甲府放火殺人 黙秘の理由語る

11月13日の公判では弁護人質問に立ちましたが、遠藤裕喜被告は黙秘したままだったと報じられています。公判で黙秘しているのは弁護人による法廷戦術の一環なのかとも思っていましたが、そうではなかったようです
しかし、14日の公判で改めて弁護人が「なぜ話さないのか?」と問いかけると遠藤被告は初めて口を開いた、と伝えられています
13日と14日の公判を報じた記事を2つ貼ります


甲府市で2021年10月、夫婦が殺害され自宅が放火された事件で、殺人と現住建造物等放火などの罪に問われた無職遠藤裕喜被告(21)の裁判員裁判の公判が13日、甲府地裁(三上潤裁判長)であった。
初の被告人質問が行われたが、弁護人の問い掛けに同被告はうつむき、無言のままだった。
遠藤被告は当時19歳で、事件は改正少年法に基づき検察側が起訴後に実名を公表した全国初のケース。同被告は先月25日の罪状認否でも一言も話しておらず、初公判から黙秘を貫いている。
遠藤被告は、裁判長から黙秘権の説明を受けた際はうなずく様子を見せた。弁護側は「今回の事件のことを話すことはできるか」「事件に関係なく何か話すことはできるか」などと6回質問したが同被告は一切答えず、手続きは5分ほどで終了。そのまま閉廷した。弁護側は14日も引き続き、被告人質問を行う予定という。
(時事通信の記事殻引用)

甲府市で2021年10月、夫婦が殺害され自宅が放火された事件で、殺人と現住建造物等放火などの罪に問われた当時19歳の無職遠藤裕喜被告(21)の裁判員裁判の公判が14日、甲府地裁であった。
引き続き被告人質問が行われ、遠藤被告はこれまで黙秘していた理由について「社会に戻るつもりがないから」と語った。
遠藤被告は10月の初公判以降、黙秘していたが、この日行われた2回目の被告人質問で初めて発言した。弁護側から「なぜ何も話さないのか」と尋ねられると、「社会に戻るつもりがないからです」と語ったが、検察側からその真意を問われると「答えたくないです」と述べた。「被害者家族らに二度と関わらないと約束できますか」との検察側の質問に対しては「できます」と話した。
(時事通信の記事から引用)


「社会に戻るつもりはない」という遠藤被告の発言はさまざまに解釈できます。が、自分の第一感としては、「このまま無期懲役になって、社会には戻らなくてよい」という、諦観の念があるように思います。自分は悪者として刑務所に入ったままでよいのだ、と
弁護人は心神耗弱を主張して減刑を求めるつもりですが、遠藤被告はどうでもよいと思っているのでは?
それならそれで構わないのであり、弁護人や検察官が遠藤被告を説得し、公判で謝罪やら自己弁護をするよう強制すべきではないのでしょう
弁護人としては己の弁護活動を徒労と感じるかもしれませんが、国選弁護人として弁護料は受け取れるのですからこれも仕事のうちです
これに先立つ公判では、殺害された夫婦の次女が遠藤被告から受けた傷(鉈で頭部を切りつけられもの)について、治療に当たった医師の証言があり、「頭部の傷は致命傷に至るおそれがあった」と述べています
遠藤被告は取り調べの中で次女への殺人未遂を否認し、殺すつもりはなかったと主張していたのですが、致命傷になりかねない傷を負わせておいて「殺す気はなかった」は通用しません。殺人未遂が成立すると裁判官は判断するはずです

(関連記事)
甲府放火殺人 遠藤被告に死刑判決
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/502099722.html
甲府放火殺人 死刑を求刑
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/501724002.html
甲府放火殺人 「被告の犯行理由に納得できない」
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/501651111.html
甲府放火殺人 「長女を拷問するつもりだった」
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/501599650.html
甲府放火殺人 「責任能力に問題なし」
https://03pqxmmz.seesaa.net/article/501561590.html
甲府放火殺人 謝罪の手紙朗読
甲府放火殺人 公判で明かされた犯行実態
甲府放火殺人 公判で耳を塞ぎ黙秘貫く
甲府放火殺人 初公判で黙秘
甲府放火殺人 公判では責任能力を争うか
甲府放火殺人 10月に初公判
甲府放火殺人 「家族全員殺すつもり」
甲府放火殺人 精神鑑定実施へ
甲府放火殺人 少年A(19歳)の生き様
甲府放火殺人 犯人は19歳の生徒会長
甲府放火殺人 交際拒否で逆恨み
甲府放火殺人 19歳少年を逮捕
ストーカー問題 自我・他我はどう形成されるのか2
ストーカー問題 自我・他我はどう形成されるのか1
高槻市マンション殺人事件 男子高校生死亡
高槻市マンション殺人事件 犯人は男子高校生
白金高輪駅硫酸男 花森被告に懲役3年6月判決
白金高輪駅硫酸男 ストーカー行為と大失恋
白金高輪駅硫酸男 妄想性人格障害か?
八戸高専事件 ストーカーの濡れ衣を着せられ