です。

警察によりますと、ことし7月中旬から9月下旬にかけて、元交際相手の30代の女性に「命が続く限り所定の行動をとる」などと脅すような内容を含むメッセージを百数十件送ったとして、脅迫とストーカー規制法違反の疑いが持たれています。

ことし9月11日に女性から静岡県内の警察署に「ストーカー被害を受けている」という相談があったため、県警察本部は9月27日、交通課長に対してストーカー規制法に基づく禁止命令を出していました。

交通課長は5日まで勤務していたということで、調べに対し「逮捕については納得できない」などと供述しているということです。

静岡県警察本部は、7日付けで交通課長の職を解き、警察署付とすると発表しました。

ことし静岡県警察本部の現職の警察官が逮捕されるのはこれで5人目で、過去10年間で最多だということです。

日吉知洋警務部長は「幹部職員がこのような事案を起こしたことは誠に遺憾であり、被害者と県民の皆様には深くおわび申し上げます。事実関係を調査の上、厳正に対処してまいります」とコメントしています。

（NHKの記事から引用）

現職警察官の逮捕が多いから問題だ、と記事には書かれています。が、ストーカーと化してしまった交通課長をそのまま勤務させる人事管理をしているのですから、あまりに杜撰であり、警察官の逮捕者がぞろぞろ出るのも当然か、と思ってしまいます

事件の細部は不明なので憶測するしかないのですが、増井容疑者はストーカー行為を繰り返しながらも、交通課長としては問題のない勤務をしていたのかもしれません。警察内での勤務態度と、ストーカー行為という犯罪とのギャップに幹部たちも戸惑い、処分が先延ばしになってしまったのか？

ただし、ストーカー行為は犯罪であり、ストーカー規制法に基づく禁止命令を出すくらい行動がエスカレートしていたのですから、現在進行系で犯罪行為をなしている者を警察官として職務に留めておく判断は大間違いです。しかも、記事には「逮捕について納得できない」とする増井容疑者の発言が引用されていますので、事情聴取に対しても「自分は間違ったことはしていない」と容疑を否認し、ストーカーであるとは認めなかったのでしょう

これはストーカー犯罪の特徴でもあり、周囲から忠告されても警察から警告されても、「自分はストーカーではない」と言い張り、ストーカー行為そのものを認めない傾向が見られます（ただし、ストーカー行為をする者のうち６割から７割は警察の警告を受けて、行動が収まるとの報告があります）

なので、残る３割くらいのストーカーは警告を無視して同様の行為を繰り返すのでしょう。この段階では理詰めで説得しても通用せず、歯止めがかかりません。つまり理屈ではなく、もっと根源的な欲求に駆られ行動しているものと推測されます

増井容疑者の場合、元交際相手の女性に対する未練と、自分を拒絶する女性への憎悪が入り混じった複雑な感情ゆえ、なのかもしれません

事情はともかくここで歯止めをかけないと、現職警察官がストーカー行為を繰り返した末、女性を拳銃で射殺する…といった事件に発展しかねません。なので、逮捕して身柄を拘束する判断は妥当でしょう。問題はこの後どうするか、です

起訴し、裁判に持ち込んでも執行猶予付き判決になる可能性が高く、となれば増井容疑者が過激な行動に走る危険があります

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