岩手県警巡査自殺 パワハラ認め8310万円賠償

世間では宝塚歌劇団「宙組」団員自殺事件が注目を集めています。そちらの方はメディアが活発に取り上げていますので、当ブログとしては取り上げません
今回は岩手県警の巡査が上司からのパワーハラスメントを受け、自殺した件に言及します
問題の巡査自殺は2019年であり、それから随分と時間が経っています。つまり上司(巡査部長)の責任を明らかにするのに4年もかかってしまった、というものです


2019年に盛岡東警察署の当時20代の男性巡査が勤務中に自殺した問題で、岩手県警は20日、当時の上司のパワハラが自殺の一因であることを否定できないとし、遺族に8000万円余りを支払い示談する方針を示しました。
県警によりますと巡査は2018年5月から12月までの間に、直属の上司だった男性巡査部長から「バカ」「死ね」などの暴言や頭を平手打ちされるなどの行為を受けていたということです。巡査は2019年1月28日に勤務先で自殺しました。県警は2019年3月に巡査部長を本部長注意とし、巡査部長は依願退職しています。去年7月に遺族が県を相手に損害賠償を求めていましたが、県警は遺族に8310万円あまりを支払うことで示談が成立する見通しであることを20日に発表しました。
岩手県警の天野真弓警務部長は「大切な人材を失ったことは極めて残念であり、お亡くなりになられた職員のご冥福を祈り、謹んでお悔やみ申し上げます。職場のパワハラ行為により職員が精神疾患を発症し、自死に至ってしまったことを大変重く受け止めています。今後同様の事案が発生することがないよう、県警一丸となって再発防止に取り組みます」とのコメントを発表しました。
(岩手放送の記事から引用)


自殺した巡査は交番勤務だったと報じられています。志を持って警察官という職に就きながら、若くして自殺に追い込まれるというのは悲しい出来事です
パワーハラスメントを繰り返した巡査部長は本部長注意の処分だけで依願退職を認めた扱いは、遺族としても納得がいかない部分でしょう。1人の警察官を自殺に追い込んだのですから、傷害致死事件として扱い逮捕して罪を問うべきだったのでは?
岩手県警としては、そこまでやってしまうと組織がガタガタになるため事件として立件する気はなかった、と考えられます
ただ、過去には滋賀県警でも新人警察官に上司がパワーハラスメントを繰り返したため拳銃で撃たれ死亡する事件がありました。この件では上司によるパワーハラスメントは不問とされ、新人警察官の犯行だけが非難され、懲役22年が言い渡されています
新人職員を自殺に追い込むというのは新人教育の失敗であり、上司の過失です。滋賀県警の事件のように新人巡査が上司を拳銃で射殺するような暴発を招く事件も、新人教育の失敗でしょう。新人を厳しく鍛えると言いながら、自殺させてしまっては論外です
それでも責任を負うことなく県警本部長注意だけで依願退職を認められ、和解金8310万円は岩手県民の収めた税金から支払われるのです
せめて半分の4000万円でも退職した元巡査部長に負担させるべきでは?
公務員が非違行為によって県に損害を与えたのですから、県側は求償権を行使して元巡査部長に4000万円を支払うよう請求するのは法律上認められた権利です。ただ、それをやれば「岩手県警の警察官の士気が削がれる」として県警本部は猛反対するはずです

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