新居浜一家殺害事件を考える　初公判で無罪主張: 夾竹桃日記

2023年12月06日

新居浜一家殺害事件を考える　初公判で無罪主張

殺人事件を続けて取り上げます。２０２３年度の上半期（１月から６月）は、昨年の同時期に比べ殺人事件が増えたと統計には現れており、特に今年は銃を使った事件が顕著に増えました

それはともかく、２０２１年に愛媛県新居浜市で起きた一家殺害事件の初公判がようやく始まりました。河野智被告は知人から「電磁波攻撃を受けている。止めろ」との理由で押しかけ、８０代の夫婦２人と息子の３人をナイフで刺殺し逮捕されました

「電磁波攻撃」と聞けば統合失調症が疑われます。松山地検は精神鑑定実施後、刑事責任を問えると判断し起訴していました。事件発生から２年以上かかってようやく初公判に漕ぎ着けました

愛媛県新居浜市で一家3人をナイフで殺害したとして、殺人と銃刀法違反の罪に問われている男の初公判が6日、松山地裁で開かれ被告は起訴内容を認めました。

起訴状などによりますと、住所不定で無職の河野智被告(56)は2021年10月、新居浜市垣生の住宅で元同僚の岩田友義さん(当時80)と妻のアイ子(当時80)さん、三男の健一さん(当時51)の胸などをナイフで突き刺し、殺害したということです。

松山地裁で開かれた初公判で、河野被告は起訴内容を認めた上で、弁護人が心神喪失による無罪を主張しました。

続く検察側の冒頭陳述で「河野被告は組織から電磁波攻撃を受けたと思い込み、一方的に犯行に及んだ」ただ「自らの行動は理解できた」と指摘。

善悪の判断が全くつかなかったわけでは無い心神耗弱状態だったとして、罪に問えると主張しました。

被告は、警察に逮捕された当時から犯行を認める供述をしていましたが、「あいつらが悪い」とも供述し一方的に恨みを募らせたとみられる、不可解な動機を語っていたといいます。

また、殺害された健一さんは事件前、警察に「河野容疑者に電磁波攻撃をとめろと言われる」などと、言いがかりを付けられていることを相談していました。

河野被告の知人によると、4年ほど前から異変が生じ「誰かに悪口を言われている」などと、電話をしてくるようになったといいます。

さらに、河野被告は事件当時、車上生活をしていて、その車で、現場まで乗り付けたとみられています。

車上生活する様子を目撃していた知人は「事件直前はいつもと違う様子だった」と話していました。

判決は、今月18日に言い渡される予定です。

（iTVあいテレビの記事から引用）

被害者である岩田健一さんは「河野から電磁波攻撃を止めると言われる」と警察に相談していたものの、保健所がどう対処していたのかは不明です（報道されていたのかもしれませんが、自分は見ていません）。通常なら警察から通報を受けた保健所が河野被告を説得し、入院させる対応をするはずです

なぜ河野被告が事件を起こすまで放置されていたのか、謎と言うしかありません。新居浜署は保健所へ５度も通報しています

警察は便利屋ではなく、精神障害が疑われる人物の対応は保健所の領分です。「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」でそう規定されています

コロナ禍の対応に追われ、それどころではなかったと保健所は説明するのでしょうか？保健所が対応しなかった結果、３人もの犠牲者が出ているのですから、コロナのせいにするのは止めてもらたいところです

さて、裁判の方では河野被告側が精神障害を理由に無罪を主張しています。が、検察側は精神障害の影響を考慮した上で求刑するものと推測されます。３人殺害なら死刑を求刑する事案ですが、１等罪を減じて無期懲役の求刑になるのでしょう

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