楽天巨額詐欺事件　元部長ら資産１８億円差し押さえ: 夾竹桃日記

2023年11月25日

楽天巨額詐欺事件　元部長ら資産１８億円差し押さえ

楽天モバイルの部長だった佐藤知紀被告は物流会社の経営者らと結託し、基地局建設に絡んで架空請求を繰り返し、楽天から約９８億円を騙し取った疑いで逮捕・起訴されています（当初、３００億円も騙し取ったと報じられていましたが、被害金額は９８億円で確定したようです）

佐籐被告など関係者の不正な利得に対し、東京国税局が追徴課税しているのですが、その額は４０億円にもなるのだとか。国税局が佐籐被告らの資産１８億円を差し押さえたと１１月２１日付けの記事が伝えています

楽天モバイルの携帯電話基地局整備事業をめぐる巨額詐欺事件で、東京国税局が、同社元部長の佐藤友紀被告（47）=詐欺罪で起訴=と、下請けの物流会社「TRAIL」（東京都港区）の計約18億円相当の資産を差し押さえていたことがわかった。

佐藤被告は、楽天モバイルの委託先の役員らと共謀し、楽天モバイルに費用を水増し請求して計約98億円をだまし取ったとして逮捕・起訴されている。関係者によると、同国税局は佐藤被告の所得税とTRAILの法人税など計約40億円を追徴課税したが、納税の見通しが立たないとして、佐藤被告の所有する不動産や同社の現金など計約18億円相当を差し押さえたという。資産の差し押さえにより10億円超が徴収されるのは異例とみられる。

（朝日新聞の記事から引用）

佐籐被告とその妻智子被告はブランド品や高級車を買いまくり、さらにタワーマンションの部屋も複数戸購入するなど散財の限りを尽くしていました。妻の智子被告も組織犯罪処罰法の犯罪収益等を隠匿した罪で起訴されており、自慢のブランド品も差し押さえられているのでしょう

楽天側も横領された金額の回収を目指すわけで、佐籐被告らの資産が国税局のものになるのか、楽天のものになるのか注目されます

さて、共謀して楽天から金を騙し取った物流会社の社長の裁判が既に始まっています。８月の初公判で不正請求の事実を認めています

携帯電話の基地局整備を巡る業務委託費を水増しし、楽天モバイルから約98億円をだまし取ったとして詐欺罪に問われた運送会社社長の男の初公判が25日、東京地裁であった。

検察側は男が会社の赤字経営に危機感を抱き、楽天モバイル元物流管理部長の佐藤友紀被告（47）=同罪などで起訴=とともに同社への不正請求のスキームを確立したと述べた。

男は、楽天モバイルの再委託先で建設現場へのコンクリート柱の輸送などを担っていた「TRAIL（トレイル）」（東京・港、破産手続き中）の社長、浜中治被告（50）。同被告は罪状認否で、「（間違っているところは）ないです」と起訴内容を認めた。

検察側は冒頭陳述で、楽天モバイルから突然輸送を依頼されるケースが増えた影響で自社での対応が難しくなり、外注先から高額な請求をされるようになったと指摘。浜中被告は「赤字経営を余儀なくされる」と、トレイルの財務状況に危機感を持つようになり、佐藤被告に打開策を相談したという。

これを受けた佐藤被告は輸送費を過大請求して一部を還流するよう求め、浜中被告は応諾。輸送に使う車両を確保したように装い、楽天モバイルに水増し請求するスキームができあがったとした。捜査関係者によると、佐藤被告は事件当時、取引内容などが適正かどうかをチェックする立場だったとされる。

検察側によると、楽天モバイルからの詐取金は当初、トレイルから佐藤被告の妻の口座に振り込まれていた。だが、個人口座への多額の送金は不審に思われるなどと考え、複数の会社を経由し、妻が代表を務める会社の口座に送金するようになったという。

一連の犯行でトレイルが4億円超の粗利を得たうえ、浜中被告自身も手取りで月6600万円余りの役員報酬を受け取り、高級車などを購入していたことも明らかになった。

起訴状によると、浜中被告は佐藤被告らと共謀。基地局の建設に絡み、2021年7〜10月に業務委託費として資材保管料や輸送費などを過大請求し、楽天モバイルから水増し分約36億円を含む計約98億円をだまし取ったとされる。