本庄5歳時暴行死 事件の背景など
埼玉県本庄市の古い民家の床下から、当時5歳だった柿本歩夢くんの遺体が発見された事件の続報です。家に住んでいた母親の柿本知香、借家の借主の丹羽洋樹(当時34)と内縁の妻・石井陽子(当時54)の3人が逮捕され、傷害致死、死体遺棄などの罪で起訴されています
事件は石井陽子被告が丹羽洋樹被告や柿本知香被告に命じ、日常的に歩夢くんに暴行を加え死亡させ、遺体を床下に埋め込んだものです。なお、歩夢くんとは別に、高齢女性の遺体も床下から発見されており、石井被告がこの女性の死や遺体遺棄にも関与し、なおかつ女性の年金を騙し取っていた疑いもあり、詐欺罪でも起訴されています
なんとも込み入った人間関係と理不尽な犯行が絡んだ事件です。事件の背景であるところの人間関係について、文春オンラインが記事にしていますので一部を引用します
事件は石井陽子被告が丹羽洋樹被告や柿本知香被告に命じ、日常的に歩夢くんに暴行を加え死亡させ、遺体を床下に埋め込んだものです。なお、歩夢くんとは別に、高齢女性の遺体も床下から発見されており、石井被告がこの女性の死や遺体遺棄にも関与し、なおかつ女性の年金を騙し取っていた疑いもあり、詐欺罪でも起訴されています
なんとも込み入った人間関係と理不尽な犯行が絡んだ事件です。事件の背景であるところの人間関係について、文春オンラインが記事にしていますので一部を引用します
2021年1月。寄る辺ないシングルマザーの柿本知香(32)は、息子の歩夢くん(死亡時5)を連れ、石井陽子(56)と丹羽洋樹(36)が住む埼玉県本庄市の一軒家に転がり込んだ。 その直後から“躾”の名を借りた虐待が始まった。
1年後の2022年1月18日、歩夢くんは壮絶な虐待の果てにこの世を去る。その亡骸は、3人の大人たちの手で家の床下の土中に埋められた。
傷害致死、死体遺棄などの罪に問われた3被告のうち、知香と丹羽は今年9月、さいたま地裁からそれぞれ懲役10年、同12年の有罪判決を言い渡された(ともに控訴中)。目下、主犯と目される石井の裁判員裁判が続いている。
知香は11月9日、石井の裁判に証人として出廷。実母はなぜ我が子を“赤の他人”とともに虐待死させたのか――。
主体性がなく、流されやすい知香
再び地裁法廷に立った知香の証言は、流されやすく、主体性に乏しい性格をあらためて浮き彫りにした。
知香がSNSを通じて歩夢くんの父親となる男性(以下、夫)と知り合ったのは、2014年、23歳の時。その頃、知香は大阪府内の実家で両親、姉らと暮らしていた。埼玉県本庄市に住む夫とは、知り合って1、2カ月が過ぎた頃から遠距離恋愛の関係に発展した。2015年3月、知香が本庄市に遊びに行った際、夫は「結婚したい。実家に挨拶に行きたい」と言い出し、そのまま帰阪する知香に同行した。
交際が始まって約3カ月しか経っていなかった。知香の家族は「交際期間が短いし、まだ早いんじゃないか」と、性急な結婚には反対。ところが、本庄に引き上げる夫を最寄り駅まで見送りに出た知香は、そのまま駆け落ち同然に大阪を離れてしまうのだ。
「私は家に帰ると言ったのですが、何度も『ついてきてくれ』と言われて。あまりにもしつこくて、断り切れなくなり、もういいやと思って、財布と携帯電話くらいしか持っていなかったのですが、本庄までついていきました」(法廷の知香証言)
実家に無断で消息を絶った知香。その身を案じた家族は、警察に捜索願を届け出た。数日後、知香は母親に連絡をし、「本庄にいる。無事だから大丈夫」と伝えたが、身勝手な行動に、特に姉の怒りは凄まじかった。
「親が死んでも帰って来るな!」
知香は夫のDVから逃れ、避難した
本庄市で夫と暮らし始めた知香は2015年4月に入籍。だが、ほどなく夫のDVが始まった。
「殴られたり、蹴られたり、物を投げられたり、作ったご飯をぶちまけられたり。言葉の暴力もありました。お互い働いてはいましたが、夫はお金をパチンコなどに使ってしまう癖があって、生活はとても厳しい状態でした。給料を前借したり、消費者金融からお金を借りたりもしていました」(知香)
2016年8月、歩夢くんが誕生しても、夫のDVが収まることはなかった。夫は歩夢くんに手を上げることはなかったが、我が子の目の前で知香に暴力を振るうこともあったという。
1年後の2022年1月18日、歩夢くんは壮絶な虐待の果てにこの世を去る。その亡骸は、3人の大人たちの手で家の床下の土中に埋められた。
傷害致死、死体遺棄などの罪に問われた3被告のうち、知香と丹羽は今年9月、さいたま地裁からそれぞれ懲役10年、同12年の有罪判決を言い渡された(ともに控訴中)。目下、主犯と目される石井の裁判員裁判が続いている。
知香は11月9日、石井の裁判に証人として出廷。実母はなぜ我が子を“赤の他人”とともに虐待死させたのか――。
主体性がなく、流されやすい知香
再び地裁法廷に立った知香の証言は、流されやすく、主体性に乏しい性格をあらためて浮き彫りにした。
知香がSNSを通じて歩夢くんの父親となる男性(以下、夫)と知り合ったのは、2014年、23歳の時。その頃、知香は大阪府内の実家で両親、姉らと暮らしていた。埼玉県本庄市に住む夫とは、知り合って1、2カ月が過ぎた頃から遠距離恋愛の関係に発展した。2015年3月、知香が本庄市に遊びに行った際、夫は「結婚したい。実家に挨拶に行きたい」と言い出し、そのまま帰阪する知香に同行した。
交際が始まって約3カ月しか経っていなかった。知香の家族は「交際期間が短いし、まだ早いんじゃないか」と、性急な結婚には反対。ところが、本庄に引き上げる夫を最寄り駅まで見送りに出た知香は、そのまま駆け落ち同然に大阪を離れてしまうのだ。
「私は家に帰ると言ったのですが、何度も『ついてきてくれ』と言われて。あまりにもしつこくて、断り切れなくなり、もういいやと思って、財布と携帯電話くらいしか持っていなかったのですが、本庄までついていきました」(法廷の知香証言)
実家に無断で消息を絶った知香。その身を案じた家族は、警察に捜索願を届け出た。数日後、知香は母親に連絡をし、「本庄にいる。無事だから大丈夫」と伝えたが、身勝手な行動に、特に姉の怒りは凄まじかった。
「親が死んでも帰って来るな!」
知香は夫のDVから逃れ、避難した
本庄市で夫と暮らし始めた知香は2015年4月に入籍。だが、ほどなく夫のDVが始まった。
「殴られたり、蹴られたり、物を投げられたり、作ったご飯をぶちまけられたり。言葉の暴力もありました。お互い働いてはいましたが、夫はお金をパチンコなどに使ってしまう癖があって、生活はとても厳しい状態でした。給料を前借したり、消費者金融からお金を借りたりもしていました」(知香)
2016年8月、歩夢くんが誕生しても、夫のDVが収まることはなかった。夫は歩夢くんに手を上げることはなかったが、我が子の目の前で知香に暴力を振るうこともあったという。
2020年7月のある日も夫が暴れ出し、知香はついに警察に通報する。避難するように言われ、夫の元から逃げ出したのだ。
(以下、略)
柿本知香被告は出会ってから3か月で結婚を決め、駆け落ち同然で大阪から本庄へ行ったものの、夫は借金まみれでDVもひどかった…という話です。相手の素性や本性を確かめようともせず、「自分にはこの人しかない」とか、「運命の出会い」などと思い込んでしまうところが何とも言えません
上記の記事の続きて、こどもを連れた知香被告は夫の家を出たものの行き先もなく(大阪の実家には戻れなかった)、DV被害の女性用シェルターに入るよう勧められるのですが、スマートフォンを手放すとの条件に納得できず保護施設行きを断念します。携帯電話を所持したままだとDVから逃れたのに、再び夫と連絡を取り戻ってしまう女性が多いからです
結果として柿本被告は石井被告に誘われ同居を始めるのですが、状況に流されるままという柿本被告の主体性の欠如がこの事件に発展した、と文春オンラインの記事は言いたいようです(自分はそう思いませんが)
柿本被告の選択肢としては、歩夢くんを連れて大阪の実家に戻るのが最善だったはずです。実家の親に身勝手な振る舞いを謝罪し、土下座してでも家に入れてもらう…という芝居でも何でもやって見せればよかったわけで。幼いこどもを連れて戻ってきた娘を追い出すほど、柿本被告の親は鬼ではないでしょう
もちろんそこからも大変な生活が待っているのですが、少なくとも歩夢くんが嬲り殺しの目に遭ったりはしなかったはずです
保育園のママ友の紹介で石井被告らと同居し始めた柿本被告は工場で働き始めるのですが、給与は石井被告に巻き上げられ、いいように遣われてしまいます。生活面すべてを石井被告に支配され、逆らえない状況に追い込まれてしまったわけです
さて、石井被告にはさいたま地検が懲役15年を求刑したと報じられています。判決は11月24日に言い渡されます
埼玉県本庄市の住宅で昨年1月、同居していた5歳男児に暴行を加えて死亡させ、床下に埋めたとして、傷害致死や死体遺棄などの罪に問われた無職石井陽子被告(56)の裁判員裁判の論告求刑公判が16日、さいたま地裁(北村和裁判長)で開かれ、検察側は「他の被告2人に暴行を指示した」として懲役15年を求刑した。
起訴状などによると、石井被告は昨年1月18日、交際相手だった丹羽洋樹被告(36)、自宅に居候していた柿本知香被告(32)と共に、柿本被告の長男歩夢ちゃんを畳に投げ倒して死亡させ、1月19日ごろに自宅の床下に遺棄したとされる。丹羽被告と柿本被告はそれぞれ懲役12年、懲役10年の判決を先に受け、控訴している。
石井被告は、床下から白骨遺体で発見された高齢女性の年金など約1154万円をだまし取ったとして、詐欺罪にも問われている。
(共同通信の記事から引用)
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